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第8話 初めてのデートは遊園地で

月乃視点です。

あれからの3日間は特に何も無く、平穏な学校生活を送れました。


授業は始まったものの、まだ簡単なので少しの予習でも充分付いて行けます。

それに、分からない所があっても光ちゃんに聞けば一発解消です。

 何かあったと強いて言うと、私の部屋が出来ました♪


 と言っても、今まで使ってなかったらしく、凄い汚かったけどね。

私1人でも出来たかもしれないけど、光ちゃんに手伝ってもらって綺麗にしました。


 ベッド(遥さんの)を部屋に運び入れる時、光ちゃんと2人で運ぶのかな?って思ってたら、1人でいとも簡単に運んでました…。

 重くないの?と聞いてみたら

「ベッド何て重いうちに入んないよ。あんなの修行に使った岩と比べたら軽い軽い」

と遠い目をしながら答えられました…。


 光ちゃん…、苦労したんだね…。


 そう言えば最近光ちゃんは『光速の騎士』というあだ名で呼ばれる様になりました。


 何でも、私を抱え上げて走っている時に周りの人達をなぎ払っていたそうです。

私は気付きませんでしたが。


何でそんな事したの?って問詰めてみると、

「一々止まって倒していたらまた月乃が恐がっちゃうかなって思ったからさ…」

とおどおどしながら言って来ました。


 光ちゃんが私の為に…。

そう考えると胸が一杯になります。


 それにしても何で“騎士”なのだろう?


 それが今期最大の謎です。


 紫苑や朱音に聞いても教えてくれないし…。



話は変わりますが、今日は待ちに待った光ちゃんとのデート初日です♪


何故初日かと言うと、あの後光ちゃんが

「恐い思いさせちゃったお詫びに何かさせてよ」

と言って来たので、土日のどっちもデートする事にしちゃいました♪


 現在時刻、9時30分。

予定では10時に出発の予定だけど、全然準備が…。


第一、着て行く服が決まらないし…。


光ちゃんは可愛い系が好きなのか、格好いい系が好きなのか、良く分かりません。


その後も鏡の前で悩みに悩んで、二つに絞り込んでいると

「月乃、準備出来た?」

と光ちゃん。


時計を見ると、もう10時、5分前でした。


これは非常にマズいですね…。


焦りが最高潮に達すると、妙案が浮かびました。

光ちゃんに選んでもらえばいいのです!


「光ちゃん、中入って来て」


光ちゃんは顔に疑問の色を浮かべながら、部屋に入って来ます。

光ちゃんにさっきの二つの服を見せ、

「光ちゃんはどっちが好き?」

と聞きました。


光ちゃんは少し悩んだ後、可愛い感じのほうを選びました。


光ちゃんは可愛い系が好きっと、私の脳内光ちゃんメモに書くと、ありがとうと笑顔で言いました。


光ちゃんはどう致しましてと、微笑み返してくれます。


にしても、光ちゃんの微笑みは凄く可愛いです。

あの可愛らしさは反則もんです。


そう言えば前、紫苑と朱音が

「今年の文化祭は光さん(君)を女装させます(させるよ)!」

と言ってました。


……楽しみにしとこう。


光ちゃんが女装した姿を想像して、心の中で笑い、着替えようと服に手を。


すると光ちゃんが

「えっ!?月乃!?まだ僕いるよ!」

と言ってくれましたが、気付いたのは、上半身が下着一枚になった後でした…。


「えっ……っ、き、きゃぁー!!」


私が叫び声をあげるよりも先に光ちゃんは外に。


……うぅ…。

二度目だよぉ…。

それも今回は確実に私が悪いし…。


そう嘆きながら、急いで服を着替えます。

1分ほどで着替え終え、いつものポーチを持って部屋の外に。


光ちゃんは廊下で顔を真っ赤にしながら

「落ち着け、落ち着くんだ!」

と叫んでいます。


光ちゃんに近付くと、

「本当にごめんなさい!」

と謝りました。


 光ちゃんは全然大丈夫だよと全然大丈夫じゃ無さそうに言って来ました。


ごめんね、光ちゃん…。


申し訳なくて、下を向いて黙っていると、光ちゃんは

「月乃これからデ、デートなんだからさ、暗くなるのは止めよう。それに、明るくない月乃は月乃じゃないよ」

と言ってくれました。

私は光ちゃんの心遣いが嬉しくて

「うん、そうだね、光ちゃん…」

と言って抱き付いちゃいました。


光ちゃんは私の気持ちを理解した様で、ギュッと抱き返してくれます。


最近抱き付いてばっかりだなぁ。

光ちゃん、引いてないよね?

抱き返してくれるから大丈夫だよね?


光ちゃんに抱き付いたまま、そう考え、光ちゃんから離れると、手をとって

「早く行こ♪」

と催促します。


光ちゃんは頷くと、施錠とガスの元栓を閉めに。



光ちゃんの作業(?)が終わったのを確認し、さっそく駅へ。


今日は遊園地に行くつもりです。

というか、私が無理を言って決めちゃいました。


やっぱり初デートは遊園地でしょ。



駅に着き、3分ぐらい待つと電車がホームに。


私達はシートに腰掛け、何気ない会話を始めました。


因みに、遊園地の最寄りの駅はここから4つ行った所です。


徐々に席も埋まり、遊園地まであと1駅という所で、電車に老夫婦が入って来ました。


光ちゃんはそれを見て、私と目線を合わせた後

「席どうぞ」

と言い、老夫婦を座らせました。


「いやあ、ありがとう。最近足腰がどうも弱くて、座れたらいいのぉと婆さんに言っておったんじゃよ」


「ええ、本当にありがとう。今の若い人は平気で優先席に座っている人だって多いのに、あなた方は違うのですね」


老夫婦にそう言われると、光ちゃんは当然の事をしたまでですから、と謙遜していたがやはり嬉しいようで。


 もちろんだけど、私も嬉しかった。


やっぱり光ちゃんって格好いいと思う。

凄く気さくで、紳士だし。

ちょっと鈍感なのがたまに傷だけどね。


目的の駅に着くと、老夫婦に別れを告げ、遊園地へ。


あぁ、遊園地楽しみだなぁ。

最近行ってなかったし。

それに“あれ”があるし…。


そう思い、ふふっと笑ったいると、光ちゃんが

「月乃、最初何処行く?」

と聞いて来ました。


うーん…。

最初ねぇ…。

“あれ”から行っちゃおうかな?

よし、“あれ”からにしよう!


そう決心し、光ちゃんに

「じゃあお化け屋敷から行こう♪」

と言いました。


すると光ちゃんの顔がみるみる青ざめていきます。


「月乃、僕がお化け苦手なの知ってるじゃん!なのにどうして?」


光ちゃんは即座にそう言うも、いいからいいからと言いつつ、光ちゃんを引っ張ってお化け屋敷へ。



現在、お化け屋敷の中です。


そして光ちゃんが私の腕を強く握り締めています。


…涙目で。


兎に角可愛いです。

チワワを連想させられる様な可愛らしさを、私に見せています。

 それに時々

「ねぇ月乃…恐いよ…」

と泣きそうな声で言って来ます。


あぁ…なんでだろう?

抱き締めたいって思っちゃう。

これが母性本能というやつなのでしょうか?

でも、お化け役の人が出て来るたび、その人達が意識を失っていきます…。

もちろん、光ちゃんの拳で…。



お化け屋敷を出ると、光ちゃんはぐったりとしていました。


はははっ、ちょっとやり過ぎたかな?

と言っても私は何もしてないけどね。


光ちゃんがそんなんなのでベンチに座って一休みする事に。


近くのベンチを見つけ、光ちゃんを半ば引きずる様にして連れて行きました。


しばらくすると、ちょっとは元気になって来た光ちゃんですが、まだ何処かに行くのは辛そうで。


何か飲んだら良くなると思い、飲み物を買いに行く事にしました。


光ちゃんに何か飲みたいのある?と聞くとコーヒー…と弱々しく言って来ました。


これ以上、光ちゃんの具合が悪くなると嫌なので、少し小走りで自販機の元へ。



光ちゃんのコーヒーと私のミルクティーを買い、行こうとすると、

「ねぇ君、暇?暇だったら一緒に周らない?」

と如何にもナンパ男と言った男が3人、目の前に立っていました。

「私連れがいるので…」


そう言い逃げようとしましたが、一人に肩を捕まれました。


手を払って駆け出しましたが相手は男。

直ぐに捕まってしまいます。


「何なんですか?痛いですし、やめて下さい!」


そう怒鳴ったもの、効果はない様で、何処かに連れていかれそう…。


引きずられる方向を見ると、建物の裏に向かっているみたい…。

嫌だよ…。

恐いよ…。

光ちゃん…助けに来てよ…。


体が勝手に震え、涙が流れて来ました。


その時、

「月乃!月乃!!」

と後ろから聞こえ、振り返ると、会いたかった、助けに来て欲しかった光ちゃんがそこにいました…。


いやあ、前言撤回ですね。


何が学業に集中するだ!

 また小説書いてるじゃないか!

という声が頭の中に響きますが、スルーしときます。



今回も微妙な手応えしか感じられず、目隠し状態ですが、出来るだけいい物を書きたいと思っております故、応援宜しくお願いします。


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