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公園と太陽
公園は育つ
外周を囲む桜木が
公園に勤める風が
子の踏む青い芝が
子が
親が
いつしか滑り台のステンレスが錆び
ブランコが失われ
三人分の砂場はくすみ
無名の遊具が途方に暮れる
太陽はそれを見ていた
太陽は語りかける
「そこに座れ」と
そこは人に訳せぬ位置のこと
人に訳せぬ物体のこと
君は公園のどこに座れど正しい
太陽は
君を照らし
蟻を監督し
みみずを帰宅させ
水を器の君へ注ぐ
君が公園の旬を味わい終えたとき
太陽は語りかける
「そこに座れ」と
命令であるが
君は従わない
君は公園を出て、どこへ向かえど正しい
君は公園を出て、どこへ向かえど正しい




