瓜二つならぬ瓜三つなくらいそっくりな母と二人の娘たち(JC2・JS5)が入れ替わって仕事をしていたことに俺は気づかないで告白をしてしまったらデートの時も入れ替わっていたようです。
超短編投下します!
沙良設計事務所は日本有数の規模の会社だが自治体からの地元優先発注優先の権利を獲得するために各市町村に営業所を設けており、その結果各営業所には所長と社員1名という状況が珍しくはない。
俺、二階堂雄平が勤める営業所もそうで、芦田穂乃果所長と俺の二人っきりの職場だ。
その芦田所長は30歳とは思えない可愛らしさで俺はいつも癒されている。
身長は140センチくらいしかないうえにぺったんこなので小学生に良く間違わていれるのはご愛敬だ。
この前も営業時に『娘さんですか?』などと言われてしまった。
俺、まだ24歳なんだけど!
つまり幼く見える所長と老けて見える社員の凸凹コンビで仕事をしているわけだ。
そして所長には変わった『クセ』がある。
「所長!何帰り支度してるんですか?!」
「二階堂くん、もう5時だから替える支度しないとお」
「仕事はほとんど終わってますけど、片付けるのは時間になってからにしてくださいよ」
「もうー。私はもう帰りたいのにー」
と甘え口調でのんびり屋な時もあれば、
「二階堂!ここの計算間違ってるぞ!」
「あっ、本当だ!すみません!」
「まったく、しっかりしてくれよ。まあ、そんなときのためにあたしがチェックしているんだけどな」
なんてしっかり者な時もあれば、
「二階堂さん、鍛え方が足りないよ!ちゃんとボクについてきて!」
「現場を確認するのに、どうしてこんなに歩き回るんですか?車からでも見られるじゃないですか?」
「現場確認は足でしないと駄目なんだよ。ほらほら、終わったら食事おごるからさ!」
なんてアクティブな時もある。
俺に対する呼び方や自称まで変わるから、もしかして所長は三つ子なのかと思ったが…。
「三つ子?私は妹が1人いるだけよ」
そう言われたら信じるしかない。
そもそも言い回しと性格以外に区別なんてつかないし、別に同一人物でも別人でも困らない。
そして俺は4月から3か月一緒に仕事をして思った。
所長は多重人格なのではないだろうか?
それならわからないでもないし、だからなんだって話だ。
所長は所長。
俺にとって可愛らしいマスコットであり、尊敬できる相手でもあり、一緒に居て楽しい存在だ。
だから俺は所長の事を…いつの間にか好きになっていた。
でもバツ1で年齢も6つ下だから、俺なんか相手にして貰えるのかな?なんて思う。
お子さんも二人居るらしいから、やっぱり頼れる相手の方がいいよね?
そう思っていたが、事件が起こった。
大至急完成させないといけない設計事務が発生したのだ。
5日連続の徹夜作業。
俺の頭はクラクラしてきて、所長が二人や三人に見えるくらいだ。
「所長!できました!」
「二階堂!よくやった!」
完成した書類を取引相手に渡してから俺と所長は事務所のソファに崩れ落ちた。
「あれ?」
目を覚ますと、俺に寄り添うように所長が眠っていた。
「所長、今日は日曜日ですからもう帰りましょう」
所長をゆするが起きない。
「それにしても…本当に所長って可愛らしいな。30歳とは思えないくらいだ」
「……」
「俺みたいな男が付き合ってなんて言うのはおこがましいよな」
「……そんなことないわ」
「え?!」
起きてた?!
「二階堂は本当によくやってくれているわ。それはあたしが一番わかっている」
「でも、今回の仕事も所長が俺の倍のスピードでやっていたじゃないですか」
「3人で二階堂の倍なのよねえ…」
「え?何のことですか?」
「こっちの話よ。それで、さっきの話…本気なの?」
「さっきの話って…」
『俺みたいな男が付き合ってなんて言うのはおこがましいよな』
「あっ、えっと、それはその、言葉の綾といいますか…」
「そう。あたしは二階堂の事好きだったのにな」
「え?」
「え?じゃないわよ!聞き直さないで!恥ずかしいから!」
そう言って横を向き、耳が真っ赤になっているがわかる。
「所長!」
思わずぎゅっと抱きしめてしまう。
「ば、ばかっ!いきなりなにするんだよ!」
「あっ、すみません!」
慌てて離れようとすると、所長の方から俺を抱きしめてきた。
「もう少しくらいいいからな。…恋人になるんだろ?」
「あ、はい」
いつも俺に厳しい『呼び捨てにしてくるあたし所長』がツンデレのように照れているのが可愛らしく、さらにきつく抱きしめてしまう。
「だ、駄目だからっ。それ以上はっ。でもっ」
そう言いつつも所長は潤んだ瞳で俺を見つめて…
ゴンッ
俺の意識は暗転した。
JC所長視点。
「何やってるのよ、お姉ちゃん!」
二階堂の背後から頭に一撃を与えて気絶させたのは小5の妹である兎羽花。
「あらあら、まさか恋人になるなんてねえ」
そう言ってほほ笑んでいるのが母親である穂乃果。
そして私は中2の真奈香。
うちの家系は小学校高学年で成長が止まってしまうのと、いつまでも若いままということもあり、あたしと母親と妹が三つ子のようにそっくりなのよね。
そして『仕事面倒~。代わってえ~』というだらしない母親の代わりに私たち姉妹が交代で仕事に出ているというわけ。
母親が建築士の資格を取る勉強をあたしたちが手伝っていたこともあり、あたしも妹も母親の代わりが出来てしまう。
とはいえ、車の運転だけは出来ないから二階堂にお願いしているけど。
「お姉ちゃん、どうするのよ?恋人になったら今までみたいにはできないよ!」
「そう言って、兎羽花もあたしと同じで彼の事好きよね?」
「ボ、ボクはまだ小5だから恋愛とかわからないよっ!」
「私は二階堂くんの事好きだから問題ないわ」
「問題おおありだよっ!今まででも情報共有大変だったのに、これからどうするんだよ?!」
「兎羽花は情報共有さえできれば二階堂と恋人になってもいいのか?」
「う…嫌ではないけど…」
もじもじしている兎羽花。
「だって、ボクと二階堂さんの結婚とかどうするの?」
「「ぶぶーっ!」」
吹き出すあたしと母親。
「話飛びすぎだろ!」
「そうよ!『初体験じゃないはずなのに2回も血が出たら変に思われないか』とかそういう心配ししないと!」
「お母さん!小学生の兎羽花に何言ってるの?!」
「大丈夫。ボクも学校で習って知ってるから」
頬を少し赤くしながらそう答える兎羽花に妹ながら可愛いと思ってしまうあたし。
「も、もちろんボクはそんなことする気ないからねっ!」
「わ、私だっていきなりそんなことしないから!」
「あたしだってだよ」
そう言いつつもあたしにはわかる。
3人とも、二階堂とイチャイチャしたいんだということに。
「とりあえず、年齢相応の行為にとどめましょう」
「そうだよね」
「まあ、そうなるわよね」
「うーん」
話している間に二階堂が声を上げて身じろぎする。
「そろそろ起きそうね」
「もう一発殴っておこうか?」
「兎羽花、もうやめてあげて」
ともあれ、ここは二人には退散してもらって告白されたあたしが二階堂とイチャイチャしたいところよね。
「うーん…あれ?」
「ひゃっ!」
「きゃっ?!」
いきなり二階堂が起きたので、慌ててソファの陰に隠れてしまうあたしと母親。
「所長?」
「あっ、起きたんだね」
「何だか急に頭に衝撃が…」
「きっと徹夜で疲れているんだよ。ボクが膝枕してあげようか?」
「えっ?!いいんですか?!」
「だって、ボクたち恋人になるんだよね?」
ちょっと!兎羽花!何してるんだよっ!
告白されたのはあたしなのに!
JS所長兎羽花視点。
ソファの上で横になり、ボクの膝に頭を乗せて目をつぶっている二階堂さん。
いつも動き回るボクにしっかりついてきてくれて、終始にこやかで、いつの間にか自分がお母さんの代わりなんかじゃなくて本当にここで一緒に仕事が出来たらいいのにと思ってしまっていた。
それが恋だと気づくのに時間はかからなかった。
なのに、お姉ちゃんがボクより先に告白されるなんて…。
なでなでなで。
眠っている二階堂さんの頭を撫でる。
恋人になったら、膝枕以外にどんなことしようかな?
お弁当作ってきてあげようかな。
ボク、家族の中では一番料理が得意なんだよ。
あと、一緒にサイクリングとか行きたいな。
ボーリングとかでもいいし。
くいくい
ん?何ボクのそでを引っ張ってるの?お母さん?
え?交代しろって?
もう…しかたないなあ。
大人所長穂乃果視点。
二階堂くんの頭を持ち上げたまま位置交換して膝枕を交代。
んふふ。二階堂くんの顔がものすごく近いわねえ。
胸が全然ないのがコンプレックスだったけど、膝枕しながらキスできそうだからかえってありがたいかも。
でも、勝手にキスしたら駄目よねえ。
むしろ二階堂くんから奪いに来てほしいし。
そうだ!このまま私も寝てしまえば、きっと無防備な私を見て二階堂くんが手を出すんじゃないかしら?
3人がかりで仕事をやっていたとはいえ、すごく眠いから、このまま寝ちゃうね~。
雄平視点。
ん…あれ?
そっか、所長にひざまくらしてもらっていたんだ。
所長も寝ているみたいだな。
頭がだんだん降りてきてるし。
こっちに近づいてきて…ちょ、顔が!唇がっ!
このまま事故的にキスもできるけど、俺は慌てて所長の頭を支える。
『紳士だねえ』
『だねっ』
何だか所長の声のような空耳が…。
「ん…あっ、私も寝てしまったわあ」
「お互い疲れましたからね」
「それならもう帰りましょうか」
「そうですね」
俺は起き上がると帰り支度をし始める。
「二階堂くん。ちょっと倉庫にこの書類入れてきてもらえるかしらあ?」
「わかりました」
今片付ける必要のある書類とも思えないけど、思いついたときにやらないといけないよな。
倉庫の中で書類を片付けていると、外でパタパタと走り回る音がする。
『くん付けのんびり所長』があんなに動き回るのって珍しいな。
そんなに片付けるものあったっけ?
そういえば5日間、事務所の掃除をしてなかったな。
きっとそれをしてくれているんだな。
事務所に戻ってカバンを持つと、俺と所長は事務所を出てセキュリティをかける。
「じゃあ、またね」
「はい。お疲れ様でした」
所長の家は事務所からわずか1分の一軒家。
俺は車で10分かかるアパート住まいだ。
恋人になったから、そのうち家にも招待してもらえるのかな?
そうしたら、お子さんたちにも挨拶することになるだろうけど、俺みたいな人ってどう評価されるんだろ?
そもそもお子さんの年齢とか性別って聞いたこと無かったよな。
今度、写真でも見せてもらおう。
それに、先に俺のアパートに呼ぶべきじゃないのか?
あんまりきれいじゃないから掃除しておかないといけないな。
でも、あの所長と恋人同士になったのか…。
何だか実感わかないけど、膝枕は気持ち良かったなあ。
そして1か月が経った。
俺は所長と仕事をしながら、作ってきてもらったお弁当を食べたり、休憩中に膝枕をして貰ったり、仕事帰りにデートをしたりして過ごしていた。
そして今日は初の週末デート!
今日こそは所長とキスするぞ!と心に決めていた。
デートは定番とも言われる水族館。
緊張しているのか所長は頻繁にトイレに行っている。
「二階堂、お待たせ」
「じゃあ、次は『深海』のエリアに行きましょうか」
そこは暗闇に乗じてキスするカップルが多いことで有名なエリアだ。
「んっ」
「もう、やんっ」
「あふっ」
キスするのはいいけど吐息をもらさないでほしいな。
ほら、所長の顔がだんだん赤くなってきてるし。
「二階堂」
「はい」
「こ、ここはそういうことをする場所なのか?」
「暗いからでしょうね」
「ここにあたしを連れて来たってことは、あたしとキスしたいのか?」
「え?」
まさかストレートに聞かれるとは思わなかった。
「俺は…?!」
返事をする前にもう所長は目を閉じて顔をこちらに向けて口を突き出してきていた。
ちゅっ
「んっ」
吐息って漏れるもんなんだな。
「やった、一番よ」
「え?何がです?」
「あっ、その、二階堂の事が一番大事ってことだから」
「俺もですよ」
ぎゅっと所長を抱きしめる。
水族館を出ると、今度は併設されている遊園地のアトラクションを楽しんだ。
「に、二階堂くん。こ、怖いわ」
「大丈夫です。俺が付いていますから」
お化け屋敷でぎゅううっと俺の腕に所長がしがみついてくるけど、正直ぺったんこなので胸の感触は無い。
しかし、女の子(30だけど)らしく全身がやわらかなので抱きつかれているだけで心地よい。
そしてしばらく進んだところで、ふいに腕を引っ張られた。
「大丈夫ですか…?!」
そこには目を閉じて顔を上に向けている所長が。
またキスしたいのか?
こっちは嬉しいけど。
ちゅっ
ぎゅっ
え?首に手を回された?
ちゅ、ちゅむ、ちゅう、ちゅるっ
ちょ、ちょっと!二回目にしては積極的すぎません?!
さすがバツイチ。俺とは経験値が違うのか。
俺たちはしばらくついばむようなキスを楽しんだ。
そして最後の観覧車。
最初はここでキスできればいいと思っていたのにな。
「二階堂さん。今日は楽しかったよ」
「良かったです」
「それで、その、ボクともキスしてほしいな、なんて」
「え?」
キス好きなんだな。
俺は隣に座る所長を抱き寄せると、キスをし…?!
にゅろん、れろお、れろれろお、ちゅぱあ、れろおお
舌がいきなり入ってきたっ?!
何このたどたどしいけど情熱的なキスはっ?!
「すきっ、すきっ、大好きっ」
そう呟きながら所長は舌を絡めてくる。
余りの激しさに目を開けると、隣のゴンドラの子供が二人、張り付くようにしてこっちを見ていた。
あの子たち、サングラスとマスクをしているけど、なんとなく所長に似てるなあ。
「所長、隣から見られてますよ」
「んむっ…なら、もっとボクたちのキス、見せつけちゃおうか?」
小悪魔のように可愛く微笑む所長を見ると、俺の理性は決壊してしまった。
兎羽花JS5所長視点。
家に帰ってから反省会になった。
「やっぱりボクと二階堂さんが一緒に歩いていると職務質問とかされるよね」
「でも、免許証とパスポートとマイナンバーカードをそれぞれで持っていたから何とかなったわ」
「私のなんだけどなあ。…あっ!それと観覧車のキスなにあれ?!」
「そうそう!あたしも驚いたわよ!何舌とか入れてるの?!小学生のくせに!」
「だって、お母さんが悪いんだよ!ボクは普通のキスで良かったのに、お姉ちゃんの次にあんなキスをするから、ボクはもっとすごいのをしないといけなくなったんだから」
「お母さん…」
ジト目でお母さんを見つめるお姉ちゃん。
「だ、だって、二階堂くんの唇やわらかくて、つい食べたくなっちゃったのよ!」
「柔らかかったけど、あたしは唇同士で触れただけよ!」
「じゃあ、次はお姉ちゃんがそういうキスしたら?明日の仕事はお姉ちゃんの番でしょう?」
「そうだけど、事務所でかあ。外から見えない休憩室に入ろうかな?」
ブラインド下ろせばどこでも大して変わらないと思うけど…休憩室?!
「まさか、お姉ちゃん、初体験する気なの?!」
「ば、ばか言わないで!あたしはまだ中2よ!」
「でも、ボクの友達でももう初体験した子いるよ」
ボクと違ってずっと体が大きくて、大人としか思われない子だけどね。
「小5で初体験…それならなおさらやらないと!」
「意気込まないで!真奈香にはまだ早いわよ!」
「お母さんと同じ体格だから問題ないでしょ?」
「それならボクも」
「「兎羽花は駄目っ!」」
そこで息を合わせて言わなくても…。
そうだっ!
いつも交代で仕事しているけど、明後日はボクの番だから、疲れたふりをして休憩室に二階堂さんを連れ込もうっと。
そこで…。
雄平視点。
二日後。
昨日積極的だった所長がまた俺を休憩室に誘ってきた。
仕事が終わっているから問題ないけど…昨日も職場で最後までやってしまうところだったし。
「二階堂さん」
「は、はい」
「今日は最後までしてもいいからねっ」
「え?でも、ゴムとか持ってませんよ」
「大丈夫。だって、まだ『来ていない』から」
「え?」
生理が来てないって言うと妊娠したってことだよね?
というか、まだそこまでしてないんだけど?!
「大丈夫だから、ね。ボクが二階堂さんの一番になりたいんだ」
そんな可愛らしい表情で言われると…
ガチャ
ふいに休憩室のドアが開かれる。
この事務所には俺と所長しか居ないはずなのに?!
「兎羽花、だめえっ!」
「兎羽花!抜け駆けしないでよ!」
え?え?え?
所長が3人?
「やっぱり三つ子だったんですか?!」
「私たちは母娘ほげっ!」
所長が他の二人の所長に殴られて沈黙した。
「あたしたちは三つ子なのよ」
「つまりボクたちは3人とも大人だから」
「「シテも問題ないから」」
その後復活した所長さんが母娘であると告白して、結局俺は大人の所長さんと付き合うことになった。
そして2か月後。
俺たちはついに結ばれた。
「ふふ」
「どうしたんですか?」
「ねえ、これからは名前で呼んでもいい?」
「いいですよ」
「雄平って呼ぼうか?それとも雄平さん?」
「え?」
呼び捨てとかさん付けってまさか…。
「まさか真奈香ちゃん?それとも兎羽花ちゃんか?!」
「ふふふ。誰だと思う?」
「穂乃果さんですよね?そうですよね?」
もし違ったら大問題だ!
「わたくしは穂乃果の妹の瑠璃佳。高校1年生ですわ」
まさかの4人目だとっ?!
お読みいただきありがとうございました!