隠し扉のその先
「な、なぁ。今から戻ろう。間に合うだろ?」
「大丈夫だって。俺が先歩いてんだから」
「暗すぎだろ…ライトの明かりでもこんなに真っ暗なんだぞ。他の皆に報告したほうがいいんじゃないか?」
「いや、それは大丈夫。俺達だけの方が都合いいし」
「都合?なんだよそれ」
「分かんねぇのか?それなら自分の神さまに直で聞いてみるんだな」
「神さま?闇御津羽。どうゆうことだ」
『この先に何かある。それも何か神秘的な波動をワレは感じる』
『その通りだな。この書庫にはまだ何かあるようだ』
「波動?」
「いうなり、何かあるんだよ。確かめに行く他ないだろ。アジトに得体の知れない物があったら困る」
「ちゃんと副リーダーしてるんだな」
「なんだ。その言い方。俺がいつも副リーダーっぽくないってか?」
「………いつもおちゃらけてるからな。でもたまに頼りになる時があるからそう怒るな」
「たまにって…たまにって」
(だが、一つ確認したいことがある。咫村に聞こえない声で…)
「さて、そろそろか?」
『うむ。かなり近い、もうすぐだろ』
「そうか…なぁ韋駄天。この気配はなんだと思う」
『分からぬ。だが闇御津羽殿が言っていたように神秘的な雰囲気は感じる。もしかしたら神に関する物。それか……神そのものがいる』
「嘘だな。だって神は普通天上にいるはずだろ?なんで下に降りてきてるんだ?」
『昔、神と人はかなり近い関係だった。日本神話がいい例だ。昔大国主命という神が国づくりを行った話がある。その話は神と人間が協力して国を作っていてな、昔から地上にも神はかなりいたんだぞ』
「そうなのか?ならなんで今はいない?」
『ある出来事があって地上にいる神は全員天上へ戻るように最高神からの命令だったようだ』
「その出来事って?」
『それは分からん、最高神しか知らないことだ。そうしてる間に、着いたぞ』
「あ。着いたか酪太?お前が韋駄天と喋ってどんどん前に行くもんだから追いつくのが大変だったぞ…」
「そうか?それはすまん。でも着いたぞ」
「…なんかお札貼ってあるだろ。怖いんだが…」
「でも札はもう意味ないぞ」
「へ?」
「見てみろよ。札。もう切れてるだろ誰か入ったんだ」
「なんか祀られてたのか?よく神社で見る感じの外見してるが…」
「入ってみるぞ」
「はぁっ!?まじかよ…………強制?」
「強制だ。行くぞ咫村!」
「…ったく、行きますよ」
「じゃ、開けるぞ」
ガチャ
「っ…なんだ。霧?」
「かなり濃い霧だな。だが光が見えるからそれに向かって歩くぞ」
濃い霧の中を2人が歩いていく。周りから何やら声や物音が聞こえたがすぐに消えていく
「どこに向かってんだ。俺達…」
少しまた歩いてゆくと次第に霧が晴れていき、目の前に現れたのは苔むしたかなり古そうな石段だった
「石段だな」
「登れってことだよな」
「そうらしい」
2人は石段を登り始める。1段また1段と登っていくと石段の左右にある灯籠の中に火が宿る
「不気味だな…まるっきり人の気配がしないとは」
「まず、ここはどこだ?」
『ワレでも知らぬ場所だ。しかし、地上ではなさそうだが…』
「地上ではない。ならここは…俺らがいた場所じゃない?」
『まず地下にこんな空間があるとは大抵思えない』
「そりゃ、そうだよな…」
カツン
どこからともなく硬質な音が鳴る
「どこから!?」
「いきなり音が鳴るのは反則だろ…怖い…」
カツンカツン
その音は段々と2人に迫ってきている
カツンカツンカツン
音が大きくなるが、その音の主はまるっきり見えない
「おい!いるなら姿出したらどうだ!どっかにいるんだろ!」
「ハハッ」
「「!!」」
「いた。影が見える!」
「石段を登り終えた先で待っている。来たいなら来るがいい」
「ちょ!待て!」
影に向かって手を伸ばしたが掴み切る前に影は消え去っていた
「逃がした…!」
「酪太。あの影「登り終えた先で待ってる」的なこと言ってただろ。さっさと登ってみよう」
「あぁ、そうだな。ここがどこか教えてもらわねぇと」
少し不思議な世界に来たお二人さん。ちなみに謎の人物は守護者的存在のやつ




