第55話「クラリス」
第55話「クラリス」
今日はポルンの胸で目覚めて、食事を皆で食べて居ると誰か尋ねて来たようなのでエルートが玄関に向かう。玄関から戻ったエルートの後ろにはティーナがいた。皆が挨拶をするとティーナは、いつものように両手でスカートの両裾を持ってお辞儀する。
【どうしたんだ?】
【突然でご迷惑だとは思いましたがルイン様に会いたくて、来てしまいましたわ。】
ティーナの頬が赤くなる。美少女姫にそう言われて嬉しい事では有るが、素直に喜ぶ事が出来ない。王妃様か王様に言われて俺の事を監視に来ているのではないかと思ったからだ。
食事をする手を休めて
【本当は監視でもしに来たんじゃないのか?そうなら俺は何もしないから大丈夫だと伝えてくれ】
疑問をそのままぶつける。回りくどい聞き方は俺の性格ではなかったし、もし監視なら朝から不愉快でちょっと腹も立った。
【違いますわ!監視に来たのでは有りません。ルイン様に会いたかっただけです・・。】
本当にそうなら悪い言い方をしてしまった。例え誰かに言われて来ていたとしても素直に言うやつはいないだろうが。だが真実を確かめるすべはない。
【すまない。だが今日は食べたら旅に出るから一緒に何かする時間はないぞ】
ティーナは下を向き
【そうなのですか・・。それは残念ですわ】
本気で落ち込んでいるのか?少し可哀そうに思えてしまった。仮にも美少女姫が会いに来てくれているのだから少しは相手をすべきなのか?だが今は関わるのは極力控える事にした。
【食事の片付けが終わったら城に送るからそれまでなら時間は少しだけど有るぞ】
俯いていたティーナが顔を上げ笑顔で
【ありがとうございますわ】
結構単純な姫なんだな・・。
これくらいなら大丈夫だろう。旅にも差支えはないだろうし、甘いかも知れないが相手が美少女姫なのだから仕方がない。エルート、キャロ、ポルンの3人の視線がちょっと気になったが・・。テミアは笑顔だったどんな時も笑顔で癒される。
食事を終えて皆が後片付けをしている時に、旅に出てもその日の夜には移動魔法で家に戻る事など、ティーナと色々話していた。
その時!玄関に誰かが来てドンドン叩いている。何事かと思い急いで玄関に行き開けると城で見たメイドさん?らしき人物がだった。
【朝早く申し訳ございません。姫様は?姫様が来ていらっしゃらないでしょうか?】
【ティーナなら来てるよ。】
メイドさんは胸に手を当ててホッと一息。俺はメイドさんをティーナの居る所に案内する。
食べ終わって俺とティーナはリビングに居たので、メイドさんをリビング連れて行くと
【姫様!!1人で勝手にお出かけにならないで下さい】
メイドさんはティーナに駆け寄る
【書置きはしましたわ。】
【そういう問題では有りません。1人で城の外に出て姫様の身に何か有ったらどうするんですか?】
【クラリスは心配症ですわね。何もないですわよ】
専属のメイドさんなのだろうか?ティーナがクラリスの肩に手を乗せる。俺は呆然と2人を見ていた。
ティーナが俺の方を向いて
【ルイン様紹介が遅れましたが、侍女のクラリスですわ】
メイドさんではなくて侍女なのか?それにしても若くないか?ティーナと同い年くらいに見えるのだがこの世界では普通なのか?
【クラリスさんはティーナと同い年くらいに見えますが?】
ティーナの衣服のほんの少しの乱れを直していたクラリスがこちらを向く
【クラリスでよろしいですよ。姫様とは幼馴染で同い年です。】
やっぱり若い。ティーナが何歳なのか聞いてないし、ステータスを確認してないから分からないが、俺と同じか違くても上下1歳だろうか。若い子だが女性に歳を聞くのは失礼かもしれない、この世界の常識が分からない以上自分から言って来ないのだから後でこっそり確認してみよう。
ショートカットでストレートな黒い髪、肌は白く、スタイルもよさそうに見える、胸はやや小ぶりかも知れないがティーナに負けないくらいの美少女だ。城に行った時に何人かのメイドさんらしき人達を見たが、服が似ては居るが所々違う所が有る。侍女だからなのだろうか?でもこれはこれで可愛いが・・。
【ご主人!発情!!】
ティーナとクラリスに見とれていて、キャロ達が片付けから戻って来た事にきずかなかった。3人から冷たい視線を浴びる。慌てて
【ティーナもう時間だ。城まで送るよ】
俺はティーナとクラリスの手を握って城の前まで移動魔法を使う。
城の正門前に出る。ティーナとクラリスは周りを見渡す。
【これが移動魔法ですか】
クラリスが少し驚いていた。
【初めての体験でしたわ。ですが・・。バロンを置いて来てしまいましたわ。】
ティーナは少し困って首をかしげている。
【今取ってきますね。ここで少し待ってて下さい。】
俺は再度移動魔法を使って、2人が各々乗って来たバロン2頭を取りに行く。俺がバロンを取って来て2人に引き渡す。
【ルイン様ありがとうですわ】【ルイン様お手数かけました】
【いいえ。それでは失礼しますね】
移動魔法ですぐに皆の所に戻ろうとしたがティーナに呼び止められた。
【ルイン様。朝に明日も行っても宜しいでしょうか?】【姫様!】
正直どうしようか悩む所だ。監視ではなさそうだが
【朝の少しの時間で良ければどうぞ。でもクラリスに心配かけないように】
【はい。お気をつけていってらしゃいませ。】
ティーナは笑顔で見送ってくれた、その横で困った顔をしているクラリス2人に手を振りながら移動魔法で家の前に戻った。




