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百獣の王は夢に散る

自然界に存在する不文律ー


「共存共栄」「適者生存」


これに反するのは人間だけである。



この世界はー

弱肉強食だ。

弱い者が犠牲になりー

強き者が繁栄する。

それが世界のルールなんだよ。ー


と佐々木は叫んだ。



でもー

佐々木は気付いている。


現在、目前に存在する、この男にはー

その言葉が通じない事を…。



「だから。深雪みゆきさんに暴行したのですか?」

ひいらぎの声はー冷たい。


佐々木はー

死を意識した。

目前の男から発するオーラにー

身体がー

心がー

麻痺していた。


「貴方は、捕食者だと言うのですか?」

柊はー

そう言うとー

フフッと嗤った。


「貴方は、捕食者と言うものを知らない…。」

パチンッーと

柊は指を鳴らした。


「この人こそが…。捕食者ですよ…。」

柊はー

佐々木の背後を指差す。



その指に誘導されー

佐々木はー

後ろを振り返る。



其処にはー

神父の様な格好をした男がいた。


その男はー

笑みを浮かべている。


「弱き者は強き者に喰われる。それは正しい…。」


ならー

お前はー

私のー

ディナーだ…。



その声をー

最後にー

佐々木はー

解体された。






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