表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/60

痛みこそが…。



私は月ヶ岡高等学校で教師をしている。月ヶ岡高等学校は、都内にある高等学校で、周辺には様々な施設が隣接している。ショッピングモール、広大な公園、スポーツ施設、リゾート施設。病院。近くには海があり、潮の香りが風に紛れて運ばれてくる。有名な進学校なのだ。


勤務を終えると近隣にある広大な公園へと足を運ぶ。その公園の中央には、大きな時計塔がある。そのデザインが好きで、私はよく此処へと来るのだった。機械仕掛けの時計で、その内部を隅々まで見透せる構造となっている。その内部は複雑な歯車が幾つも重なっていた。時を示す。その為だけに、あの様な複雑な仕組みになっているのかと想像するだけで、私は幸せな気持ちになるのだった。そう。1つのパーツも欠けてはならない構造なのだ。


では。

この世の中はどうなのだろうか?

欠けても何ら問題のないパーツだらけではないか…。


美しくはない…。

美と云う概念とは程遠い…。


カチカチと頭の内で音がする。正確な音を刻む音。

チクタクと秒針が進んでいく。


10

9

8

7

6

5

4

3

2

1




10

9

8

7

6

5

4

3

2

1




10

9

8

7

6

5

4

3

2

1



カウントダウンされては…。

爪の間に針を刺された、あの時の記憶が鮮明に浮かんだ…。





痛みこそが世界の真実より。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ