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第5話 騒々しい一日

「……月乃?おはよう?」


「えっ、あっ、うん。おはよう」


かなり不自然な会話だったけど、気にする事なかれ。


とりあえず、状況確認を。


目の前にあるのは月乃の顔。

目が大きく、鼻はスラッと調っている。

頬はうっすらと紅潮しており、唇は小さく、ふっくらとしていて、キスしたいという衝動に駆られ…じゃなくて、何考えてるんだ僕…。


兎に角、目の前に月乃の顔があるのはいいとして、後頭部に伝わるこの柔らかい感触は?

待てよ…。

この位置から考えると、此処は月乃の太股!?


はっ、として慌てて立ち上がろうとするも、月乃に抑えつけられた。


「月乃?どうした?」


「ん?あっ、ごめん」


何度か呼び掛けると月乃は離してくれた。

一体何だったのだろう?


そうは思ったものの、とりあえず起き上がる。


すると、父さん達がいない事に気付く。

首をかしげてうーん…、と唸っていると

「お父さん達はもう出てったよ」

と言われ、やっと理解する。


「そっか…行ったのか。眠んなきゃ良かったな…」


ため息混じりにそうぼやくと、

「宜しくって言われたし、大丈夫だよ♪」

と月乃。


「だとしても、普通起こさない?」


そう言うと月乃はビクっと反応したが、

「あっ、そうだ!遥さんに買い物行ったほうが良いって言われたんだった」

と話題を変え、台所へ。


不思議に思ったけど、大した事じゃないだろうし、気にするのは止めよう。


そう頷いていると、「光ちゃん。食材もうほとんどなかったよ」

と月乃。


「じゃあ買い物行こうか?」


僕の提案に頷いてついでに他のも買おう、と言い、置いていたポーチを拾うと、早く行こうよぉ〜、と言わんばかりに腕を引っ張ってきた。


月乃に急かされて立ち上がると、窓の鍵とガスの元栓をしめる。


「よし、行こっ」


月乃は笑みを浮かべた後、僕の手を握ってきた。


何故手を?

というかやばいんですけど。

心臓がばくばくいってるし。


そう思って月乃を見てみると、顔が真っ赤で。


恥かしいんだったらやんなきゃいいのに、と思ったが、そんな事を言うほど僕は意地悪ではない。


その内慣れるだろうしね。


という事で何も言わずに家を出る事に。


 手を繋ぐ事に慣れてきたので、

「何処行く?」

と問うと、

「じゃあ、最近出来たデパート行こうよ♪」と言われたので、そこに決定。



電車に乗って2駅、そこからおよそ3分歩くと目的地に。


大した距離でなかったものの、かなりの疲労感が…。


ん?何故かって?

そんな事は言わずもがな。

月乃と歩いているからに決まっているでしょうが。


 それに手を繋ぐというオプション付き。


ああ…。周りの目線が痛い…。

目線は凶器になるんですね…。


そんな視線に冷や汗をかいていると

「まずは生活用品から買おっ♪」

と笑顔で言われた。


周りから殺気が上がったが、気にせずに従う事にしよう。


エスカレーターに乗り、3階の雑貨売り場に。


そこで歯ブラシやマグカップ、タオル等をお揃いで買っていく事にした。


別にお揃いじゃなくて良かったけど、そこは月乃のこだわりらしい。


必要な物を買うと、本来の目的である食材を買う為、1階に降りる。


因みに今日はカレーを作ってくれるらしい。

もちろん、僕も手伝いますよ?


野菜を適当に選んでいると、月乃に

「もう光ちゃん!ちゃんと選ばないとダメなんだから!」

だって…。


仕方ないので、野菜は月乃に選んでもらい、ルーを探す。


3分ほどで見つけ、戻って来ると、月乃は野菜を選び終わっていた。


………うん。いいお嫁さんになれるね。


「そんなぁ♪」

月乃は体をくねらせて嬉しそうに微笑んでいる。


何故分かった!?

もしかして心を読んだのか!?


そんな阿呆な事を思っていると、

「声に出してたけど?」

とキョトンとした様子で言われてしまった。

………気を付けよう。

そう心に深く刻んだ。


食材も選び終わった事なので、レジに。


程なくして買い物カゴをレジに置くと、レジのおばちゃんに

「あらあら、若夫婦?いいわねぇ」

とからかわれてしまった。


すると何を思ったのか月乃は

「えへっ♪やったね、光ちゃん。若夫婦だって♪」

と。


……月乃。

キャラ変わって来てないかな?


まあ月乃がその気だったらこっちだって。

「僕達夫婦に見えてるんだね。じゃあいっそこのまま結婚しちゃう?」


これでかなりのダメージが期待できる。

というか僕のほうがキャラ変わって来たかも…


兎に角、月乃の様子を見てみよう。


きっと面白い反応をしてくれているはず!


期待して月乃を見てみると、顔を真っ赤にして、

「光ちゃんがしたいんだったら……してもいいよ…」

とぶっ飛んだ発言を。

僕は慌てながらも

「月乃、冗談だからね?」

と月乃に言う。


もちろん、顔は真っ赤だけど…。


すると月乃は一瞬目が曇った後、すぐに笑顔になり、

「そんな事分かってるよ♪」

と言った。


………ちょっと強がっている様に見えるのは気のせいかな?


まあすぐにレジのおばちゃんに

「夫婦じゃないです」と言っていたから大丈夫だよね?



そんなこんなで買い物を終え、デパートを出る。


ふと月乃を見ると、じっと自分の手を見た後、胸に押し当てていた。


この時ばっかりは、いくら鈍い僕にでも月乃が考えている事が分かった。


でも何でだろう?

たかがレジからの数分、手を離していただけなのに。

そもそも僕と手を繋ぐ事に意味があるのだろうか?


頭の中を疑問が飛び交ったが、振り払い、月乃の側に近付き、

「月乃、帰ろう」

そう言うと右手を月乃のほうへ伸ばす。


月乃は顔を驚かせたが、満面の笑顔で大きく頷いた後、しっかり僕の手を握ってきた。


手を繋いだまま家の近くまで来ると、夕日が綺麗に沈んでいる所で。


「夕焼けって何であんなに綺麗なのかな?」


月乃は夕日を見ながら質問して来たが、僕は全然聞いてなんかいなかった。

否、聞こえてなかったのだ。


月乃の顔を夕日が照し、いつもとは違う雰囲気を醸し出している。

僕はそんな月乃に目を奪われていたからだ。

「光ちゃん、聞いてる?」


「あっ、ごめん。聞いてなかった…」


「人の話は聞かなきゃダメなんだよ!」


月乃にそう言われ、再度謝ると許してくれた。


そんなに大切な事じゃなかったらしい。



そんな会話をしていると我が家に到着。

いや我等が家の間違いだね。


「ただいま」

そう言うと月乃が

「おかえり」

と言ってくれた。


月乃だってただいまじゃないの?と聞いてみると、

「だって帰って来たのに、返事が無かったら悲しいよ」

と言って来た。


確かに一理ある。

という事で、月乃のただいまにおかえりと返してから家に入った。


月乃はリビングに着くや否や、買って来た食材を持ち台所へ。


さっそく月乃が料理を始めたので、手伝おうと思い立ち上がると、

「私一人で大丈夫♪それに光ちゃんはたくさん持ってくれたから疲れてるでしょ?」

と言われてしまった。

だけど、月乃1人にやらせる訳にはいかない。


「こういうのって、2人で作ったほうが美味しくなると思うんだ」


そう言うと、月乃は納得してくれた様で野菜切りを頼んできた。

 全部切り終わると、月乃はその野菜やお肉を軽く炒め、鍋で煮込み始めていた。



しばらくすると、カレーが煮込み終わり、ご飯をよそい、カレーをかけ完成。


実に美味しそうな匂いが漂ってきて、お腹が鳴ってしまった…。


月乃に

「光ちゃんの食いしん坊♪」

と笑われたが、仕方ない気がする。


僕の一番の好物はカレー。それも月乃が作ってくれたのなのだから。


…本人には恥かしくて言えないけどね。



それから30分ほどでカレーを完食。


やっぱり、月乃のカレーは格別だ。

何か隠し味でも入れてるのかな?


そう思いつつも、茶碗洗いを。


これは今日の料理のお礼と言って1人でしている。


茶碗洗いも終わり、月乃と一緒にテレビをダラダラと見ていると「ねぇ光ちゃん。私ってこれから何処で寝ればいいの?」

と聞かれた。


……まったく考えてなかったので、準備などしている訳がない。

仕方ないので、僕の部屋を使ってもらう事に決めた。

僕はソファでも寝れるし、それに女の子をソファに寝させるほど非情じゃないし。


そう告げると、本当にいいの?と聞いて来たが、大丈夫だよと言い、お風呂を勧めた。


月乃は浴槽に行った様だ。


にしても、今日は色々あった。

委員長から始まり、月乃との半同棲。


あながち占いも外れてない気がする。


するとだんだん眠気が…。

ちょっと疲れたし、少し目を閉じた。



気付くとシャワーの音が止んでいた。

眠ってしまっていたみたいだ。

かなり眠いし、今日は寝よう。

そう思い、2階の自分の部屋に。


電気がついていたけど、気にしない、気にしない。


部屋の前まで来て扉を開けると、そこには半裸の月乃。


あっ、月乃って着痩せするタイプだ。

いつもより、胸が大きく………じゃない!


おどおどと月乃を見ると体を震わせながら、

「きゃぁー!!光ちゃんのえっち!!」

と言われ、枕を思いっ切り投げられた。


急いで部屋を出ると、ついさっき自分が言った事を思い出して来た。


………最悪…。


本当に今までで1番悪い運勢かも…。


そう嘆きつつ、ソファで眠りについた。


微妙に間が空いてしまった、碧井 嘉貴です。


今回はいかがだったでしょうか?

自分的にはダラダラと書いてしまった感が否めません。


というか、徐々に光達のキャラがおかしくなって来てます。

本当に安定しない、文才の無い自分で申し訳無いです…。



これからもこんな微妙な間隔で書いていこうと思っています。



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