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第71話_僕らの絆

=シクラの視点=


グスターさんの正体は、おとぎ話の中に出てくる魔神_スプリン・グ・スター・フラワー。

800年の時をかけて北大陸と中央大陸と南大陸の多様な種族と国々を1つにまとめ、200年前に「神々を統べる神」に刃を向けた大罪人。


……今のグスターさんを見ていると、とても信じることは出来ないけれど――聡明な(・・・)彼女は良き統治者であったと言われる。差別を許さず、能力主義を取り入れ、教育を進め――「人生は、スタートした瞬間から不平等だけれど、才能や努力や運や金といった『自分の武器』を見つけられたら、多少は覆すことが出来る」という名言を残した偉人。


そんな過去のグスターさんが、神々を統べる神に刃を向けたのは「平和な世界をつくるため」だったと言われている。今よりもずっと種族間の対立が激しかった、群雄割拠の大戦乱の時代。血で血を洗う壮絶な時代。この世は文字通り地獄だったらしい。


でも、グスターさんは「神の加護という名の下に、国の後ろに立って争いを繰り返している神々こそが諸悪の根源だ」「我々は、神々の代理戦争をさせられていることに、気付かなければならない!!」と高らかに宣言し、人々の目を覚ました――と、おとぎ話では語られている。


当時のグスターさんは、レベル800。

追従を許さない神速のスピードと攻撃力で、数々の国とその後ろにいる神を倒し、高いカリスマ性をもって相手を配下に加え、従えていた戦士は数百万どころか数千万に及ぶと伝えられている。

ひょっとしたら、このまま世界を統一して、平和な世の中が訪れるかもしれない――誰もがそう感じていた。

でも、その「大きな夢」は、殺戮の女神の奇襲で終わりを告げる。


 ◇


……おとぎ話の通りなら、私達に勝ち目はない。

全盛期のグスターさんや、その配下を倒すような相手なのだから。

でも、諦める選択肢なんて絶対に無い。


頭の中で作戦を考え続ける。

すぐに良い案は思い浮かばない。でも、焦っちゃダメ。

だけど、急がなきゃダメ。


とりあえず、2体の殺戮の女神ごと、ディルさんと戦った草原へ瞬間移動で移動しよう。

王城で戦うのは被害が増えるだけだし、こっちも全力が出せないから。

「グスターさん、戦場を変えます。王城の外の草原へ!!」

「了解だ!」


=グスターの視点=


ご主人様のHPは-1000。

ご主人様が目を醒ますまで、あと1分と40秒は必要。

ご主人様が目を醒ませば、多分、何とかしてくれる。


でも、その間、グスターはみんなを守ることができるのか?

瞬間移動は残り0回。全ステータスは半分になって、正直、殺戮の女神に勝てるとは――いや、勝たなくていい。守れればいい。みんなを守れれば、それでいい。


……だから、ご主人様。グスターに勇気を分けてくれ。


=シクラの視点=


グスターさんの瞬間移動で、王城の外の草原へ移動できた。

周囲を見回すと、まさしくディルさんと戦ったその場所だった。荒れた地面が足元に広がっている。


この場にいるのは、私、グスターさん、イベリスさんとディルさん、レモンさん、リアトリスさん、ヴィランさん、お母さま、そして意識を失ったままのミオさま。ミオさまの隣には、レモンさんとお母さまが付き添ってくれている。


「ディル! リアトリス! ヴィラン! アイツらを止めるぞ」

グスターさんの声に、ディルさんとリアトリスさんが反応した。

「言われなくても分かっているわ」

「ご指名とあれば仕方が無いですね」

「……(右に同じく)」

短縮詠唱で魔法障壁を張るグスターさん。

ディルさんとヴィランさんも魔法障壁を重ね掛けして、リアトリスさんはレベルを倍増する危険な秘薬を口にする。

「ご主人様が起きれば、多分、何とかしてくれる。だから、この場はみんなでしのぐぞ!」

「そうね」「はい!」「……(もち)」

「あいつらはめちゃくちゃ素早い。近接戦闘は切り刻まれるだけだから、遠距離から攻撃するぞ!! ――本気の星屑落下アーネスト・スター・フォール!!」

グスターさんの詠唱で青空に赤い点、白い点、黄色い点が現れる。


「牛頭、コイツら任せて良いかしら? 私は王都を適当に壊してくるからさ?」

「馬頭~、りょうか――「待てっ! 馬顔(うまがお)っ! お前たちはグスターが潰す!!」」

牛頭の言葉遮って、グスターさんが馬頭を挑発した。

「う、うまがぉ……」

「あ~、駄犬天使が言っちゃいけないこと、言っちゃった♪」

「牛頭、気が変わったわ。コイツラ、ワタシガコロス!」

周囲の空気の温度が下がる。怖い。でも、負けないっ!!

残りあと80秒。

燃える隕石の群れが、轟音を響かせながら空を割って、降って来た。


=ラズベリの視点=


グスターちゃんの隕石が、牛頭と馬頭の足を止めています。

わたくしもそろそろ、動き出しますか。

「レモンさん、ミオさんのことを頼みます」

「はい。打ち合わせした通り、HPが0に戻った瞬間に、全力で回復魔法をかけます。任せて下さい」

「ええ、お願いします。リアトリス様! ヴィラン様! アレをお願いします」

わたくしの呼びかけに、2人が首を縦に振ります。


軽く深呼吸をしてから、氷地獄ノ業火ホワイト・ブリムストーンの詠唱を開始します。

「――世界の中で呼吸する、氷の神霊へと我は告げる――」

3人でタイミングを合わせるのが少し難しいのですけれど、ディルさんを相手にしたときに発動を成功させたから大丈夫です。聖女騎士団で教えられた詠唱は、一字一句、リズムやスピードも合わせて、わたくしの身体に叩き込まれていますから。


そんなことを考えている間にも詠唱は順調に進んで、後半に入ります。

「――氷ノ牢獄に敵を閉じ込め、無慈悲な刃を突き立て――」


「ねぇねぇ~、氷地獄ノ業火が来るみたいだよ?」

わたくし達の詠唱に気付いた牛頭。

「無駄なのに。頑張るわね♪」

「本当だよ♪」


その余裕の表情、後悔させてあげます!!

「――魔力を解放せよ――氷地獄ノ業火!!」


=ディルの視点=


こいつら、何なのよ?

妾の宿敵(グスター)の星屑落下を片手で張った障壁で受け止めながら、3重掛けされた氷地獄ノ業火の中で笑っている。

『ディルさん、向かって10時方向、防御結界を緊急展開して下さい!』

頭の中でイベリスの声が響く。未来予知スキルを使って、戦闘をサポートしてくれているのだ。


「滅びの障壁!」

みんなを守るように障壁を張った瞬間、瞬動で近付いて来た牛頭が障壁に弾かれる。

「っちっ! なんで~、僕のスピードについてこられるのかな?」

『ディルさん、5時方向です!』

「ぐはっ!」

牛頭が再び障壁に弾かれる。無様ね。


「牛頭、何を遊んでいるの? ちゃちゃっと殺しなさい!」

「いやいや、結構真面目だよ? この障壁~、地味にダメージ付与効果があるんだ」

「そんなの関係ないわ。私に変わりなさい――聖獄ノ神雷」

ふふん、妾の障壁の前では無駄よ。弾いてみせ――

「「「きゃぁっ!!」」」「「「ぐっ!!」」」「……がはっ!」


「な、なんで……妾の障壁が抜けられるの……?」

「勘違いしないでね? 私はちょっと本気を出しただけ。単純に、あなた達が弱いだけよ?」

馬頭が勝ち誇るように笑う。

「くっ!」

全身が痺れて力が入らない。

とりあえず、みんな生きてはいるけれど、シクラとレモンのHPがヤバい。もう一度、この攻撃を喰らったら死んでしまう。


「イベリス、未来を早く見て!!」

『ダメっ! 探しているけれど、助かる未来が――』

見えないの? 残りあと40秒なのに。

たった40秒でミオが意識を取り戻すのに――視線をミオに向けた瞬間、全身の力が抜けた。


立っていられない。

そのまま膝が崩れて、地面に横たわってしまった。

立ち上がれない。


さっきの魔法でダメージを受けたミオのHPが、-7400になっていた。


=イベリスの視点=


目の前に広がる未来は、みんなが死んでしまう未来ばかり。

ただの1つも全滅を回避できる未来は無い。


でも、我は気付いてしまった。

小さな犠牲でみんなを助ける方法を。

だから、笑顔で言える。


――ミオさん、あなたと出会えて、幸せでした。


=ディルの視点=


『ディルさん、立ち上がって下さい』

……無理だ。もう、立ち上がれない。妾達が敵う相手じゃ――

『子どもが待っていますよ?』

「ぅっ!?」

そうだった。そうだよな。

子ども達のことを忘れるなんて、どうかしていた。


「おかーさんが……頑張らなきゃ、子ども達に笑われるな!」

『はい。なので――ディルさんとは、ここでお別れです。今までありがとうございました』

え? どういう意味だ?

一瞬分からなかったけれど、全身に走る痛みから、イベリスが何をしようとしているのかすぐに理解できた。


「ちょっ! イベリス止めろッ!!」

「ディルさん、どうしたんですか!?」

「シクラ、お前からも言ってくれ! イベリスが、無理やり妾を身体から追い出そうとしている。このままじゃ――拒絶反応でイベリスが死ぬっ!!」

『ディルさん、覚醒した本来のディルさんの力なら、殺戮の女神を倒すことが出来るはずです。みんなを守ることができるはずです。だから――後はお願いします!!』


「イベリス! ダメだ! 妾はそんなこと、許さないっ! 皇帝に成るんじゃなかったのか? ミオと結婚していっぱい愛してもらうんじゃなかったのか!? 一緒に『おかーさん』になるって誓ったじゃないかっ!!」

『……正直、寂しいですが、これしか方法が無いんです』

「イベリス!?」

『ディルさん、時間が無いです! みんなを、よろしくお願いします!!』

「――っ」「「「ダメです!」」」「ダメだ!」「ダメです」「……(ダメ)」

妻仲間全員とリアトリス&ヴィランの声が重なる。

『あははっ♪ おかげで、笑顔で逝けます――あぁぁぁあぁっ!!』


全身を引き裂かれるような強烈な痛み。そして、傷口から溢れるように生み出される妾の妖力。懐かしい、そしてどこか悲しい、妾の妖力。

カウントダウンは、残り700秒。イベリスが完全に分離するのは、あと5秒。

涙を流すのは、まだ早い。

ニヤニヤと、余裕の表情でこっちを見ている牛頭と馬頭には地獄を見せてやる。生まれたことを後悔させてやる。妾達を怒らせたことを、踏みにじったことを――許す理由はどこにも無いッ!!


そう思った瞬間、馬頭に急激な魔力の収束が見えた。

そして発動。


え? ここまで来たのに、このままじゃ、分離が間に合わないっ!!


思わず目を閉じてしまった。

「――って、あれ? ダメージが――こない?」『ぶ、分離が出来ない?』

イベリスの驚いたような声で感じる。全身に走っていた痛みと妖力の流出が無くなっていて、イベリスと完全同化している状態に再び戻っていることを。


戸惑いながら、ゆっくりと目を開ける。

黄金色に輝く魔法障壁が、妾達を囲うように展開されていた。

この障壁は見覚えがある。ミオだ。

「ミオっ! 意識を取り戻したのね!!」

良かった。イベリスが消えてしまう前に、ミオの意識が戻って。


振り返ると、ミオが立ち上がっていた。すぐに瞬動で、ミオは、みんなの前に出る。

でも、ソレに気が付いた瞬間、妾の全身から血の気が引いた。

「ミオさまっ!?」「ご主人様、ダメだッ!!」

異常事態に気が付いているのは、妾と、神から授けられし鑑定眼を持つシクラと、魔眼を持つグスターのみ。


ミオのHPはまだマイナス。HPが-6800なのだ。

ミオは、無意識の状態で立ち上がっている? まさか? でも――こんな状態で戦えるはずが無い!!


ステータスを見て、そのことに気付いたのだろう。

牛頭と馬頭が、驚いたような表情を浮かべた後、嘲笑うように口元を歪める。

「さすがは寄生虫だな~。でも、切り刻まれても生きていけるかな?」

目にも止まらない速さでミオさんに切りつけた牛頭の刃。それは、虹色の障壁で弾かれていた。

「くっ、は! 固いな~。でも本気を出させてもらおうか」


「控えよ」

ぽつりと聞こえたミオの声。

直後、周囲の空気の温度がマイナスまで下がる。これは、まるでレモンの威圧する波動(オーラ)。いや、比較するのもおこがましいほどの、圧倒的なプレッシャー。

「くはっ」「かはっ!」

ミオの視線を直接受けた牛頭と馬頭が、怯えたように身体を震わせ、距離をとる。


そしてソレ(・・)はやって来た。

「「「ひぅっ!」」」「ごっ、ご主人様!?」「ぅくっ!?」「「コレは――」」

みんなの驚愕の声が重なって聞こえたけれど、それどころじゃない。

びくびくびくっ! と全身が痙攣して止まらない。一瞬、妾の知らない状態異常の魔法を掛けられたのかと思った。でも、違う。ミオが魔力を解放しただけだった。


圧倒的で、暴虐無人で、全身が溶けそうになる熱を持った魔力の奔流。

それに触れてしまったことで、電撃の魔法を受けた時みたいに、身体が反応したのだと気が付いた。

「大丈夫ですよ」

「ミオさんの魔力ですから」

優しい声に振り返ると、火照った顔でシクラとラズベリが笑っていた。

「「――受け入れれば、楽になります♪」」


受け入れれば、楽になるって言われても――そこまで考えて、魔力の中にある「あったかいモノ」を見つけた妾がいた。あ、これは、これなら、身を任せることが出来る。

うん、ミオの魔力だと思ったら、不思議と怖くなくなった。


「星屑落下」

ミオの声が、伝達の魔法経由で聞こえてくる。

直後、空が赤く染まり、数十個の隕石が落ちて――来ないッ!?

隕石は落下途中で「黄金色の転移魔法陣」に吸い込まれた。


転移魔法陣の出口は――牛頭と馬頭の目前。そして、猛烈なスピードで地面と平行に撃ち出される隕石群。障壁ごと、濁流の中の木の葉のように、蹂躙される2体の天使。

それを呆然と見ていると、ミオの短縮詠唱が耳に聞こえた。


相利共生(ミューチュアリズム)

全員が淡い光に包まれる。

このエフェクト、何かの回復魔法だけれど――っ!? ミオを除く全員のHP、LP、MP、そしてグスターの半減していたステータスが全快していた。


風に乗って声が聞こえてくる。

「くそっ、これが異世界の勇者の力なの!?」

馬頭の咆哮に、牛頭も臨戦態勢を崩さない。

「聞いていないぞ!? 寄生虫のくせにっ!!」


――そして、ゆっくりと、ミオの瞳に光が戻った。


=三青の視点=


「「ぅおおおおっ!!」」

獰猛な獣のような叫び声。思わずというか脊髄反射で大剣と金棒をかわしていた。

自分の置かれた状況は把握している。リリーさんに刺されて、遠のく意識の中、牛頭と馬頭と名乗る殺戮の女神が現れて、そしてみんなが襲われて……うん、牛頭と馬頭は完全に敵だ。


僕の今のHPは100。多分、一撃どころか、攻撃がかするだけでもアウト。

だけどMPは満タン。素早さは僕の方が上。

コレはもう、アレしかないでしょう。


無限収納から、魔法銃(グレネードランチャー)を取り出す。

右手と左手に1丁ずつ。

「はっ、ミスリルの弾なんて怖くな――にっ!?」

そう、驚いている馬頭には悪いけれど、コレ、ミスリルじゃないんです。

隕石鉄を使った魔力炸裂型大口径弾頭(とびっきり)。込める魔力はもちろんMAX。さぁ、終わりにしようか。


障壁ごと馬頭の頭が吹き飛ぶ。

それを確認してから、牛頭に向かって引き金を引いた瞬間、牛頭が馬頭の身体を引き寄せて盾にした。

「くそっ、貫通力はなかなかだな……」

馬頭の死体に当たって弾道がズレたのか、そう呟いた牛頭は右肩の防具が吹き飛んだだけで、HPがまだかなり残っていた。


僕のMPは空。

とはいえ、弾頭を避けられることも予測していたから問題ない。

無限収納からミスリルの剣を取り出して、牛頭に向かって瞬動で移動する。


「お前の弱点は、知っている!! ――人化ノ魔法(トランスフォーム)

牛頭が牛の角がある人間の女性の姿に変わる。

けれど、手加減はしない。

止まらない。止められない。止めちゃいけない。でも、ミスリルの剣が折られた。

「くふっ♪」

笑みを浮かべる牛頭の大剣が、僕に向かって振り下ろされる。


かわせない、やられる――と思った瞬間、視界が歪み、牛頭の背後に移動していた。

すかさず牛頭の背中に蹴りを入れて距離を取る。


視界の端で流れたログで理解する。

>瞬間移動しました。

グスターだ。


=シクラの視点=


これが、私達が出した答え。

必死に考えて、考えて、考えて、そして出した答え。

「みんなでミオさまをサポートする」――それが答え。


シンプル・イズ・ベスト! 1人も欠けずに、1人1人の能力を活かして、ミオさまの力になってみせる。


ディルさんの思念体が、みんなを繋いでいる。

イベリスさんのスキルが、危険な未来を察知している。

私の鑑定眼で数千、数万の未来の中から最善の候補を探し出す。

お母さまとレモンさんが、複数の未来の候補の中から、さらに最善の一手を選択する。

そしてグスターさんの力で、ミオさまを瞬間移動させる。


全員が心を繋いでいる。思考を繋いでいる。生き残って未来を創るという熱い気持ちを繋いでいる。


だから、私達は、負けないっ!!


=三青の視点=


「ご主人様、受け取れっ!!」

グスターが転移魔法で青色水龍剣ディープ・アクア・ドラゴンを僕に渡してくれた。

僕の身体に3回も突き刺さった刃。強力な毒を持った刃。でも、その柄は、手に吸い付くように不思議となじんだ。


「ご主人様、あと2回だ!」

グスターが叫ぶ。

グスターは、何か隠し事をしていると狼耳がピコピコ動くから――2回というのは敵に対するブラフを含めた嘘なんだなってすぐに分かった。


ステータスが全快したグスターの転移魔法は、多分、あと3回。

最後の1回がカギになる。

「ああ、分かった! 最後のタイミングは任せるよ!」

「もちろんだ! グスター達に任せろ!」

ぴこぴこぴこっ。グスターの狼耳が元気よく揺れる。シクラもラズベリもイベリスもディルもレモンも僕の方を見て頷いてくれた。


本当に、うちの嫁さん達は可愛すぎる。

最高の嫁さん達だ。

たとえ相手が殺戮の女神でも、今の僕らに――敵う相手はいない。

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