表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
同窓会  作者: T2
2/16

 明朝、いつものように朝ゴハンを作って、いつものように武志をリビングに呼んだ。


「これ、お前の同窓会の案内じゃないか」

「小学校のね。昨日きたんだ。でも、いまさら行くのもね」

「久しぶりに昔の友達と会うのもいいんじゃないか。たまには、外に出ないと、老けるのが早くなるぞ。最近、オバさん化してるぞ。いや、お婆さん化してきたな」


 お婆さん化?

 京子は武志の無神経な言葉にムカムカしたが、黙り込んだ。


「今日も夕飯、いらないから」

 武志はそう言い、出て行った。


 京子は、全身を鏡で見てみた。

 悪くないじゃない。というか、とてもいいじゃない。大学の時、学園祭のミスコンで準優勝したのよ。その頃と変わりないよ。


「お婆さん化って何よ!ムカつく」京子はひとりで声を上げた。

 全然、同年代の女性に比べるとイケてるじゃないの。


 そうだ、同窓会に行って確認しよう。

 誰か私のことを気にかける男性もいるんじゃないか。

 でも、ひとりで行くのは、気が引ける。里佳子を誘ってみよう。

 

「里佳子、元気?」

 京子は電話した。

「あれ、京子?久しぶり。もしかして、同窓会の件で電話したんでしょ」

「そうなんだ。里佳子行く?里佳子が行くなら私も行こうと思って」

「実は、私も京子が行くなら私も、行こうと思ってたんだ。電話しようと思ってた」

「じゃあ、決まりだね」

 二人同時に言って、笑った。


「そう言えば、里佳子、あなた、あれから旦那どうなったの?」

「実はね、あの後、離婚したんだ。結構、大変だった。京子には話さないとと思ってたんだ」

「そうなんだ。いろいろあったんだね。同窓会でいい人いるといいね」

「ちょっと期待していこうかな。でも、いい男って結婚してるからね」

「それは言えてる。いい女も一度は結婚してるしね」

「それ、私のこと?」

「さあね」

 京子は笑いながら言い、里佳子もつられて笑った。


 同級生とは気を遣わないで言いたいこと言って笑える。

 京子も里佳子も久しぶりに笑ったと思った。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ