冒険者ギルドの暗殺業務

市の紋章にある剣を握る農民と宝冠をかぶる鹿が示す通り、大陸ルクシールの“自由の街”クラブリエルは宗教界や国や諸侯や商会に与しない冒険者と、彼等の身分を保障するギルドの両者が迷宮抑止の最前線で戦い続けていることを考慮され、自治を黙認されている。
長く繁栄を誇った同市だが、大陸の急速な情勢変化を受けてとうとう国の庇護を外されるどころか資金捻出のために脅迫される始末。
カプリッツォ・フォグスは貴族に仕える使用人の次男坊だったが、家系が戦によって断絶し長男も死亡し父親も失職。亡き母のツテを頼りギルド本部に転がり込む。
ある日、上層部より政敵の抹殺を依頼するための仲介役として密命を与えられたことを境に、次々と暗殺業の斡旋に首を突っ込むこととなる。
早く足抜けしたいと毎日考えるが、依頼が成功する度に大口スポンサーがつき、標的はより高レベルになっていく。また、恨みから闇ギルドや暗殺結社や狂信者や異端教団に目をつけられ騒ぎは止むことがない。
果たして無事に潜り抜けきることは出来るのだろうか。