32.なかなおり
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おはようございます。エルキュール=グラムバルクです。
私は本日、幼馴染のアリシア=バーネットと朝帰りしちゃいました。
………と言うのも、昨日彼女から聞いた話によると、人間関係のトラブルでとても帰りづらい様子でしたので、それならばいっそのこと一日だけ私達がお世話になってる商隊から離れてみては………と、思いアリシアを誘ってみました。
すると彼女は乗り気で、二人でお宿を借りて一泊泊まっちゃいました。
料理はとても独特で、きのこからトカゲの黒焼きから何かぬたぬたした…、まぁ、言い表わせないほど独特でした…。
あ、でもこの鉱山の温泉はマグネシウムが沢山含まれてるらしく、とても健康に良いらしいのですが…温泉があると言う事は、この鉱山は活火山なのでしょうか?休火山ならまだ良いのですが、星蝕者が大穴を空けてましたからね。ドキドキです。
あ、折角なのでキチンと温泉も戴きました。
さて、皆さまお待ちかねのアリシアとの夜の事ですが………聞きたいですか?
聞きたいですよね?
むふふふふ、ここからはR18指定が入るかも知れません。
良い子の皆様は気を付けてくださいね?
では、結果をお伝えしましょう。
何の成果も…………!!!!
得られませんでしたぁ!!!!!!
私が無能だったばかりに!!!!
疲れて寝てしまい!!!!
無駄に時間を使ってしまいました!!!!!
本当に!!!!
申し訳ありませんでしたぁ!!!!!!!
本当に…アリシアにはごめんなさいでした。
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「エルキュール?どうしたの?そんな悔しそうに遠い所を見て」
「えっ?!あっ、その…なんでもないのよ?気にしないで?」
「変なエルキュール。」
何処か楽し気な雰囲気纏わすこの赤茶色の猫娘 (種族:人間)はアリシア=バーネット。
私の親友で幼馴染で最愛の騎士様です。
私と同性で女の子なのですが、私はこの子に心を奪われっ放しです。キャットシーフです。
勇敢な勇者様なのですが、時折見せる弱々しさがなんと言いますか、私の母性を擽ります。
本人は私のお姉さんのつもりなのがまた可愛いです。
そして軽やかな足取りも、いざお世話になっているキャラバンに辿り着いてしまうと、やはり重くなるものです。
頑張れ勇者様!勇気を出してください!
心の中で応援をすると、勇者様は意を決したのか前へと進みました。
ーーーさて、私もこちらをこわーい笑顔で見ているシャリアさんに謝罪の覚悟を今すぐに固めないといけない様です。
頑張れ私、とりあえず泣かない様に頑張ります………
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「まぁとりあえず二人ともお帰りなさい、全くぅ…心配したわよー?」
「ごめんね?シャリアさん…」
「おやぁ?アリシアちゃん、素直になっちゃった感じ?」
「うん、なんて言うか、シャリアさんに堅苦しくしても仕方ないって分かったから。」
「あらあら言ってくれるわねー?好感度鬼上げよー?」
「えへへ、改めてよろしく!」
うふふ、素直なアリシアはかわいいです。
………所で腰に力が入らないんですが?
………アリシアが触った事の無い所まで触られちゃったのですが?
何故見て見ぬ振りをしてるんですか?アリシアお姉さん?
結局私だけこんな目に遭うんですね、知ってましたけど。
ーーーさておいて、アリシアは遂にシャルロットちゃんとご対面しました。
お互いにお見合いみたいに見つめ合ったまま動きません。片方壷の中ですけど。
しかし、アリシアが何か言おうとすると、シャルロットちゃんが先手を取りました。
「アリシアちゃん…ごめんなさい」
「アリシアちゃんにとってあの…おっぱ…だにくさんはシャルにとってのおねえちゃんなんだよね?」
「………うん、…それ以上かも」
「そうなんだ?…シャルね?もしおねえちゃんがだれかにとられたら、たぶん、いきていけないとおもうの。…アリシアちゃんにとって、だにくさんはそれ以上なんだよね…?」
「うん、絶対に守るって決めた人だから。」
「……シャルね、おかあさんにすてられて、おとうさんにころされかけて、おねえちゃんだけがシャルをみてくれたの。」
「だからアリシアちゃんがシャルのことをみてくれて、ほんとうにうれしかったよ?」
「だから、ごめんなさい、ありがとうアリシアちゃん。」
「シャルちゃん……わたしもごめんね?」
「シャルちゃんは守りたい存在だけど、エルキュールはわたしの光だから…絶対に譲れないんだ。」
「だからわたしの我儘で傷付けちゃって、ごめんね。」
「えへへ、シャルはアリシアちゃんとずっと友達でいたいな……だめかな?」
「いい……よ!!いいに決まってるよ!!」
アリシアはシャルロットちゃんと抱き締め合いました。二人とも凄く凄く泣いて、気まずさもわだかまりも、全てを洗い流す様に泣いて泣いて泣き腫らしました。
良い話ですね、私も思わず貰い泣きをしてしまいました。
私にとってもアリシアは光射す存在です。
ふふふ、シャリアさんもマックスさんも、シェリーさんも涙ぐんでます。
…………これ、シャルロットちゃんに私の名前覚えて貰えて無いですよね?
其方の意味を強めで泣いてしまいました。
やはり嫌われてますね!はい!知ってましたけど!!
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アリシアは仕事モードなのか、敬語でシャリアさんに話しかけました。
「それでシャリアさん、わたしはやっぱり商隊の為に依頼を受けて来るつもりです。」
「その話なら断った筈よ?」
「いいえ、シャリアさんは確かに言いました。シャリア商会の依頼なら問題ない…と」
「ですので、素材集めの依頼をわたしに出してください!!」
ふふふ、どうですか?シャリアさん。これが私とアリシアで考えた一矢報いる方法ですよ!!
いえ、別に仕返しをしたい訳ではありませんが。
…………と、思いましたけど、シャリアさんのあの顔は…狐の様な笑い顔は間違いありません。
この展開を想定していたみたいです。
「良いわよー?でもぉ、今うちは資金調達が難しいのよねー?」
「構いません!ギルドの依頼のついでですから!」
「あらあらぁ、報酬は歩合だし、此方の売り上げ次第でも変動するけどぉ!構わないのね〜?」
「勇者ですから!報酬が少なくても問題無いです!!」
シャリアさんの瞳がキラーンと輝きました。
気付いてアリシア!その人、商会の為なら意外となんでもするから!!
「じゃあ折角だからお言葉に甘えちゃうわん。これに書いてある材料を全部探して来てくれる?」
ーーーと言って、何やらスクロールをアリシアに手渡しました。
しばらくスクロールを眺めていると、アリシアは固まってしまいました。
「おっ…恐らくスムーズに行けば、五日は掛かるかと…」
五日!?
「構わないわん?こっちの商品が尽きた時の補填だし、依頼の方はどうなのかしら?」
「丁度ロックゴーレムの討伐を受けてますんで、運が良かったらその時に集まる………んじゃ無いかと。」
「あらそう!お互いにWIN-WINな様で嬉しいわ!お願いして良いかしら?」
「はっ………はい………まかせてくだしあ」
アリシアが完全に飲まれてます。やり込められてます。両目がぐるぐるです。何かおかしくなってますよー?
「所でエルキュールに手を出さないって約束は………」
「うちのセシルくんを貸した時点で違えてるでしょう?だーかーらー、あたしも遠慮なく落とすつもりよん!」
地獄に!?
「………シャリアさんのバーカバーカ!アホー!」
「うふふ、よっろしくねーん!」
あぁ、アリシアが怒りながら走って行っちゃいました。………本当に単純なんですから。
シャリアさんにも悪魔の角と羽根と尻尾が垣間見えます。
「んじゃ、セシルくん、よろしくね?」
「承知した。」
居たんですか!?
寧ろ暫く見掛けなかったのですが、いつの間に戻ってたのでしょう?
そしてシャリアさんは一体何を………
「流石にあたしも鬼じゃあ無いわよ。セシルくんを護衛に着けてあげたのよん。」
あっふーん。なるほどです。………ではなく。
「………シャリアさん、セシルさんは一体何を…?」
「さあねー?でも戻って来たなら、あたし達と共に行動する意思があるって事でしょう?それならサボってた分も働いて貰わなきゃよ!」
御尤もな意見です。此方にはマックスさん (割と重傷)も居ますし。
………それにしても私はこの五日間、何をしたら良いのでしょうか?
「エルちゃんにも働いて貰おうかしらん?」
「えっと、はい…何をすれば良いんでしょうか?」
「そうねぇ………エルちゃんって、お裁縫に興味ある方よね?」
…………はい?




