表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

異世界転移、全ての始まり

今回は異世界転移するまでの経過を書いたものなので、若干説明口調が気になるかもしれませんm(_ _)m


ご了承ください。

僕はクラスの中でもかなり存在感が薄いと自負している。


多分、ふと僕が居なくなったとしても誰も気付かないくらい。


でも、何故か下校している僕の隣には「人」がいる。高谷昂だ。


「あのさ、昂はなんで僕に絡むの? 他の、もっとキラキラした人とかと話したりしないの?」


別に昂に絡まれるのが嫌なわけではないが、気になった。前にも言った通り、昂はクラスの誰とも仲がいい。だからこそ、クラスの中心として存在しているのだけれど。


そんな昂が何故僕に話しかけて一緒に帰ったりしているのだろうか。


「あー? なんとなくだよなんとなく」

「な、なんとなく……」

「んー、なんかな、俺の第六感がそうしろって言ってるんだよ」

「お、おぅ……」


軽く流されてしまった。答えはそんなに気にならないし、はっきりと言わないのは何か理由があるのかもしれない。


学校から僕の家までは徒歩で約20分程。何の偶然かは知らないが、昂の家は僕と同じ方向にあり、そんなに離れてもいない。もしかしたらこちらの方向にはそんな人が住んでいないのかもしれない。僕ら以外の人影が見当たらないし。


学校での出来事や勉強、趣味について雑談しているうちに大通りから離れ、小道に入った。


今日は遅くまで部活(という名の居眠り)をしていたので時間はすっかり19時を回り、辺りはすっかり暗くなってしまっている。昂はバスケットボール部の活動で遅くなってしまったらしい。


「暗いな。流石は街頭の密度の低さで有名なこの小道だ」

「それは有名なの? 僕らしか知らないような」

「それにしても、マジで暗くね? 10m先が見えねぇぞ?」

「うーん、そう言われればそんな気がするな……」


僕は段々と暗くなっていくような感覚を不意に覚えた。「道がわかんなくなりそうだな……」そう呟いた時。


「「!!!!!!」」


上下左右を完全な「黒」が支配した。僕は前、後ろと何度も顔を動かすが、何も見えない。


「奏、大丈夫か!?」

「そういう昂は!? 僕はとりあえず何も見えない」

「俺も何も見えねぇ……何だよこれッ!?」


数秒前まで暗いとはいえ、道に面したアパート、点々と並ぶ電柱、路上駐車しているバイクが見えていたはずである。


目に入る全ての光がシャットアウトされたような感覚。目は開いているのに暗闇という気持ち悪い感覚。


僕は昂の位置を探ろうと、そして壁か何か見つけようと必死に腕を振り回したが、成果は無し。ただ呆然とするしかなくなってしまった。


「昂、いる?」


ふと暗闇に向かって問いかけてみた。


「昂、いるんだよね?」


その問いかけは願望となりゆく。


「……え、いるよね?」


3度、問いかける。が、返事は帰ってこない。最悪の状況だ。


「ホント、これなんなんだよ……ッ」


希望は打ち砕かれ、未だ一切の光がないという状況に「死」という文字がチラつき始める。


「僕は……死んだのか? もう、そうとしか考えられないよ」


『抗え。(ぬし)よ』


暗闇に誰かの声が響いた。暗闇に、というより僕の頭に、だ。


『声を、出せ。力を、解放しろ。でないと、安寧は訪れん』


その声は段々と大きくなってくる。


「え、声を出せばいいの? え? 何なの?」


『響き渡らせろ、その色を。主の色を』


もうコイツの言うことを聞くしかない。僕はそう決心した……というか、その手以外無かった。


「何言ってるかわからないけど……叫べばいいんだよね!?」


『解放しろ。主よ』



「ここから、出せッ!!!」



その瞬間、黒は白へと変わる。


僕は、謎の浮遊感と謎の声への疑念を抱いたまま、段々と「落ちて」行くのを感じた。


1人、いや2人の人間が地球から消えた。

謎の声の主はまたいつか出てきます。

……何を言っているんでしょうね?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ