第2話 「異世界での名前」
第2話 「異世界での名前」
目の前には綺麗な湖、周りは野原、遠くの方には山々大自然に囲まれている感じだ。
色々な事が突然に起こりすぎて目の前の湖に行って顔でも洗おう。湖の水は透き通ってとても綺麗で中には魚らしきものが泳いでいるのも確認できた。
喉も乾いていたので飲んでみる事にした。腹を壊す事があっても死には死にはしないだろう。
そう言えば転生と言っていたのに俺はこのままここに存在してるなぁ。
そんな事を考えながら水を飲もうと水面に手を伸ばす。そこには見た事もない姿があった。
驚き後ろに尻もちを着いた。誰だ!恐る恐るもう一度水面を覗いてみる。やはり知らない顔が映っている、自分、俺なのか混乱しそうになりながらも手で顔を触って確認してみるとやはり自分だった。
ハッキリとは見えないが見た目は悪くはないと思う、でも歳が若すぎる気がするパット見15~16歳くらいに見える。若返ったのか?でも過去の自分とは全く似てない。
まさか転生とは聞いていたが赤ちゃんすっ飛ばしていきなり青年なのか?考えても分からないので水を飲み、顔を洗う。
水を飲み自分の持ち物、服装も確認してみる。全裸じゃないだけよかった。服はよくアニメに登場するような冒険者っぽい服装に腰に袋、武器は無しこの世界には魔物みたいな存在はないのだろうか?
周りを見渡したが村や町は見えなかった。遠くの空に煙が上がってるのが見えてそちらの方向に行ってみる事にした。
野原を歩いているとウサギのような動物が目の前に現れた。ウサギくらいの大きさで見た目は似ているが爪は鋭く口から牙まである。これはまずいかなぁ~なんて思っているとやっぱり襲い掛かって来る。
武器は持っていないし逃げ回るしかなかった。そうこうしているうちにまた1匹、また1匹ウサギみたいのが出て来て一緒に体当たりして襲って来る。逃げるので精一杯、ドッチボールで最後の俺一人を何人かで当てに来る感じで当たったらアウトではすまない。怪我最悪死ぬ事だってあるかもしれない。このままでは遅かれ早かれそうなる。
どうにかしようと武器を探す、野原に武器になりそうな物は無い!武器、武器と必死に探しているとお爺さんと握手した方の手が光だし剣が現れた。管理者の力なのか?分からないがこのウサギみたいのを倒すのが先だと思いウサギに反撃開始!剣を使った事もなければ剣道すらも未経験な俺には剣で倒すには大変だった。
相手の攻撃は複数なので当たりそうにはなるるが単調な攻撃なので避けるのにも慣れてきていた。剣を振るうが理想道理の動きや切りが出来ない、実際やると思っている以上に大変だよね。
何とかウサギ?を倒すと光が拡散していくようにウサギの姿は消えていき丸い銅銀貨のような物が残った。この世界の通貨だろうか?
他のウサギみたいなのも同じように消え銅銀貨が残っている。拾って腰につけてあった袋に入れておく。出したのはいいが剣には鞘がないこのまま持ち歩く訳にもいかない。さっきは強く念じる感じで剣を出せたので同じような事をすればすればどうにかなるんじゃないだろうかと思い念じてみる。
剣よネックレスになれ!思った通りに剣はネックレスになって俺の首にかかっている。面倒くさがりの俺は基本手ぶら、腰に剣なんて持ったら歩きにくいし、重そうだし。ダメな人間だ・・。
何度か戦闘を繰り返し剣の扱いにも多少慣れてきた頃、煙の上がっていた所の近くにたどり着くと遠目に村らしきものが見えるただその煙は料理や仕事で出ていたものではないようだ。
周囲に気を配りながら近ずく、何が起こっているのか。近くに行き木々の間から様子を窺っているとどうやら盗賊らしき奴らがこの村を襲っている。
村の男達らしき人が戦ってはいるが盗賊達の剣さばきによって切られていく。その間にも女、子供が他の盗賊達によって一か所に集められていく。
盗賊は10人くらい居るのでないだろうか?村の男達は抵抗をしているが村があまり大きくはないので男でも少ないようで壊滅させられるのも時間の問題の様に思えた。
助けに入りたいが剣も満足に振るえない俺が行った所で状況は変わらないだろ。まして管理者になって初イベントとも思える事で死んでしまったら管理者になった意味がないのではないか。ダメな俺には助けに行かない理由ばかり探していた。
そんな時一か所に集められて居る一人の美少女と目が合ってしまった。このまま逃げたら一生この子に恨まれるんだろうなぁ。
恐怖もあった。ここで逃げるようならこの先何か遭っても逃げてしまう。以前の俺と何も変わらず嫌な事、面倒事から目をそらし結局何もしないまま、できないままに時間だけが過ぎてしまう。後からこうしていれば、あーしておけば何て後悔ばかりだった。転生してまで同じ事を繰り返すのか。今度こそは後悔はしたくなかった。管理者だしなぁ!何かが吹っ切れていた。
剣を手に持ちゆっくりと気が付かれないように近ずき奇襲をかけ3人の盗賊を倒した。
他の盗賊がそれに気がつき笛なようなものを
【ピィィーーィ】鳴らし
家の中で物色していた盗賊、家に火をつけていた盗賊、女と子供を見張っていた盗賊が駆け付ける他の盗賊はまだ村の男達と戦っているのか来たのは4人囲まれた。
これはさすがに死んだかなって思っていると盗賊達が切りかかって来る。でも盗賊達の動きが遅い。スローモーションとまではいかないが余裕でかわせる。1人倒し、2人倒し余裕で倒していた。
後は正面に1人と背後に1人、後ろの奴とは少し距離が有る。背後に居てちょろちょろされるのも厄介だしうっとうしかったのでわざと前の盗賊と剣をせりあわせ後ろの奴が近くに来て攻撃してくるように誘導した。作戦どうり後ろの盗賊が切りかかって来る。
【危ない!】
あの目の合った美少女が俺を助けようと間に入った。このままでは美少女が確実に切られてしまう。
前の盗賊を蹴飛ばしすぐに少女をかばった。背中を切られたが美少女を抱え振り向きざまに盗賊を切る。前に居た盗賊は蹴られたひょうしに尻もちを着いて倒れていたので剣を投げとどめを刺す。
結構深く切られたなぁ。こりゃダメかなぁ・・息するのもちょっと辛いわ。
美少女は涙目になって今にも涙を零してしまいそうだ。
【大丈夫だからね。せっかくの可愛い顔が台無しだよ。】
力を振り絞って声に出すと。意識が薄れていく・・
目が覚めると満面の笑顔をしてくるのはあの美少女だった。村の皆で俺を運び美少女が看病してくれていた。
【大丈夫ですか?】
切られて死にそうになって大丈夫な訳がないが不思議とどこも痛くはない。
【大丈夫だよ。助けてくれてありがとう】
彼女が来なければ怪我もせずに済んだのだがそれは言う必要も無い。彼女は俺を助けようとしてくれたのだから悪気があったわけでもないし。
起き上がると本当に切られたのか?と思ってしまうほどなんの痛みも感じなかった。
【寝ていて下さい。さっきまで瀕死の状態でしたから】
もしかして魔法で治したのか!?この世界にも魔法が有るのか!!嬉しさと楽しみが込み上げてきた。
【魔法で治してくれたのか?】
【いいえ。私達が使える魔法では治せる怪我ではありませんでした。】
何ぃ!なら俺はどうやって?。
【あなた様のお力で傷が癒え。私はここまで運んで来ただけにすぎません。】
そんな能力が俺には有るんだろうか?管理者だからだろうか?検証したいが痛いのは嫌だし。そのうち分かるかなぁ。分からない事をいくら考えても答えが出ない。面倒くさがりな性格もあって今は気にしない事にした。日差しは傾いてきていてる俺はそんなに気を失ってはいなかったのだろうか。
【私はエルフ族のエルートと申します】
家の隙間から入る日差しに当たり綺麗な金髪、肌も白く張りがありそう。耳が尖がっているしエルフ族っぽい。細身ながらも胸はそれなりにあり、スタイルは抜群だ!
【俺は・・・ルイン】
本名を言うのはやめた。転生しているんだし新しい名前にして過去の自分とは違う自分になる、再出発にしようと思った。ルインって名前に何か意味やこだわりは無い。ただ思いついたのがそれだった。
【ルイン様助けて頂きありがとうございました。今日はもう日も暮れますので休んでいって下さい。
私は族長に報告して参ります。】
【ありがとう。今日はここで休ませてもらうよ。】
部屋から出ていくエルート。俺は立ち上がり背中を見て見る肩から腰くらいにかけて服が切られている、間からは包帯のような物が巻いてあるのが見える。傷は見えないが痛みは無い。




