第31話「ドワーフ」
第31話「ドワーフ」
クエストを受けた俺達は、準備の為に道具屋に再度向かい足りない物を買い足した。時間も遅かったので出発は明日にする事にした。ドラゴンの子供が出たのは、ここから少し離れた山の麓の村だ、1日も有れば村には着くだろう。ドラゴンの事は村の人に詳しく聞いて見よう。
それにしてもギルドのお姉さんはやたらと心配していた。俺達の初クエストで子供とは言え、ドラゴン相手なので最初は冗談を言っていると思われたし、何度も違うクエストを進められた。
当然と言えば当然なのだが・・。
家に帰り、食事とお風呂を済ませ、ベットで寝る前にやたらとエルートとキャロがくっついて来た。
何?明日ドラゴンに俺は殺されるの・・?
俺が死ねない事は知らないし、心配なのは分かるが。子供のドラゴン相手でも用心しようと決意する。
翌朝。食事を済ませて出発!
女子3人は装備をしているが、俺から見るとセクシーなコスプレにしか見えなかった。それがまた可愛いので見て居るとキャロがこっちを向いて小さな声で【発情】と言うので、聞こえない振りをして出発した。
テミアを狙っている敵の事も有るので、俺とキャロで周囲の警戒をしながらたまに現れる魔物を倒しながら進んだ。
昨日テミアに食事を作るのをエルートとキャロに任せて、回復魔法を教えてみたらすぐに中級クラスまで使えるようになった。調子に乗って防御魔法なども教えたら使えるようになったが、火、水、風、の攻撃魔法も教えたが使える事はなかった。
やはり職が聖女だから支援関係に長けているのだろうか?
お昼の休憩を取り先に進むと夕方前には村に着く事が出来た。自己紹介して村の人達にギルドでクエストを受けた事を伝えると、村長の所に案内された。村長の家に入るり、椅子に座るよう言われたので座る。
【この度は私達が出した依頼を受けて下さった事ありがたく思います。】
村長が両手を組んで、話しを続ける。
【カエナ山に住み着いたドラゴンの子供が近くの森まで来ていて、村に来るのは時間の問題、村の安全の為にできれば倒して頂きたい。】
村長は真剣な面持ちだ。
【分かりました。明日にはカエナ山に向かおうと思います。】
【左様ですか。もう少しすれば日も沈みますので今夜は空き家が有りますので皆さんで使ってください。】
俺達はお礼を言って使わせてもらう事にした。その後村長の家でしばらく色々話して、食事をご馳走して貰い空き家に案内されて今夜は就寝した。
翌朝。エルートの胸で目覚め、村長に朝ご飯もご馳走になり出発する。
目指すのはカエナ山頂上だ!村長の話しでは麓の洞窟から山頂に行けるとの事、その途中にドワーフが住んで居る場所も通るのでそこで詳しく聞いて欲しいとの事。
ドラゴンも見れる、ドワーフにも会える俺は嬉しくてしょうがなかった。
村長に教えて貰った道を進み、森を抜け山の麓に着き目の前に洞窟の入り口があった。来る途中に空を見たがドラゴンの子供が飛んでいるのは見えなかった。
洞窟の中に入ると中は外より少し暑い、壁には光るコケがここにも有った。
罠はないが中は入り組んでいたので、簡単には進む事ができなかった。管理者の力を使ってマップを見れば迷う事無く進めるがそれは面白くない。敵が凄く強いわけでもないし冒険を味わいたかった。
何度も迷った末に、奥から光るコケより明るい光が見えて来る。外の明かりとは違う。
用心しながら先に進むと、洞窟内の少し開けた場所に何人かのドワーフ達が居た。俺達が中に入るとドワーフ数人がこちらを見て近寄って来る。
【お前ら何しに来た。】
近づいて来た1人のドワーフに聞かれた俺は、自己紹介をしてギルドでドラゴン討伐を受けた事を説明した。族長に会うように言われたので案内されるままについて行った。ドワーフの人達は暑くないのか?開けた洞窟内の片隅を溶岩が流れているのでここは結構暑いはずなのだが?俺達4人は途中から各自、氷の魔結晶を持ち暑さを緩和していて暑くはないが。
ドワーフについて行くと何個か有る、横穴の1つに入り族長が居る。威厳ある小さいお爺さんに見えた。俺達をここまで連れて来てくれたドワーフが族長に説明すると、族長はこっちに来て座れと言うので族長の近くに座った。
【ルインさんだったか?】
【そうです】
【突然だが無理を承知でお願いしたい。あのドラゴンの子供を殺さないではくれないか?】
村長は倒して欲しいと言っているし困ったなぁ。俺は考えて居た。
【あの子供のドラゴンの母は傷つき飛んで来て、卵を産み孵化するとしばらくして死んでしまった。残った子供は何処かに飛んで行くかと思ったが、死んだ母親の近くから何日も離れようとせず餓死寸前の状態まで弱っていった。それを見かねた我々はドラゴンの子供に餌をやり、育ててしまった。勝手だとは思うが出来る事なら殺さずにどこかに追い払って欲しい。】
俺は悩んでいるとキャロとエルートが俺の方を向き
【ドラゴンさん可哀そうです。】
キャロは目を潤ませながら俺に言ってくる。エルートは俺のを顔見て族長の方を向くと
【族長さん。ご主人様に任せれば大丈夫です。きっと殺さずに何とかしてくれるはずです。】
エルートはこちらを向き期待した表情で見る。
【おぉぉ頼もしい!】族長は喜ぶ。
エルートよ。勝手な事を言い放つにしても考えは有るのか?俺には今の所何も思いつかないぞ!
俺の後ろに座って居たテミアに小声で
【どうする?】
【私はどちらでも構いません。クエストが成功するならルインさんにお任せします。】
テミアの反応は冷静とう言うか、感情を抑えているのだろうか?表現が下手なのだろうか?テミアが家を出て行こうとした時にテミアは泣いていたが、何で涙が出て来るのか不思議がっていたし、強引では有るが仲間にした時も嬉しそうに見えたが、エルートとキャロが喜ぶのとはまた違って見えた。あの時の話し方も変だったしどういうことなのだろうか?今考えても仕方ない、もし何か思い出していて、言って来ないのなら何か理由が有るのだろう、今は無理に聞く気もない。
俺は族長の方を向き
【何とか出来る限りやってみます】




