表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メランコリック ヘヴン 記憶の破片  作者: 倉木英知
九つの死に至る罪
5/60

正義とは何だ?



頭の中に声が響く。


いやー

心の内と云えばいいのか


音の振動を鼓膜で感知しているのではない。


要はー

己の内に潜んでいるー

蓄積した想いが

言葉となり

姿を現したのだ


「正義とは何だ?」


何が正しくー

ー何が間違いなのか


私にはー

その境が解らなくなっていた。


世界が歪んでいるのか

己が歪んでしまったのか


それすらも曖昧になっている。


正しい事。

間違っている事。

善いとされている事。

悪いとされている事。


その区分すらー

解らなくなってしまった。




ある宗教で事件が起きた。

私はー

その事件の捜査をする事になった。




数名の人間が人身御供としてー

自ら志願して命を絶ったのだそうだ。


例えー

其れが洗脳なのだとしてもー

その人が幸福であればー

良いのか…。


いやー

洗脳されていたからー

幸福を履き違えていたのか…。




何が正しく。

何が間違いなのか。



考えれば考えるだけ

余計に解らなくなっていく。


答えはないのか?


負の連鎖に囚われる。



またー

声がー

聞こえる。


「正義とは何だ?」


私はー

思考を放棄し

眠りについた。



翌日、目が覚めるとー



妻からの置き手紙があった。



「私は、教祖様に身も心も捧げます。探さないで下さい。」


そしてー

その傍らにDVDが置いてあった。



そのDVDには…。


私の中でー

何かが壊れてしまった。



私はー

解っていなかったのだ。



正義どころか…。



いつも傍で連れ添ってくれていた妻の事でさえー

何1つとして…







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ