<23> 争い
人生は一人で生きるものだがら、多かれ少なかれ他人との接触は避けられない。個人と個人、多くの個人[=集団]と多くの個人[=集団]、さらに大きな塊となって国と国といった接触となる。と、どうなるか? それは簡単な話で、意気投合する同士ならいいが当然、意気投合しない相手も生まれる。生まれるだけならいいが、それが争いとなれば厄介だ。子供同士なら次の日には仲良くなれるが国同士だとそうはいかない。現在、アチラコチラと起きている世界の争いをお考えいただければ皆さんにもお分かりでしょう。^^
とある国同士の第一回の会談も済み、招待国の政府招待による夕食パーティーが開かれている会場である。二国ともお国言葉が違うため、ここは同時通訳による会話内容である。
『いや、どうも…。どうですかな? 我が国の料理は?』
『ははは…なかなかの珍味です』
訊ねられた他国の代表は、なんだこりゃ? 不味いっ! …とは思ったがそうとも言えず、苦笑いをしながら答えた。
『そうでしょう。我が国自慢のサソリの天麩羅ですから…』
そう言われ、サソリっ! まさか毒で…と、浮いて国の代表は思ったがそうとも言えず、笑顔で頷いた。なんとしても高騰した原油価格を下げさせよっ! それが成らないと我が国経済の失速は免れないっ! という政界トップからの厳命があったからである。これで、話は第二回会談に向け好発進するかに見えた。ところが、である。他国の代表に付随した役人が口にしたサソリの天麩羅を吐き出したから話は紛糾し始めた。招待国の政府トップは気分を害した。こともあろうに、我が国の名物料理を吐き出すとは…と激怒したのである。それが起点となり両国間の貿易協定が反故になったのだから食い物は怖ろしい。いや、それだけならよかったのだが、この事態をきっかけに両国間の関係は冷え切って争いとなり、ついには軍事紛争へと拡大していったのである。
このように、人生では小さな出来事が大きな争いへと拡大することがありますから注意が必要です。もちろんその逆に、小さな出来事が大きな吉事へと進展するケースもありますが、悪くなって争いに発展する人生は避けたいものです。^^
完




