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SS_オリハルコンの指輪

仕事は忙しいですが、“フレックス制”は素晴らしいと思います(≡ω)b

朝のはっきりしない頭で書いた話も修正ができますので。


今後は、朝に書いた話は、最低でも半日は置いてから更新したいと思います……otz

=三青の視点=

婚約(プロポーズ用の)指輪と言えば、給料の3ヶ月分という話をよく聞く。

事実、過去の同僚はどこか誇らしげな顔で自慢していたし、婚活サイトでもまことしやかに語られている。


でも実際に買う時は数十万円しようが、売るとなると5分の1以下になるのだろうなと考えてしまう僕は、どこか貧乏人的思考なのかもしれない。

とはいえ僕の場合は嫁さんが、シクラ、グスター、ラズベリ、イベリス、ディル、レモンと6人もいるから、真面目にお給料の18ヶ月分が飛ぶことになる。


そう考えると少し怖い。

でも、実質今日までの収入(・・・・)で換算すると物理的に18ヶ月分を用意するのは無理だから、婚約指輪は手持ちの素材で“自作する”ことに決めた。


そう、水神から回収した金銀財宝が、僕の無限収納には大量に入っているのだ。(これの18か月分とか言われても、正直、用意するのは無理だろう)

でも、水神から回収した金銀財宝の中には、数え切れないほどの白金貨や各種宝石&魔石、ヒヒイロカネやオリハルコンといった希少金属が含まれている。

魔法で貴金属の加工が出来ることは知っているし、その魔法は簡単にアレンジ出来そう。それに加えて、せっかく希少な金属が手元に潤沢にあるのだから、既存の白金(プラチナ)の指輪を買うという選択肢は無くなる。いや、むしろハンドメイドにしないともったいない。


それとなくお城のメイドさんや騎士、そして事情を知る官僚の貴族の人達にヒアリングをしてみた時にも、指輪にランクがあるらしく「銀→金(中級貴族から下)→白金(王族や上位貴族や大商人)→オリハルコン(過去の皇位継承者で数名しか歴史上で登場しない。もちろん国宝)」と相場が決まっていると言っていた。

中でも白金やオリハルコンを使った指輪は魔法の発動がスムーズになったり、威力が倍増したり、付けた魔石の属性効果を高めたりするなど、身を守る意味でも実用的だと教えてくれた。

重要だから、2回目の言葉を、自分に言い聞かせる。


ハンドメイドにしないともったいない。


……うん、ヒアリングした相手は、みんな嬉しそうな顔でニコニコしていたけれど――まるで微笑ましい子猫を見るような視線を送られてしまったけれど――気にしないことにしよう。

頑張るんだ、僕。


 ◇


グスターから無限収納(ストレージ)経由で写本させてもらった魔法書を検索する。

キーワードで絞り込むと、各種宝石や魔石の相性や、オリハルコン&ヒヒイロカネの加工方法、それぞれを指輪にした際のステータス補正効果が書かれている本が出てきた。


その本によると、金属や宝石の加工自体は魔法で出来るみたいだ。

けれど、ある程度以上の緻密な細工を加えようとしたら、莫大な値のINT(賢さ)とMPを要求されるらしい。日本(元の世界)では機械で加工するような複雑な処理を、魔法では術者が頭の中でイメージしないといけないからだ。


とはいえ、レベル1026に上がった今の僕ならどちらも問題ない。

製作時間は短いかもしれないけれど、これでもかというくらいMPを注ぎ込んで、満足がいく品を作りたいと思っている。

ちなみに、ドワーフの熟練職人は要求されるINT(賢さ)とMP消費を“経験”と“技”でねじ伏せるらしい。熟練職人は、どこの世界でも半端無いなと正直思う。


そんなことを考えながら、みんなに送る指輪のデザインや宝石について考えていく。

古臭いデザインを抜きにしたら、魔法書に理想的な金属の配合比率や魔石の効果が細かく書かれているから、読むだけでイメージすることが出来る。


「あ、オリハルコンに隕石鉄を1%混ぜると、防御貫通と麻痺耐性が付与できるんだな……」

小さな発見に思わず笑顔になっていた。さらにオリハルコンに隕石鉄を混ぜるだけじゃ無くて、ヒヒイロカネを合金にして使うことで追加効果が増えることも美味しい。

こうして出来る合金は、質量を増やせばそれだけ効果も高いみたいだけれど、ゴツイ指輪は趣味じゃない。とりあえず、台座にするのは試験的に5g(一番おいしい数値)で止めておこうと思う。


次に考えるのは魔石や宝石。

魔石というのは何かしらの魔法的な効果を持った石のことを指し、一般的に宝石よりも高価だとされている。ぱっと見では区別がつかないけれど、鑑定スキル持ちや専門の宝石鑑定士なら見間違えることは無いらしい。


効果を考えるなら、大きな魔石を使えば良いのだろうけれど――僕のこだわりとしては、指輪に付ける魔石や宝石は、みんなの髪や瞳の色と揃えたい。

シクラは水色のアクアブルー&ウォーターダイヤ、ラズベリは紫色のアメジスト&パープルダイヤ、グスターは――


みんなの喜んでくれる顔を思い浮かべると、何だか胸が温かくなった。

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