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同窓会  作者: T2
8/16

 武志はレイカンパニーに出向し、会社近くのアパートを借りて一人暮らしを始めた。


 通えない距離ではないが、武志が一人暮らしをしたいと言うので、京子は特に止める理由もなく、了解した。


 京子も一人暮らしとなった。

食事を作るのは一人分も二人分も手間は同じだと思っていたが、いざ一人になると一人分だけ作るのは楽だだった。


 その日も朝食を作っていたら、携帯電話が鳴った。見ると武志の出向先のレイカンパニーからだ。


「はい、山下です」


「こちらレイカンパニーの藤沢です。

山下さんの部下です。

ご主人が本日会社に来ていないのですが、奥様、ご存知ではありませんか。

先ほど、アパートまで見に行ってきて、鍵が開いていたので失礼ですが、部屋に上がりましたが、いないのです。

テーブルに『探さないでください』とメモがありました」


 京子は理解するのに少し時間がかかった。

 武志がいない?どうゆうことだろう。


「ご存じないようですね。捜索願いを出しましょうか。こちらで手続きしますが」


「いえ、私、アパートに行って確認してきます」

 京子は声を絞り出した。


 京子は武志の携帯電話に電話した。

何回かけても誰も出ない。


 メールが入っていることに気がついた。

『京子、ゴメン。あの会社に行ってから心身共に疲れ果てた。パワハラが酷い。もう戻ることはないが、元気で暮らしてくれ。武志』


 京子は愕然とした。


すぐに礼司に電話した。

「夫がいなくなった。

メールにはパワハラを受けていたと書いてある。

どうゆうこと。

知っていて放置してたの⁈

夫がそちらの会社に出向してたのは知ってるよね。

まさか私の夫だからそうゆう目にあわせたの⁈」


「ご主人がいなくなったことは先ほど報告を受けた。うちの営業は厳しいがそこまでご主人が悩んでいたとは‥。

京子ちゃんの夫だから特別に厳しくしてたことはない」


「嘘だ。そうに決まっている。酷い人だ」

 京子は電話を一方的に切った。

 

 礼司は京子からの電話の前に、松平から報告を受けていた。


「山下がいなくなりました」

「松平、お前やりすぎじゃないか。

今までも何人も辞めているじゃないか。

今後、お前は指導役から外すことにする」


「社長、申し訳ありません‥」

「謝る相手は俺じゃないぞ!反省しろ!」

 礼司は珍しく大声をあげた。


 松平はおそらく初めて見る社長の怒りに怯えた。


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