葛之葉が推理小説物を書くとこうなる
屋敷の大広間に集められた全員が、集めた張本人である芝山 丹亭へと視線を向けている。
芝山は、そんな視線を気にせずグラスに注がれたワインを揺らしながら見詰めている。
すると、小さく笑った芝山はワイングラスに注がれたワインを口に含み、ゆっくりとテイスティングをした後に飲み込み言った。
「皆さん、犯人が解りました」
その時、窓の外で激しい稲光と共に雨が窓を叩きだした。
集められた人達は、息を飲み次の言葉を待つ。
「大山夫人を殺害した犯人、それは」
芝山の指が集められた人達一人一人を差しながらゆっくりと動く、
その指が一人の人間に止まった時、芝山の唇の端が微かに口角を上げた。
「貴方ですよ、大山教授」
再び稲光が走り、全員が動きを止めて驚愕の表情を作る。
そんな中、大山が芝山に聞いた。
「‥‥‥証拠は?」
「え?」
証拠? 何それ? おいしいの?
【葛之葉が推理小説物を書くとこうなる】完