<11> 判断
人の人生は、本人がその時々で決める瞬間的な判断で大きく変化する。自分が判断して決めるんだから誰の責任でもないが、本人の心理‥要するに判断を下した脳の責任である。だから、人の心は怖いのです。^^
柳川は、とある食事処の店へ入った。店へ入った瞬間、どういう訳か鰌鍋が食べたいと柳川は思った。そして、すぐに注文した。
「鰌鍋を…」
「はい…」
水コップを置くと、女店員はすぐに奥の厨房へと消えた。
さてと…と、柳川はコップの水を飲みながら、思った。注文したのはいいが、土壌鍋だけでは腹が膨れないな…と。
「あのぅ~…ライスも…」
『はぁ~~い』
店の厨房から女性の声が、木霊のような早さですぐ返ってきた。どうも店員と思った女性は店主のようだった。柳川は、他に人はいないのかよ…と少し妙に感じた。
しばらくして、女店主兼店員は柳川鍋を運んできた。
「アツアツですから注意して下さい…」
「あの…ライスは?」
「ライスは今、炊いてますので、しばらくお待ち下さい…」
えっ! 今、炊いてるのかよ…今、食べたいんだけどな…と柳川は鰌鍋を箸で摘まみながら心で愚痴った。そして、自分が注文したときの不用意な判断を悔やんだ。あのぅ~…柳川鍋とライスを…と同時に注文しなかったことを悔やんだのである。鰌鍋とライスを同時に食べていれば、美味しく食べられたのである。鰌鍋だけでは腹は膨れないし、美味さも半減するのである。
勘定を済ませ、店を出たとき、柳川は次は同時に注文しよう…と固く心に刻んだ。
このように、その場その場の瞬間的な判断が、その後の人生を良くも悪くも分かつのです。皆さん、ご注意を…。^^
完




