第34話「ドラゴンとの決着」
第34話「ドラゴンとの決着」
自分のダメージなど気にしてられない。自分に放たれた残りの火の玉を無視して4人の前に立ち水魔法で防壁を作り、さらにポタヌイを大きな盾に変えてガードするが、水の防壁で威力が弱まったとは言え、4人の前に来る時に無視した火の玉のダメージのせいでポタヌイを持つ手に力が入らず耐えれなかった。
俺は炎に包まれた。持っていた氷の魔結晶が砕け、暑いなんてもんじゃない。後ろに居たエルートが残っていた魔力で水魔法を俺に使ってくれたおかげで意識はかろうじて有るが指1本動けない、ポタヌイの盾に摑まって立って居るのがやっとだ。
エルートは残りの魔力全部を使ったのか回復を使えない。テミアが急いで来て中級回復を使うがダメージが大きかったのかすぐには動けそうもない。エルートとキャロは半泣きだし大ピンチだ!
ドラゴンはこちらに突っ込んで来ようとしている。
ポルンが背負っていたリュックから閃光弾を出しドラゴンに投げるが、あのドラゴンには同じ攻撃は効かない。ドラゴンは突っ込んで来るのは止めたが先ほどに比べれば効果は無いに等しい。だが警戒したのか一旦距離をとり空高く飛び上がって俺達の頭上を旋回し始めた。
ポルンは再度リュックから何やら取り出して俺に飲ませようとした。
【これを飲んでください。】
何やら分からなかったが、ここはポルンを信じて飲むしかなかった。不味いなんてもんじゃない。一口飲むのがやっとだった。生温かく、ドロッとしていた。
飲んだ途端に傷が癒え、体力が回復していく。テミアは回復魔法をやめる。
【ポルン俺に何を飲ませた?】
ポルンは俯き、とても言い出しにくそうにしていたが、再度聞くと顔を上げて
【竜の血です・・。】
【おい。まさかあそこに倒れている竜のか?】
ポルンは頷く、殴ってやろうかと思ったが今はそれ所ではないし、救われたのもまた事実後でたっぷりとお説教してやる!
でもどうして俺ではなく4人を狙ったのか分からない。ポルンが現れる前は確かにドラゴンは俺だけを狙って戦おうとしていた。
あ!まさか閃いた俺はポルンの持っているリュックを取り中身を見ると竜の鱗と爪と思われる物が中に入っていた。
【この素材はあそこの竜から取ったのか?】
頷くポルン。だから俺よりポルンを狙ったと言う事か。
【僕のリュック・・。】
ポルンが持っていたリュックを背負い
【今の攻撃は母親の一部を持ったお前が攻撃されたんだぞ。】
ポルンは俯く。4人の元から離れると頭上を旋回するドラゴンも俺だけを狙って見ている様にように見えた。自分だけではなく全員を危険にしたんだ。
俺は持っていたリュックをドラゴンの亡骸の方に投げる。これで返した事はならないだろうが、誰かが持っているよりはいい。
さてどうやってドラゴンを弱らせるか・・。
相手のドラゴンもどうやって俺を殺すか考えて居るのかもしれないな。同じ仕掛けは効きそうにないし、シャドウ・ツヴァン〔影を捕え拘束する〕を使っても拘束はできるがダメージを与えられないし、ポタヌイが使えなくなる。
補助魔法の自分の身体能力を上げる魔法が有ったはずだ。それを使おう!
俺は自分に魔法を何度か使う、重ねがけができるのかは不安もあったが使っているとドラゴンも作戦が決まったのか俺目掛けて勢いよく降下してくる、身体能力を上げてはいるが、降下の勢いと、ドラゴンの力が合わさったあれは受け止めるのはきついだろう。
俺はかわすとドラゴンはそのまま地上に突っ込み、俺も壁に突っ込んだ。重ねがけは成功していた、思ったより上がってしまったので加減が出来なかった。地上に降りたドラゴンをまた空中に逃がす気は無いポタヌイを弓に変え、高速で動きながらあらゆる角度から魔力の矢をドラゴンに打ち込んだ。
俺の戦い方を見ていた4人は呆然・・。
【エルートさんご主人が何人かいる様に見えるのですが・・。】
【私にもそう見えます。】
ポルンはエルートに
【あの武器は何なんですか?今使ってるのは弓にも似てますが、色々変化してるし、今使ってる武器の攻撃は見た事も聞いた事も有りませんよ。】
エルートは黙って何も答えない。ポルンは他の2人にも聞くが、同じく答えてはいないようだ。この世界に弓は有るみたいだな。魔力を飛ばす弓が存在しないのか?魔力を飛ばすくらいなら魔法を使うもんな。
何十発かドラゴンに打ち込んでいると、ドラゴンは倒れた。魔力の矢の威力は抑えていたので死んでしまう事はないだろうが、油断はできない。
ゆっくりと近づきポタヌイを剣に変え、ドラゴンの目の前に行くと目が合った。
【殺すなら殺せ】
え!もしかして話せるの・・・。戦う必要なかったんじゃないか。
【えっと話せるの?言葉が分かるのか?】
【貴公こそ言葉が分かるのか?】
俺は持っていた剣をネックレスに戻す。
【近くの村の人達が怖がっているからどこか他所に行ってくれないか?】
【それはできない。我はどこから来たのかも分からぬし、母の亡骸ここに置いて行くわけにもいかぬ。】
どうしようか・・・。
【うちの裏山にでも弔ってお墓を作ろうか?】
【誠か!?それはありがたい事だ】
【ただし条件が有る!カエナ山から出て行く事。行く場所が見つかるまでうちの裏山に大人しく住むことだ。どうだ守れるか?】
【承知した。我は人間である貴公に負けた、母の事も弔ってもらうとなれば貴公と主従契約を結ぼう】
【ちょっと待て!】




