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手首


夢を視た。


色彩の鮮やかな空間にいる。


オーロラとでも云えばいいのだろうか?


その幕がー

私の目の前にある。


その幕の向こう側にはー

私が愛する彼がいる。



彼はー

他の女性と親しげにしていた。

私が知らない彼の横顔はー

とても幸せに満ちて見えた。


彼はー

その手で他の女性と手を繋ぎー

その指で他の女性の輪郭をなぞる。


とても繊細で美しい指。

しなやかに動きを織り成す白い指。


彼のー

その手の平がー

他の女性の頬へ触れる。



私の手には大きなはさみ



憧れだった夢の残り香。


ジョギリと音を立てー


切り離す鋏。




彼と他の女性の手首をー

ジョギリと切ってー


その手首を頬にあてる。


その手首の温度はー

少しずつ下がり…。



やがてー

死んでいく。

朽ちていく。



彼の手首に口付けをしてー


サヨウナラとー


ゴミ箱へ棄てた。






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