能力の兆し
ドガッ
と鈍い音が響く
「ㇷギャ…」
「お〜!ナイス酪太!」
「いや…」
(ズレた。しかも大幅に…本当は脳天蹴るつもりだったんだが。まさかの腕とは…)
「どうやら50%でも制御きかないなんてな」
「…あれで制御できてないの?うそやん」
「だって。頭狙ってたんだぞ!」
「それはわかってるけどさ。十分すごいよ、私なんて避けてちょこちょこした攻撃をやってるだけだし…」
「だが、50%でこれだと…35%がベストだな」
「そしたらはやく走れるの?」
「まぁそれなりにな。能力を全く使ってないよりはマシだ」
「いいね〜。それぞ酪太って感じ」
「出力値 35% これでよし。さてどっちが速いか勝負するか」
「私から先に行かせてもらうよ!」
「おい!」
(少しでも役に立たなきゃ!)
「フ…フキャャ!」
「よっと。ふふん、大きい振りだから簡単に避けられるんよ!」
「まったくよ。突っ込んでいかないでくれ」
「もう追いついちゃったの?速いね」
「とりあえず弱そうな顔狙ってみるか?」
「それいいね!やろやろ!」
「よし。なら、お先に!」
「え!ちょ…!」
(次は外さないでいけるか?)
「フキキ…」
「よぉ。さっきぶりだな、次は外さねぇかんな。連走一連!」
ババンッ
(左右に繋げて、連続で動き相手を撹乱。全て一撃を叩き込むだけにな)
トンッ
「よし」
(後ろに回れた。今だ!)
「キキッ!」
「なっ!」
(まじかよ。後ろ向きやがった…動きが本当は見えてた?いや、そんなの考える暇はねぇな。このやばい状況からどう抜け出すかだよな…)
「キャ。フキャキャ!」
「おいおい…」
(まさかの拳で来んのかよ…)
「キキキッ!」
(これなら受け身はできる…だが衝撃でどっかにふっとばされないか心配だが)
「とりあえず受け身!」
ドコンッ
とぶつかった音がなんとも鈍く、重々しい。そして煙が立ちこめる
「っ…ら、酪太…」
『あまり動かないほうがよい。傷は深いからな』
「で、でも…」
『それに我の宿り主がそう簡単に死ぬわけがないであろう?』
「え?」
ボワッ
「あ、あれは」
『だから言うたであろう。簡単には死なん男なのだ』
煙の中からすごい速度で出てくる人影が見えた
「酪太!」
『メー!』
「『頑丈!』うん。確かに、頑丈だね」
「いっ…!」
(受け身は成功したが速さが尋常じゃないんだけども!?)
「これ、バグ壁抜けちまうかも…」
ドンッ
「がっ!な、壁が硬くなって…」
(あ、床に激突…)
「いだっ!」
(3回連続これはないだろ。でも二度あることは三度ある。だもんな…)
「床かてぇ…しかもなんかこの場所の幅も広くなってるし。専用バトル場にいつの間になってたのかよ」
(いや、もっと気づくべきだったんだ…この床も硬くなってたのに…。だが…)
「ハッ!なかなかやるな、あの動きについてこれたかは知らないが…」
「キ…キッ!」
「目を離して大丈夫だったか?紅璃!」
「はいよ!」
(さっすが酪太、誘導がうまいこと。怪我を負ってまで作ってくれたこのチャンス、少しでもダメージを与えておかないと!)
「渦中締め斬り!」
「ギ…」
「キャッチ!その腕。締め斬ってやる!」
ギリッ
「キャャャャッ!」
(金切声やばっ…)
「うっ!」
「耳割れそう!」
「くぅ。はよ…」
ミチッ
「切れて!」
ピリッ
『ん!?』
『どうしたインドラ!』
『ククッ。やっと火がついたようだ』
『それはいったい?』
『見ていろ。今に分かるぞ』
「焼き切ってやる!」
ピリッ ビリビリ!
「え!」
「……アハッ!まじかよ!ここでくるか!」
「え、え?」
「紅璃!そのままいけ!」
「う、うん!てりゃぁぁぁ!」
「キッ…!」
スパン
これほどこの音が一番よく似合う瞬間はない。それぐらい綺麗に切れたからである
「ギャァ!」
「ゴホッ…うぇ〜い。ナイス紅璃」
「酪太!大丈夫なの!?」
「あ?平気だ。背中強く打ちすぎてな」
「それは大丈夫の範囲に入るか?ていうかさっきのって」
「紅璃の能力だ。やっぱり雷だったんだな」
「あれが…私の能力」
「どんな感じよ。能力使える感じは?」
「なんか…言葉に言い表せない感じ」
「だよな〜。俺もそうだもん」
「へ〜」
「ギャフ!ギャギャ!」
「片腕だけならいい勝負できるぜ?」
「確かに楽っちゃ楽だけど…」
「怖いのか?」
「今さらだけどね。でもなんかインドラが間近にいる感覚があって安心するんだよね。不思議なことに」
「いいことじゃねぇか。それじゃ、気を取り直して。ラウンド2だ」
よし!紅璃の能力は一応だが使えるようになったぜ!ちなみにまだほんの少ししか能力は出し切れていません




