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<26> 安全志向

 人には、皆で渡れば怖くない的な身の安全を図る安全志向の深層心理が介在する。激しく往来する車道の横断歩道を一人渡る場合と、集団で軍勢のように渡る場合とでは個人が感じる気持ちの持ちようが大きく変化する訳だ。気の弱い者にとって、集団行動は安全志向が働き、心強い訳です。^^

 気弱な鉾立は暑い最中(さなか)、祭りの準備に余念がなかった。毎年のことだから馴れはあったが、責任者の籤引(くじび)きだけは別で、当たらないようにっ! …と、この時期だけはビクビクものだった。籤さえ外れれば、あとは集団の責任で、祭り繰り広げながら楽しむだけだった。鉾立の安全志向は籤が外れることで満たされたのである。ところが、である。

「すみません、鉾立さん、(ちまき)さんが会社の都合で無理になったんですよ…。ほかに責任者になる適当な方がおられないんで、あなたにお願いしようと…」

「ええ~~~っ!! 誰が言ったんですかっ!?」

「町内の総意で…」

「ええ~~~っ!! そんな…」

 この瞬間、鉾立の安全志向は見事に崩れ去ったのである。集団の総意では否応もない。もう、俺は外国へ移住するぞっ! と、思わなくてもいいのに鉾立は安全志向で見の逃避を思った。

 その後、どうなったか? 私はよく知りませんが、風の便りで聞いたところでは、粽さんが責任者に復帰されたようで、鉾立さんはホッ! とされたようです。安全志向が満たされたんですね。よかった、よかった!^^


                  完

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