1371月49日
これから綴られるのは…。
ある自殺者の日記に記載されていた文章である。
1371月49日(火木)晴れ後、梨。
私を私たらしめているのは何なのだろう?
容姿なのか性格なのか記憶なのか喋り方なのか。
その全てをトータルする事で私になるのか?
では1つでも欠けてしまったのなら私では無くなるのだろうか?
私には番号がある。でも、その番号は、何をもって私の番号なのだろう?いや。そもそも。その番号が私であると。どうすれば証明出来るのだろうか…。
私は私を証明する事が出来なくなった。
何もかもが曖昧になってしまったのだ…。
私の記憶にある私の顔は、こんな顔だっただろうか?
いや。そもそも。
私は死んでいるから、生まれ変わったのだろうか?
でも。そうなると。
何故に、赤ん坊ではないのか?
少なからず記憶は前世の記憶を殆ど受け継いでいる。
そう。受け継いでいるのだ。
私の名前は霧生伊吹。
聖堂大学に通う2年生だったはずだ…。
だけど私を知るモノは1人もいなかった。
私の存在が世界からポッカリと無くなってしまったかの様に…。
誰も私を私として認知するモノがいなかったのだった。
私は誰?
私は貴方を知っている。貴方は私の恋人であったはずだ。「気持ち悪い」そう言って貴方は私から離れた。友達だったモノも。肉親だったモノも。皆、同じ事を言った。
貴方は誰?
そうなのだ。私は誰?
私が誰なのか…。誰か教えてくれませんか?
リビングデッドより。




