第49話「大切な人を守る決意」
第49話 「大切な人を守る決意」
王子の方を向き
【奴隷で有ろうと無かろうと好きと思う気持ちに1番も2番も無い!俺が好きになった人は皆んな1番でそれ以上でもそれ以下も無い。】
俺はダクス王子に告げると窓ではなく、エルートの手を握りながらダクス王子の方に向かって歩き出した。
【考えななおしたか?良い判断だ。】
ダクス王子は腕を組んで少し勝ち誇った様にしている。
確かに考えを少し改めた、国のお尋ね者になればせっかく買った家にも住んでは居られない。ダクス王子の横を通り過ぎ部屋の扉に向かった。ダクス王子は驚いて居たが、俺は気にしなかった。
部屋の扉を開けると、誰かが後ろに倒れた。部屋の中の様子を覗き見していたのだろうか?メイドかダクス王子の魂誓者の誰かと思い気にもとめずに部屋を出た。
【侵入者だぁ~!エルートが攫われた!】
ダクス王子が部屋から叫んでいるのが聞こえる、ダクス王子の部屋にこの国の兵士が一斉に集まって居た様だった。何人かの兵士とすれ違ったが、まだ俺達の事とは知らないのだろうダクス王子の部屋に直行している。
ダクス王子を何度か殴りそうになったが、我慢していた。殴ったら本当にこの国を敵に回しかねない。窓から外に出れば簡単に家に戻れる、もしくはそのまま移動魔法を使っても問題なく家には帰れるだろう。だがダクス王子の言うとおり、俺は侵入者でエルートを連れ去って居る、後からどんな言い訳をした所で信じては貰えないだろう、ならこのまま王様に話して見ようと考えたのだ。
真面な王様なら脅して魂誓相手を手に入れる事を認めはしないと思ったが、ダクス王子の親でも有るからもしかしたら駄目かも知れないとも考えたがその時は、その時で色々と覚悟を決めるしかない!
管理者の力を使ってマップで王様の居場所を確認する。魂誓発表会場にまだ残って何人かの人と話して居る様だったので急いで王様の所に向かった。ダクス王子の叫びで駆け付けた兵士たちも、状況を理解したようで俺を追って来ている。
何人かの兵士に追われながらも、どうにか王様の居る会場に着く事が出来た。会場に入ると王様は何人かの貴族らしき人達と話して居たが、兵士に追われた俺達が会場に入り王様の近くに行く頃には、王様と話して居た人達は逃げる様に会場から出て帰って行った。
俺達は王様の所にたどり着くと、ダクス王子がエルートにした事をなど今までの経緯を話し、不法侵入した事を謝った。王様と話して居る間にすっかり兵士に周りを囲まれて居た。そしてダクス王子も会場に入ってこちらに向かって来る。
【ダクスよ。この者の言う事は誠か?】
少し顔を逸らしたが、王様の方を向き
【嘘です!この者は侵入者です!エルートを連れ去ったのです。】
ダクス王子は王様に自信ありげに言うと今度はエルートの方を向き
【もし仮に本当で有っても、エルートが戻る事になればこの男は死刑を避けられません。エルートにお聞きになって下さい】
ダクス王子はエルートの顔を見ながら薄っすら笑いエルートを見ていた。エルートに俺を救う最後のチャンスを与えてるつもりなのだろうか?
王様はエルートの方を向き
【どちらが本当なのだ?】
エルートは俯き、握っている手が少し震えている。俺はエルートの手を少し強く握り
【何も心配する事は無い。本当の事を言うんだ。】
エルートの手の震えが止まった、エルートも覚悟を決めたのだろうか?エルートは王様にこれまでの事を話し出した。
エルートの話しを聞いた王様は、ダクス王子を叱るでもなく何かを考え始めた。
【魂誓発表までしたのだ、事情はどうあれエルート君は戻ってくれないか?ルイン君だったか君の事は今回見逃す。それに出来る限りの褒美を与えるぞ。】
面目を保ちたいのは分からないでもないが、その為にエルートを犠牲にする事何て出来るはずがない。
恥をかく事にはなるがダクス王子に責任を取らせないとは・・。
【王様。それはできません!】
【ならば仕方がない・・・・。衛兵ルイン君を捕えよ】
王様は俺達の近くからダクス王子と共に離れた。
ダクス王子が誇らしげに
【抵抗するだけ無駄だ。兵士達よ!殺しても構わん。】
移動魔法でどこかに行こうとも思ったがこうなったらこのクソ王子を1発ぶん殴ってやらないと気が済まなくなった。
【私のせいで・・。すみません。】
涙を溜めてエルートは俺に言って来るが、頭を撫でて
【エルートのせいじゃない。これは俺が決めた事だ。2人には手を出さないだろうから俺の後ろからついて来るんだ】
俺はエルートの手を離し、テミアと一緒に居させて俺から少し離れさせる。ダクス王子の所まで行くには結構な数の兵士が居るが、何とかなるだろう。
再度身体能力を上げる魔法を自分に何度かかけて、ポタヌイを構えて戦闘モードに兵士達を殺す事は俺には出来ないので、気絶させるくらいの力に加減して倒して進む。ポタヌイを剣からムチに変えたり、長い棒状に変えたりと状況に応じて色々と変化させた。エルート、キャロに魔法とスキルを教えている時に色々武器を変化させて練習しておいてよかった。
王様とダクス王子は武器の変化を見て、驚き何故か恐れている様にも見えた。勿論兵士達も驚いて居たが、俺を捕える命令が出ていたので怯む事無く俺に襲い掛かって来る。
その場に居た兵士達を気絶させて残りは王様とダクス王子の2人になった。俺達を逃がさないように会場の扉はしまっていて、これ以上兵士が来る様子はなさそうだ。
【王様、ダクス王子。エルートの事は諦めては貰えないか?】
怯えながら王様の後ろに隠れる様に居るダクス王子は
【貴様はこの国を敵に回したんだぞ!今のうちに降参した方がよいぞ】
この王子はまだ言うか・・。
【なら今のうちにこの国のトップの首を取れば俺達が追われる事はないよな?】
王子は震え、完全に王様の後ろに隠れてしまった。
【王を殺せば世界的にお尋ね者になるぞ】
今度は王様が俺に言って来る。どうしてもエルートを諦める気はないのだろうか?
【だとしてもエルートを渡しはしない!】
王様は驚いた。女1人の為にここまでするのかとでも言いたいのだろう。
勿論王様とダクス王子を殺す気はないがダクス王子の事は1発ぶん殴ってやりたかった。エルートを泣かせた事や色々理由は有る。
俺は王様の後ろに隠れる様に居るダクス王子の方に行き、殴ろうとした瞬間
【お待ちください!】




