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第2話 御堂さんはめんどくさい

 おや、御堂さんの顔が引きつっている。何かいけなかったのかな。


「 あなた最低な奴ね。」

「 そう?」


 少なくとも女性を全裸にして写真を撮るようないじめをするような奴よりは良心的だと思うけど。どうやら彼女の中では他人に無関心なのは強制ヌード撮影よりも駄目なことらしい。性に寛容なのだろうか?


「 まぁ、いいわ。誰にも言わないでよ。」

「 だからどうでもいい人達のことなんか誰にも喋らないよ。」


 ほんとしつこいなぁ、暗くなる前に帰りたいんだけど。


「 どうでもいい人達?」

「 うん、どうでもいい人達。」


 彼女が呆然としたような感じで呟くので笑顔で肯定する。何に驚いているのだろう。美しい自分に靡かない男がいるなんて、とかだったら面白いのに。自意識過剰乙って感じで。


「 あなた、私の名前わかるよね?」

「 学年一の美少女と噂されている御堂さん。」

「 下の名前は?」

「 えっと?モモさん?」

詩菜(しいな)よ!信じられない!同じクラスなのに!」


 どうでもいいけど学年一の美少女のくだりで全然照れなかったね。いや、ほんとどうでもいいんだけど。

 というより同じクラスだったのか。新学期始まって1ヶ月経っているのに覚えられていなかった。でも苗字と名前どっちか覚えてたらそれで良くない?どっちもなんて覚える量が2倍に増えるじゃん。

 ちなみにモモとはうちの母親の名前だ。なんかパッと浮かんだ。


「 クラスメイトの大半は覚えてないから気にしないで。」

「 あなた本当に最低。私が一番嫌いなタイプね。」


 どうやら嫌われてしまったようだ。どうか嫌わないで欲しい。面倒だから。


「 それは、ごめん?」

「 あなた、私のこと馬鹿にしてる?」

「 いや?」


 御堂さんの機嫌はドンドン急降下している。月のものだろうか?


「 あなた本当にムカつく。明日から覚悟しなさいよ。」

「 ええ〜、やだよ。」

「 ……つ!」


 不満そうな声をあげたらビンタしてきたので避ける。そして睨まれる。


「 なんで避けるのよ!」

「 黙って殴られろと?」

「 そうよ!」


 この娘ちょっと横暴過ぎない?親の顔が見てみたい。やっぱ嘘、興味ないや。


「 やだ。」

「 ……っっ!」

「 さようなら。」


 笑顔で断ったら掴みかかってきたので虚を突いて横を滑り抜け、帰路につく。もう十分だし面倒だ。これ以上付き合う必要は感じない。なんだか後ろが騒がしい気もするが気のせいだろう。


 そのまま家に帰ったら母親に怒られた。言われたものを買ってこなかったから。この歳になってお使いも満足にできないのか、の一言は心に刺さりました。

御堂さんのせいで今日は散々だ。彼女は面倒の塊かもしれない。

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