第29話「初の仲間?」
第29話「初の仲間?」
移動魔法で家に戻った俺達はいつもの様に食事をしお風呂を済ませ寝る。テミアが一緒に寝る様になって次の日からはテミアに魔法を使わなくても寝れるようにはなったが、俺の隣でないと寝れないらしく、最近はテミアが隣に固定で反対側はエルートとキャロが毎夜交代で寝て、俺の隣に寝ない人がテミアの隣で寝て居る。
夜中目が覚めてトイレに行こうとすると、テミアの姿がない。エルート、キャロも寝て居る、トイレにでも行ってるのだろうかと思い俺もトイレに行く。
トイレに向かって行く途中玄関の開く音が聞こえ、敵が来たのかと思い用心しながら向かうとテミアが外に出ようとしていたので声をかける。
【散歩でも行くのか?】
テミアは黙って俯いているが、しばらくして顔を上げ潤んだ瞳でこちらを見て、頭を下げる。
【私が居ると皆様にご迷惑が掛かってしまいます。お世話になっておきながら黙って出て行こうとした事は大変失礼ですが。どうかお許しください。】
テミアは出て行こうとしてたのか。狙いはテミアであって俺達ではないのだから、迷惑をかけたくないと思うテミアらしい考えだな。でも内心は怖いのだろう震えているようにも見える。
【迷惑じゃないから気にしないでいいよ。このままここに居ればいい、明日にはテミアを知ってる人が見つかるかもしれないんだし。】
【ルイン様達がそぅおっしゃると思っていたので大変失礼ですが、黙って出て行こうと思ったのです。】
テミアは震える手を握りしめる。
【このまま1人で外に出てどこに行くんだ?何も覚えてないのだろう?それに昼間の奴が来たら殺されるかもしれないんだぞ!?】
テミアは俯き、しばらくして顔を上げ覚悟はしている様だった。
【今も何も思い出せませんし、行く当てもありません。そんな私の為に皆様を巻き込み、万が一の事が有れば私は・・・。】
テミアの瞳からは涙が頬を伝って流れる。テミアの気持ちは分からないでもない、逆の立場なら俺は迷わず1人で出て行くだろう。覚悟を決めているテミアに何を言っても無駄かもしれないが・・・。
震えながら泣いているテミアを抱きしめる。
【テミアを狙っている奴も俺達の事は知っている、テミアの居場所が分からなければ俺達を襲って来る可能性も高い、どっちにしても狙われるのならテミアが出て行く事はないだろう。だからここに居てテミアを守らせてくれ。テミアとした約束を破る嘘つきに俺をしないでくれ】
【私は・・・迷惑ばかり・・。】
テミアの震えは止まり、一緒にベットに戻った。出て行く事は思いとどまってくれたようだ。ベットに戻ったテミアはすぐには寝付けないよう様子だったので魔法で眠らせ俺も寝た。
翌朝。いつもの様に胸で目覚める、今日はエルートだ。隣に寝て居たのもエルートなので予想はしていた。顔を胸から離し挨拶をすると。エルートは顔を赤くしている。
【ご主人様・・。その・・足に・当たってます。】
飛び起きる、昨日トイレに行きたくて起きたのに行かなかったから、いつも以上に俺の息子が自己主張をしていた。急いでトイレに駆け込み、トイレを済ませてテーブルに着きキャロ、テミアに挨拶をする。
食事を終えて昨日着いたクルド国に、行きテミアの事を知っている人が居ないか尋ねてみるがやはり知っている人は居なかった。昼過ぎくらいになり一旦家に戻り食事を取る。
【テミアと2人で行きたい所が有るから2人は家で待っててくれ】
エルート、キャロは不満そうな顔だ。だけど2人は何も言わずに返事だけをした。
まさかテミアを知っている人は居ないと思うが、後クルドでテミアの事を聞いていないのは奴隷屋が有る所や治安の悪そうな所だけだ。2人を危険な所に連れて行くのも嫌だったし、最悪何か有ってもテミア1人なら何とか守れるだろうと判断したからだ。
食事を終えて、テミアと移動魔法でクルドに行き、治安の悪い場所ではテミアの事を狙ってくる奴も何か仕掛けて来る可能性も有るのでテミアに各防御魔法を掛け、警戒しながらテミアの事を知っている人は居ないか尋ねてまわった。ここでもやはりテミアを知る者は居ない。
最後に奴隷屋に行く。
【いらっしゃい。そのお嬢さんを売りに来たのですか?】
汚いオヤジが訪ねて来る。テミアも驚いた表情をするが、そんな事はしない。むしろこんな美少女俺の奴隷に加えたいくらいだ。
【いや、そうじゃない】
オヤジにテミアの事を知っているか尋ねるが知らない。オヤジは呪文を唱え、テミアの額に手をかざすがエルート達の様に額に古代文字のような文字は表れない。俺はホッとした。
【奴隷でもなく、記憶も無く、行く当てがないならいつでもうちが引き取りますので来てくださいね。】
気持ち悪い笑みを浮かべて居る。
【そんな事は絶対にないから期待するな】
俺はテミアを連れて奴隷屋から出て、街外れの農業をやっている地区だろうかその辺でテミアをの事を知っている人が居るか尋ねるがやはり誰も知らない。
日も傾きかけて農業地区の片隅で座って2人で休んだ。
テミアは俯き話を切りだす。
【もう何も思い出せないし、ここの街にも私を知ってる人は居ませんでした。これ以上は・・・。】
俺はテミアの肩に手をまわす
【急いで思い出さないでもいい、この街でテミアを知っている人が居なければ次の街に行けばいい。】
テミアは顔を上げこちらを向く。
【ですがそれでは。約束を守って頂けるのは嬉しいですが、私はルイン様の奴隷ではありませんし、ましてや家族でもありません。食事を頂いたり、寝る所を用意して頂いたり、守ってもらう理由が有りません。】
【約束は守る、俺達は旅をしている、それはテミアの事が有ろうが、無かろうが変わらないよ。それに可愛い子が困っていたら俺は助ける。】
【それでは・・・。】
【なら俺の仲間にならないか?】
テミアは驚いていた。




