定められた運命
「那々実の今後?なんかあんのか?」
「…まず。これから話すのはまだどうなるか分からない不鮮明なものだ。だが、起きる確率はかなり高い」
「起きる?」
『そうか…分かっていたのだな』
『天照から聞いたのか?』
「あぁ」
「なになに…このただならぬ雰囲気」
「なに言うんだよ」
「那々実は。戦いで……死ぬかも。しれない」
途切れ途切れに紡がれた言葉にはここにいる全員の思考を止めるほど強烈なものだった
「は?」
「笑えない冗談言わないでよ〜。すみちゃん?」
「どうゆうこと?死ぬ?寿命とかじゃなくて?」
「寿命ではない。戦いで死ぬかもということだ」
「どこ情報なんだよ!」
「落ち着け威手。神達からの情報だ」
「っ!おい。アヌビスって言ったよな」
『そうだ』
「どうゆうことか説明させてもらおうか?」
(神にも怖気づかない威手ちゃんスゴ)
『これは…運命と言わざるをえない』
「運命?私が1番嫌いな言葉だよ!」
「ま、待て!」
「え、あ。まじ!?」
(なんで殴りにいこうとしてんのよ!)
「はやっ!」
『やめんか硝子!』
「うるさいアレス!私はこいつに一発食らわせてやりたいんだよ!」
『はぁ…』
カンッと硬質な音が部屋に響く。それと同時にアヌビスから凄まじい圧が放たれた
「ヒュッ」
「いっ!」
「………!」
(この圧。神さま達はこんなにすごい圧を出せるのか…。ということは、威手ちゃんを黙らせるためのやつかな)
『少しは黙って話しを聞けないのか?』
アヌビスの手にはさっきまでなかったはずの金色に輝くウアス杖と呼ばれる物を持っていた
『メ!』
『あ、すまない。話しをちゃんと聞かない者は苦手でね』
『そろそろその圧をやめろ。ワレはこの空気間が苦手なのだ』
『これはすみません。闇御津羽』
と言い終わるやいなやあの押し潰されたような圧が嘘のように消えていた
「ツハッ。し、心臓止まるかと思った……いて!」
「なに殴りかかろうとしてんのよ!」
「だって紅璃…」
「話しちゃんと聞こうな?」
「は、はい」
「まったく…ごめんなアヌビス。いきなりこんな事をして」
『こちらこそ。いきなり圧をかけて済まなかった』
「そんなのはいいから早く話してくれよ!」
『血気盛んだな。分かった、話すからおとなしくしててくれ』
「だそうだ。問題児1号と2号は騒ぐな。あと殴りかかろうとするな。あとは…平気だな」
「酪太と一緒にすんな!」
「こっちのセリフだ勢蔵!」
「もう殴らないから…」
『では…話させてもらおう』
「お願いします!」
『まず。我輩は死の神に属している』
「属してる?」
「変な言い回しだけど」
『明確に言うと死の神とは外れた存在のようなものになる。我輩は冥府の神だからな』
「でも死の神?」
『そうなっている』
「なぜ自身も分かっていらっしゃらない…」
『冥府は確かに死後の世界だからかもしれないが…詳しいところは分からない。おっと、本来の話しからズレてしまったな。どうやら死の神を宿すと寿命などではなく生を終えるのだ』
「待て待て。なんでそんなのが分かるの?」
『それは我輩が経験してきたからだ』
「経験?」
『我々神が一人の体に宿ってもいつかその体はなくなってしまう。そうすると中に宿っていた神はどうなるのか』
「どうなるの?」
『また新たな体を求めて彷徨い。適正のある体があったら宿る。これの繰り返しだ』
「え…ということはだよ?ここにいる皆は一回は体乗り換えしたことある系」
『無論』
『メッ!』
『あるぞ』
『えぇ』
『しましたね』
『したな』
『したよ〜!』
『あったな』
『そんな事もしたね〜』
『あったぞ』
「あ、まじか」
「待って…神さま達っていつから人に宿るようになったの?」
「それ気になってた!」
『これも話すと長ぇんだよな』
「それはまたあとで聞こう。アヌビス。続きを頼む」
『とりあえず我輩も数々の体に宿ってきたが、それのどれも戦いに巻き込まれて、または戦いで命を失ってしまった』
「それが那々実にも適用されると」
(それなら死の神は本当に死神のような物感じなんか…。てか同じか)
「それを阻止する事は出来ないのか」
『ほぼ不可能だろう。我輩も宿主と試したことはある。だが、ことごとく失敗に終わってしまった』
『死を司る神だからこそ宿主までも死に追いやってしまうということだ。それが自身が望んでなくても起きてしまうんだからさらにたちが悪い』
『まったくだ』
「防ぎようがない…?」
「まだ分からないだろ?」
「だよね…不確定要素だから」
「でもほぼ確実に起こり得るぞ」
「…これは重要課題になるな。約束守れないだろ」
「懐かしい!したね。約束」
「簡単と思ってたけど…こんな障壁が来るなんて…」
『約束?なにをしたんだ?』
「言うわけないだろ。俺らだけの秘密だからな」
「神さまでも教えない」
「これは本人に言うべきかどうか…」
『那々実ならすでに知っているぞ』
「え!?」
「まじ?」
『まじだ』
「なのさらなんと言えばいいか…」
『黙っておけばいいと思うが?』
「確かに…」
「それもアリか。どうする?」
「那々実も知ってる。だがいつ死ぬかは分からないのか?」
『分かっていないはずだ』
「なら、しばらくの間は平気か?」
『我輩の場合は1年は大丈夫だったが…』
「1年…」
「まぁ十分だ。その間になんとかして阻止する方法探せばいいんだし」
「どうするのよ」
「詳しいことは決まってないけどなんとかする!」
「おい…」
「あと皆神さま目覚めたんならもっと強くなれるしね」
「目覚めたならあそこ行かなきゃね!」
「あそこ?」
「あそこは明日が終わってから行こう」
「それもそうだな」
「焦らすなや!」
「どこかぐらい教えて欲しいんだが!」
「鍛冶屋だよ」
「案外あっさりと」
「鍛冶屋?」
「そうだ。まぁこれは行く途中に言っておく」
「それより」
『……』
「なんで神さまが人に宿るようになったのか教えてくれ」
「第2の本題だね」
とりあえず那々実は死ぬのかどうなるのか…ちなみに神さまは基本的には人に宿らないから疑問に思うのも妥当




