表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/77

<15> ほどほど

 晴れた日ばかりでは土に潤いがなくなり、農作物の育成は困る。それと同じように人生でもいいことづくめだと、あとの反動が大きくなり困ることになる。いい出来事と悪い出来事がほどほどに小さく繰り返されることで、そう良くもならないが悪くもならない人生の日々が続く訳です。^^

「ははは…お客さまぁ~、三日もあとになされば、よかこつでごじゃりましたがなぁ~」

 宿の番頭に大きく(わら)われ、熊川がさらにテンションを落とすと、そこへいい情報が入った。

「ここん近くに、いい釣り堀がありよりますばい。そこで釣られりゃよかでっしょ!」

「ほう! そんな釣り堀が…」

「うちの町の経営ですけん、入場料は一日、ワンコインでよかですばい…」

「たった五百円で?」

「はいっ! そげん聞きよります」

 そう話していると、急に晴れた空が曇り出し、晴れているのに雨が降り出した。

「狐の嫁入りですばい…」

「狸の嫁入りだと、どうなります?」

「ははは…面白いことを言わっしゃる。狸の嫁入りだと晴れているのに(ひょう)が降りよりますばい」

「ははは…狐さんだと水、狸さんだと氷が降りよりますか?」

「まあ、そげんこつでっしょ! ははは…」

「ははは…」

 熊川は宿の番頭のいい情報のお蔭で、それほど悪くない一日を過ごすことが出来、二日後、テンションを上げて帰宅した。

 このように、人生では良いこと悪いことがほどほどに小さく繰り返されることが、ほどほどに過ごせるようです。^^


                  完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ