時間稼ぎ
「……タフな奴らだ」
ピピッ
「は、ん。で…。波電!聞こえるか!?」
「…………」
「何があったんだ。この神気はお前のだろう!尋常じゃない量だ…おい!答えろ波電!」
「………」
波電は耳についている通信機に手を伸ばす
「波電!聞こえてるのか!?何を…!」
ピキッ
「………」
「こ、わして。よかった。の、かよ」
「問題ない。意味のない代物」
「へ…そうかい」
(あの衝撃波の影響がまだあるなんてな。比較的俺は治ってきたが…皆はまだ起き上がれてないし…)
「清川昴介。お前から…」
(これはやばいな。ろくに動けない、横にずれるか?いや、遅すぎる)
「全員を殺せ。命令」
「命令?」
「な、んか。あり、そうな雰囲気。だな」
「命令絶対。厳守する」
(天照。月読。どうだ)
『元の人格は心の闇の中です』
『これはお姉様でも引っ張り出すのは難しいでしょう。しかし…』
(しかし?)
『メジェドなら可能です。メジェドは打ち倒す者、闇も打ちのけられるでしょう』
(なるほどな。もう伝えたか?)
『もちろん。お姉様からの言葉を聞いてすぐに。あとは時間を稼ぐのみ』
「時間ねぇ」
(確かに時間稼げば皆もある程度動けるようになるかもしないしな)
「?」
「その命令を下したのは誰だ?」
「誰…とは?」
「誰は誰だろ。その命令をした人の名前とかあるだろ」
「それは言えない。無力化。できなかったら、殺せ」
「そう言われたってことだな。もしかしてだが、国のトップ。もしくはそれに近い人物か?」
「…………」
「おっと図星か?」
「くっ………」
『メー…』
「大丈夫。まだ体が言うこと聞かないけど、そろそろ治るはず」
(神格化すればいけるのは確実。でも手足が動かせるようになるまですみちゃんが稼げるか…)
カタッ
(那々実ちゃん!?もう動けるなんて…はやくない!?)
「ちょっと…那々実ちゃん…何してるの…?」
「もし…すみちゃんが時間稼げなかったら私が戦って時間を稼ぐ」
「えっ!」
「しーっ。幸いこっちには気が向いてないみたいだし不意はつける。どのくらい続くか分からないけど…」
「死ぬつもり!?」
「私のモットーは大勢を救うためなら命も惜しまないだからね。今ここで仲間とかが死ぬより1人が命をかけて大勢を救う方がよくない?」
「その自己犠牲の精神は昔から直せって…あれほど言ったのに」
「でもさぁ。なんかここじゃ死なない気がするんだよね」
「え?」
「なんかねぇ。死んでも生き返る感じ?そんな気がしてならないんだよね」
「えぇ…」
「とりあえず。私がもしものときは対峙するから」
「うん……。無茶。しないでね」
「もちろん!」
さて、実のところ波電は二重人格に近いことになってます。てかほぼ二重人格。ちなみに近くにいた人ほど体の動きが戻るのは遅い。那々実は治るのが人よりも速いという特異体質なので早めに動ける




