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明朝、いつものように朝ゴハンを作って、いつものように武志をリビングに呼んだ。
「これ、お前の同窓会の案内じゃないか」
「小学校のね。昨日きたんだ。でも、いまさら行くのもね」
「久しぶりに昔の友達と会うのもいいんじゃないか。たまには、外に出ないと、老けるのが早くなるぞ。最近、オバさん化してるぞ。いや、お婆さん化してきたな」
お婆さん化?
京子は武志の無神経な言葉にムカムカしたが、黙り込んだ。
「今日も夕飯、いらないから」
武志はそう言い、出て行った。
京子は、全身を鏡で見てみた。
悪くないじゃない。というか、とてもいいじゃない。大学の時、学園祭のミスコンで準優勝したのよ。その頃と変わりないよ。
「お婆さん化って何よ!ムカつく」京子はひとりで声を上げた。
全然、同年代の女性に比べるとイケてるじゃないの。
そうだ、同窓会に行って確認しよう。
誰か私のことを気にかける男性もいるんじゃないか。
でも、ひとりで行くのは、気が引ける。里佳子を誘ってみよう。
「里佳子、元気?」
京子は電話した。
「あれ、京子?久しぶり。もしかして、同窓会の件で電話したんでしょ」
「そうなんだ。里佳子行く?里佳子が行くなら私も行こうと思って」
「実は、私も京子が行くなら私も、行こうと思ってたんだ。電話しようと思ってた」
「じゃあ、決まりだね」
二人同時に言って、笑った。
「そう言えば、里佳子、あなた、あれから旦那どうなったの?」
「実はね、あの後、離婚したんだ。結構、大変だった。京子には話さないとと思ってたんだ」
「そうなんだ。いろいろあったんだね。同窓会でいい人いるといいね」
「ちょっと期待していこうかな。でも、いい男って結婚してるからね」
「それは言えてる。いい女も一度は結婚してるしね」
「それ、私のこと?」
「さあね」
京子は笑いながら言い、里佳子もつられて笑った。
同級生とは気を遣わないで言いたいこと言って笑える。
京子も里佳子も久しぶりに笑ったと思った。