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戦争代理人

2023年、世界各地ではびこる紛争、内戦、犯罪、汚職などが頻繁に起こる世の中では「戦争のない平和な世界にしましょう」だとか「いじめのない日常にしましょう」「愛で染まった世界にしましょう」なんて口でたくさんいうだけタダと言っていいほど綺麗事に思えるぐらい狂ってるところがあるといえる。戦争のない世界なんて実現できない。だからこそ傭兵、戦争ゲーム、サバゲー、軍事物は最も需要のある一つのものである。特に傭兵関連だとPMC(プライベート・ミリタリー・コーポレーション)と言われる民間軍事会社が取り上げられている。そして紛争当事国が自国の国の軍隊を送りたくない場合に傭兵を使う。それを戦争代理という。傭兵なんて言葉は平和な日本、女に囲まれ花も咲いて水も澄んだ世界ではなかなか聞かないし特殊な存在だ。

自衛隊から改変された日本国防隊に7年近く在籍していた男、蛙山託楼。蛙山はネットで「傭兵に加わるには」と検索して戦場行きを覚悟していた。フェイスブックにのようなコミュニケーションアプリで軍事関連の人に友達申請したりそっち系の人に申請して義勇兵や傭兵に加われる場所を探し回っていた。そんな時、軍事マニアに激戦区に行って義勇兵か解放前線が良いのではないかと勧められた。蛙山はあっさりとこれだという表情を見せ、中央ヨーロッパと中東付近の激戦区に行くことを決めたのだった。

良い年して傭兵だなんて厨二秒だなんて誰しも思うことだろう。しかし蛙山は有言実行に行動を起こした。

海外渡航するための手続きを終え中東に向かうための飛行機に乗ったのであった。何時間もかけて移動した先は民兵や傭兵が集まっている某国の旧空軍基地跡だった。蛙山が行こうとしてるのは童話に出るような綺麗に住んだ国キリギシタン公国だった。川は綺麗で珍しい新種の動物が数多く発見され神秘さを秘めた場所だった。旅行で来る人も珍しくはない。しかし国家は言動の自由と情報統制といった方針を固め、国家を批判するものは秘密警察に弾圧され、不治の病にかかったものは汚物は処理という形で殺処分されるという恐ろしい独裁国家だった。不治の病というのはHIVのことだった。そしてその他、知的障害のある人々も殺処分されているのであった。そこにはそんな政府の残酷さに立ち向かうべく革命軍達が抵抗活動をしていた。

蛙山がいる滑走路に停止している大型のヘリの姿があった。そこには砂漠色のカーゴパンツに黒いTシャツを着たガッツのあるアメリカ人の男、中国軍が採用しているデジタル迷彩のカーゴパンツにタンクトップを着た中国人の青年、伸びた不潔な髪を後ろに結んだ韓流スター風なワイルドな顔つきかつ袖無しのカーキのミリタリー服にタイガーストライプと呼ばれるトラ柄に近い迷彩ズボンを履いた朝鮮人、ドイツ軍の斑点模様の迷彩服を着たドイツの男が立っていた。

「おい、そこのジャップ、あんたもキリギシタン公国の残虐な獣達を狩りに行くのかい?」

片言の日本語でドイツ人の男が行った。

「はい。そうです。戦いにきました。」

蛙山はドイツ人に日本語で返した。

「何でここに来たんだい?戦争ゲームとは違うぜ。撃たれれば1発でドロンてわけさ。」

ドイツ人が小馬鹿にして蛙山の顔を見て言った。

「自分は理不尽で裏の多い国防隊を辞めて来たのです。わがままで甘ったるい自分ですがせめて生きた証が欲しいです。平和な世界とはいえ戦争の世界に行ってみることしか行く場所はありません。」

蛙山は真剣な顔で言った。

傭兵風のアメリカ人は大丈夫かいなと言いたそうな顔つきで蛙山を見た。

「これは使えるか?」

朝鮮人の男はAK74と呼ばれる旧ソ連製のアサルトライフルとハンドガンM92Fを手渡した。

AKは撃ってみるも使い方はネットで調べたり電動ガンで覚えてたから苦労はなかった。それに弾は5・45ミリ弾で反動は少しあった。

AKは共産圏が採用しているベストセラー銃でアメリカ軍がベトナム戦争で使用していたM16とは違い長期間手入れしなくても使え扱いも覚えやすいことで知られていた。ベトコン兵も愛用するものが多かった。

「特殊部隊にいたのですか?」

蛙山は朝鮮人の男に言った。

「俺は22で兵役を終えた跡、韓国を出た。そして今、こうしている。」

朝鮮人の男はにやりと笑って答えた。

ヘリの操縦士が「今からキリギシタン公国に潜入するぞ」とみんなに叫んだ。

「今から残虐な権力に立ち向かうんだ。ションベンちびって逃げるんではないぞ。」

中国人の男が笑いながら言った。

「俺たちは雇われの傭兵さ。万が一捕まっても命の保証はない。ジュネーブ条約だのハーグ条約だのでそうなってるからな。」

ドイツ人が蛙山に言った。

ヘリはキリギシタンの国境付近に傭兵達を下ろした。もちろん国境警備隊には見つかってはいない。なぜならばヘリはステルス製に改造されローターがうるさくないように改造されてるからだった。

傭兵達は銃とリュックサックを持って綺麗な草原を歩いて行った。川のほとりに仲間の連絡員が待ち構えていた。

「こっちへ来い」

傭兵達に指示を出して革命軍のアジトに向かった。革命軍のアジトは山に囲まれた廃墟だった。そこには指揮官の男が現れた。

「あんたらが我が革命軍に協力しに来てくれたのだな。ありがたい。」

指揮官の男は嬉しそうだった。周りには私服を着て

AKアサルトライフルや古いカービン銃や猟銃など持っているレジスタンス達が大勢いた。中には上下に迷彩服もいた。


キリギシタン公国 首都ズオウ

市街地は高層ビルやマンションなどが多くそびえ立っていた。町中、MP5サブマシンガンで武装した警察官が巡回しており、思想犯や政治犯等を取り締まっていた。

中には壁に並ばされて手錠をかけられた後に軍用トラックに詰め込まれる者もいた。


革命軍 アジト

指揮官の男は傭兵達に依頼内容を話した。

「我が軍と共に捕らえられている仲間達を救出してほしい。」

その要件をみんな承認した。

いわば救出作戦だ。下手に攻撃しても仲間を死に追いやることになる。忍びで攻略するしかない。

サイレンサー付きのスナイパーライフルや自動小銃、ハンドガン、サブマシンガンを用意して出撃の準備に取り掛かった。決行は夜。

革命軍の斥候班は収容所までの経路と帰来地点を把握した。そして警備兵の数も掌握。

蛙山はサイレンサー付きの自動小銃を持って出撃用のジープに乗り込んだ。その次にスナイパーライフルを持った朝鮮人とクナイで武装した中国人、サブマシンガンを持ったアメリカ人とドイツ人が乗り込んだ。

収容所の近くに来ると革命軍の戦闘員が双眼鏡で物見櫓を見る。1人、歩哨が立って下にも歩哨が1人立っている。ドイツ人の傭兵が匍匐で近づき朝鮮人傭兵がスナイパーライフルで櫓にいる歩哨の兵士の頭部を狙撃してドイツ人傭兵がサイレンサー付きサブマシンガンで櫓の下にいる兵士の身体に何発か撃ち込んで制圧した。

「死体を隠せ。」

後に続いた中国人傭兵がドイツ人と朝鮮人に指示をした。

合流した革命軍兵士とともに草が生い茂った場所に隠した。革命軍兵士は死体から武器と弾薬、装備品を全て剝ぎ取った。櫓にある警報機のスイッチと装置をアメリカ人傭兵が45口径ハンドガンで破壊した。

タバコ吸いながらぼっとしてる巡回兵を中国人傭兵がクナイで喉を掻っ切って息の根を止める。それぞれの場所に分散して捕らえられている仲間のいる場所を目指していた。収容所は大して規模が大きくないのか警備が大したことないように思える。ほとんどAK74自動小銃に拳銃程度だった。服装は青い制服に制帽だった。肩には赤い階級章が付いていた。

蛙山はサイレンサー付きハンドガンで見回りに来た看守の顔を狙い撃ちした。相手を女や子供に蛮行をする悪魔だと思って銃弾を見舞いした。なんかアクションゲームをしている感覚に思えた。辺りがスローモーションに切り替わったような思いがよぎった。看守の顔からは血が噴き出し後ろへ倒れた。初めて人を殺したことに罪悪感と惨酷さを感じたがためらっていたらこっちが殺される。看守を見つけ次第、銃弾を見舞いして倒していった。



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