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京子は礼司に電話した。
「旦那とは離婚することになると思うよ。礼司君これからいろいろと相談に乗ってくれるかな」
「もちろんだよ。オレに出来ることがあったら何でもするから」
京子は礼司が心強かった。
それと同時に礼司を想う気持ちがだんだんと強くなっていくことに気づいた。
「また、礼司君の家に行っていいかな」
「いつでもおいで」
礼司は快く了解した。
夜になり京子は礼司のマンションに向かった。
今日は礼司の家に泊まりたいと思った。
マンションの入口がちょうど見える喫茶店に入り、礼司が帰って来るのを待った。
礼司はいつも午後七時には会社を出ると聞いていた。
まもなく帰ってくるだろう。
礼司の社用車がマンションの前に止まった。
礼司が帰ってきた。
京子は、喫茶店の会計を素早く済ませて、外に出た。
「礼司君」と呼びかけようとした時、冷水を浴びたような感覚がした。
なんと、里佳子が一緒に車から出てきたからだ。
しかも腕を組んでいる。
京子は唖然として、体が固まった。
礼司と里佳子はそのままマンションに入っていく。
京子はそのまま立ちすくんだ。