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<39> 一喜一憂

 一喜一憂という四字熟語がある。人生はまさに一喜一憂の連続のように思える。万馬券を当てて喜んで飲み屋に入り、配当以上のお金を支払う破目になった・・というような例はその限りではありません。^^

 毛岡は最近、売れ出した芸能人の一人だった。そこにいたのか…とも言われない下積み時代を長年過ごしてきた毛岡にとっては、まさに夢のような至福の到来だった。なんといってもギャラが上がり、オファーの数も鰻登りになったからである。ただ、多忙で疲れることは増え、移動中にもウトウトする毛岡だった。

「お客さんっ! 着きましたよっ!!」

 タクシーの運転手にテレビ局前で言われ、毛岡は深い眠りから覚めた。

「ああ、どうも…」

 そう言うと、万札一枚を出し、運転手に手渡した。運転手はお釣りを出そうとした。

「いいよ、いいよ。とっといて…」

 何年か前には言えない言葉を毛岡は口にしていた。そんな喜びが憂いに変わろうと、だれが予想しただろう。

 数年後、毛岡は、そこにいたのか…とも言われない芸能人になっていた。というより、名前も世間から忘れ去られる存在になっていたのである。毛岡は思った。人生は一喜一憂だな…と。ところが、ひょんなことで毛岡はまた世間の脚光を浴びることになったのである。毛岡はまた思った。一喜一憂が人生なんだな…と。

 芸能人に限らず、世間一般の人生を歩む私達にも一喜一憂は言うますよね。^^


                  完

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