水瓶に満たされた夢
秋本はー
考え込んでいた。
天乃はー
そんな秋本を見て、微笑んでいる。
「人形が化けてミントゥチカムイになる。つまり、〖物の化〗とは物が変化した姿って事なんですね。」
秋本はー
スッキリとした表情を見せる。
【んあ?〖モノノケ〗の意味は少し違うぞ。】
「違うんですか?」
【 日本の古典や民間信仰において、人間に憑いて苦しめ、病気にさせ、死に至らせる怨霊、死霊、生霊の事だ。妖怪や変化も〖モノノケ〗とも云うがー。】
ーそれも時代によって少しずつ姿を変えた。
天乃はー
少しストレッチをした。
【本来、モノノケの〖モノ〗とは、人間への対義としての〖モノ〗の事だ。要は、総ての無物無生物、超自然的な存在の事だ。そしてー】
天乃はー
欠伸をする。
【〖ケ〗とは、【病】の事を指す。大宝1年の律令…『大宝令』では【疫病】の事を〖トキノケ〗と書いているからなー】
ー【モノノケ】とは、【モノ】と呼ばれた、眼には映らない存在が齎す【病原菌】の事だ。
『だとしたら…あの時、俺が視たのは…』
秋本の言葉はー
其処で途切れた。
ーPILILILILI
ーPILILILILI
天乃の携帯がアラームを告げた。
【ヤバい。時間だ………。少年よ。話は、また今度な…。】
そう云いながらー
天乃は走り去った。
秋本はー
呟く。
『あの時俺が視た。ミントゥチカムイは何だったんだ?…。』
そしてー
深く思考の世界に迷い込んだ。
あっ。
水瓶座に関係ない所を抜粋してしまった…。




