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<17> 苦楽
人生には苦楽が付き纏う。楽しいことばかりは続かないし、苦しいことも同じで続くことはない。分かりやすく言えば、苦楽は大なり小なり絶えず交互に訪れるということになる。長い間、楽なことが続いたとしても、人生には必ず苦が来るということです。^^
とある会社の営業社員である本坂は、もう、嫌だっ! と切れた。こう仕事のノルマを求められては身体がもたない…と思えたからである。
「課長っ! 私、もう、働けませんっ! これ以上、ノルマを押し付けられては身体が持ちません、やめさせていただきますっ!」
「まあまあ、本坂君、そう言うな。俺だってこんなことは言いたくないんだっ! だがな、部長に言われりゃ、部下に言わん訳にはいかんだろっ!」
「はあ、それは、まあそうですが…」
「なっ! 今夜は一杯奢るから頑張ってくれっ!」
「はあ…」
軽く肩を叩かれた本坂は奢ってもらえるのか…と、苦のあとの楽の損得勘定を考え、ノルマが増えた営業に出ることにした。
このように人生には苦があっても、あとの楽を考えながら人々は働いてる訳です。^^
完




