ふしだらな契約 前
ドロルフィニスと名乗った不思議な少女を交番で預かってもらった後は、予定通りにコンビニで清涼飲料水などを買い、帰宅してから真っ先にシャワーを浴びた。あの時の気の迷いのようなものは、既に失せていた。というよりも、なんだか調子を狂わされてしまったのだ。
外から帰ってきたとき、僕を出迎えたのはいつもの見慣れた家具たちで、机の上にはまだ解きかけの問題集やらノートやらが広がっていたけれど、なぜだかそれがとても気味の悪いことのように感じたのは、ほんの短い間にも非日常が自己を侵蝕し、変容させてしまう恐ろしい力を持っているためと思われる。普段と変わりない環境の中にいても、妙に落ち着かない気分を感じてしまう体験は以前、あの忌々しい広場から帰還した際にも同じようにあった。
そして今も、くぐり抜けてきたばかりの新しい非日常の残り香をまだ自分の肌が覚えている。
こういう時に必要となるのは、生活の中に区切りを付けるための一つの儀式だ。
シャワーを浴びることは、その中で最も手っ取り早い様式だと僕は考えていた。
しかし結果から言えば、その目論見は完全に外れたことになる。
「……なんで、いるんだよ」
シャワーで汗を流し、バスタオルで頭を拭きながらユニットバスを出た僕は、目の前の光景にしばし我を忘れ、呆然としつつ、上半身裸で立ち尽くしていた。
火照った身体が急激に冷めていく。
わが日常の拠点が、目を離していたほんの僅かな隙に侵略を受け、陥落し、無残な姿をそこに晒している。
「ああ、邪魔しているぞ」
そう言って片手をひょいと上げてみせたのは――例の、つい今しがた警察に押し付けてきたはずの、銀髪の少女にほかならなかった。
「帰れ」と僕は真っ先に言う。
「なぜだ?」
「ここは僕の家だ」
「だから邪魔していると言っただろうに」
「それは人の家に勝手に入ることへの免罪符にはならんぞ」
「免罪符?」彼女は目を丸くして言った。「あんな紙屑がまだ出回っていたのか?」
「いや、そうではなくてだな……」
思わず受験勉強にゆかりのある言い回しが口に出てきてしまったが、この小さな女の子がその単語を知っているというのは少し意外でもある。
「……ていうか、なんでだ? どこから入ってきたんだ? いやそれ以前に、勝手に交番を抜け出してきたのか?」
「ふん、貴様、すぐ迎えに来ると言っておきながら、まったく来る気配がなかったではないか! 私も侮辱されたものだな」
「迎えが来ると言ったんだ、僕は」
孤児ならば、警察の人に然るべき機関に問い合わせてもらえれば、彼女の身柄の引き受け先が見つかると思ったのである。とりあえずはそこで、僕の役目は終わるはずだった。
それがどうして、こんなことに……。
「とりあえず交番に戻るぞ」
「断る」
「ここに居たって仕方がないだろ」
「そうか? 確かに何もない場所だが、なかなか快適だぞ」
「お前はなんでそう、我が物顔でくつろいでいるんだよ」
「この寝床、ふかふかで気持ちいいな。気に入った」
「人の話を聞けよ!」
思わず溜め息が出そうになるが、そこで僕は一つの非常事態に気が付いた。考えてみれば、僕は今、自室のベッドに腰掛けている中学生以下の女の子に、自らの半裸を晒しつけているのである。
途端に羞恥と、或る犯罪的な連想が一挙に頭に浮かび、僕は修羅の表情で新しいシャツを取り出していた。
「……とにかく、お前をここには置いておけないし、どうやったかは知らないけど、勝手に交番から抜け出してここにいることがバレたら、問題なんだよ」
おそらく騒ぎになることだろうし、下手をすれば誘拐犯まがいの扱いすら受けかねない。そうなったらもう、大変だ。
「先ほどの男なら、もう私のことなど覚えていないと思うぞ」
「まさか。痴呆じゃあるまいし」
「あるいはお前が引き取ったと思っているやもしれん」
「おいおい、警官が、君みたいな子どもをそんな無責任に帰すなんておかしいだろう」
「私を子ども扱いするな」
「いや、どう見たって子どもじゃないか」
すると彼女は腹を立てたのか、むっとした表情になって突然ベッドの上に立ち上がると、その高低差を利用して僕を見下ろすのだった。
「私に言わせればすべての人間こそ、自らの天命すら見極められず、愚昧で、夢ばかり見て、足元すら覚束ない稚児に見えるがな! 私にとっては、それこそ赤子の手を捻るが如くだぞ、あんな男一人黙らせることなどもな」
……最後に少し、聞き捨てならない部分が。
「まさかとは思うが、お前、あの警官に何かしてないよな?」
「ふふふ、魔術、幻術、呪術、催眠術から詐術まで、私にかかれば児戯にも等しいのだ」
開いた口が塞がらなくなった。
「魔術? 幻術? 何を言ってるんだ? そんなもの、現実にあるわけないだろ」
しかし、直後に、僕は自分の言ったその言葉に自ら疑問を感じてしまうのであった。
――なぜ、そう言い切れるのだ?
確かに以前の自分なら、常識の観点から、迷うことなくそのような現象を非科学的だと否定していたことだろう。
だが、僕は見た。見てしまっていた。常識を超えた光景を。夕焼けの黒い翼を。そしてあの眩い光の実体を。――あれらは本当にすべて、精神の衰弱した人間が目にする幻覚だったのだろうか?
……確信は明らかに揺らいでいた。いわゆる常識というものが自分の経験とここまで激しくせめぎ合うことはこれまでにはなかったが、今ここでどちらかを捨てねばならない。
どちらを信じるべきか。
「試してみるか?」
少女の口元がゆるやかな弧を描き、透き通るような眼があたかもそこが光源であるかのように妖しくぎらぎらとした輝きを放つ。
その瞳を覗き込むうちに、僕は自分の心の奥深くに眠る深い海の原風景を思い出し、そこにゆらゆらと漂ううちに彼我の境界もばらばらになり、ただ一つの存在、一つの光として世界を見ていることに気付き、はっとするのであった。
存在がぼやかされ、夢の中にいるように感じる。
「……お前、既に幻惑とか魅了とか僕に使ってないだろうな」
「ふふふ、お前には使わんよ。さっきのは冗談だ。無為にそんなことをしても、魂の価値が下がるだけなのでな」
彼女が再び、掴みどころのない笑顔になる。喩えるならそれは悪魔的な微笑だ。もっとも、この子どもの場合には、その上に小さいという字を付け加えるのが相応しいと思われるが。
そうした中で、最初は思春期にありがちな中二病的なアレだと思って無視していたところどころの言動が、にわかに真理性を帯びてくるのを僕は感じていた。
夢と現実――
彼女は名前のある限り自分は存在すると言った……あれはどういう意味だっただろう。そもそも存在するとはどういうことなのだろう。存在しないものとは何なのだろう。魔術や幻術はどうだろうか。非科学的なあらゆるものは存在しないと言えるのだろうか。
――悪魔の証明。
「君はやっぱり……」と言いかけて、口をつぐむ。改めて注目すると、泥やすすのような黒い汚れが白い肌の上で目立っていたのだ。「あー……いいや、話は後にしよう、ドロルフィニス」
「ふぇっ!? な、なんだ、いきなり」
「とりあえず、シャワー浴びてこいよ」
「シ、シャワーだと……?」
「そこの扉の奥にあるから」
シーツを汚されたくないし、いつまでも黒いサラシを巻きつけただけのような格好でいられると風邪を引かれそうだったし、それにいくら僕にロリコンの嗜好がない(と信じている)とはいえ、はっきり言って目のやり場には少々困っていた。
それゆえに、何気ない提案をしたつもりだったのだが……。
「よくわからないが、お前が行ってこいと言うのなら……」
急に落ち着かない様子になり、左右に身体をゆすり始めた彼女は、腕をもじもじとさすりながらベッドから降り、顔を赤らめ、目にうすく涙を浮かべつつ、上目遣いに僕を見る。
「行ってくるぞ……ユ、ユメノメグルよ」
「ああ、脱いだ服はカゴの中に入れておけよ……って」
なんだこの恥じらいは!?
銀髪の美少女・ドロルフィニスが、部屋の小さな風呂場につながる、扉の向こうへと消えていく。
なんなんだ、この状況は!?
……いや、深く考えるのはよそう。ここまでの僕の対応はおよそ誠実だった。シャワーを勧めたのも間違ってはいないはず。オールオッケー。たまたま僕もさっきまでシャワーを浴びていて、たまたま彼女にはシャワーを浴びる必要があり、たまたま僕は一人暮らしで、たまたまそこにはベッドがあるが、全部たまたまなので、何の関係もないことである。
勘弁してくれ。
彼女が日常の闖入者であり侵略者であるならば、僕はさしずめ日常の敗残兵か、判決を言い渡される被告人、あるいは刑の執行を待つ罪人のような気持ちで、彼女がシャワーを浴びるのを待たねばならなかった。
だがまあ、たまにはこういうのも悪くはない。
ドロルフィニスはシャワーの浴び方を知らなかった。……もはや驚くまい。出会ってからのこのわずかな間で、彼女はほとんど意外性の塊と化していたのだから。
したがって僕は、やむを得ず、本当に致し方なく、この世間知らずな少女に、浴室の使い方を「まず服を脱ぎます」から教えなくてはならなかったが、どのように指導を行ったのかはここでは割愛するとして、なんとか彼女に身体を洗わせ、着替えさせる頃には、僕は全身にびっしょりと汗をかき、ほとんど自分がシャワーを浴びた意味がなくなってしまっていた。
というか彼女が身に付けていた衣装はぼろぼろで、もはや服と言えるかどうかすら疑わしい。カゴの中から取り出して広げてみると、一本の細長い布切れになった。つまり無造作のように見えて、実は器用に身体に巻き付けられていたわけなのだが、それなら初めからまともな服を着ていろという話である。これは僕の手で処分、すなわち抽斗に隠しておくことにした。
しかし今思えば僕も些か思慮が足りていなかったかもしれない。一つ困ったことになっている。
「うーむ……」
僕を悩ませる問題は、肝心の着替えの件だ。
同年代の男の中でも特別背が高い方ではない僕だが、それでもこんな少女と較べるとやはり体格差があるし、さらに最も根本的な問題として、女性用の下着を僕は持ち合わせていなかった――当たり前である。僕の知る限りでは、特に何の理由もなく女性用の下着を所有している男性などは変態であるから、僕の名誉にとっては正しい展開ではあるわけだが、ここではまさに、そのことが問題になっている。
しかし結局のところ、ないものは仕方がない。
というわけで僕はいま、狭い自室の一角で、床の上にぺたりと座り込む小柄な少女を見ているのだが、自分の与えたネイビーのトレーナーはやはり彼女には大きすぎたようで、その裾が下にまで達していた。長い銀色の髪がドライヤーの風に当てられてさらさらと流れている。
「シャワーというのは、なかなかよいものだな」
「それはよかったな」
「うむ、ますますここが気に入ったぞ」
ただのボロアパートなのだが……風に乗って漂ってくるシャンプーの仄かな香りを嗅いでも、僕にはまだこれが現実であるとはとても思えず、むしろ夢であってくれたらと願うばかりで、頭を抱え込むしかない。
いつしか外はすっかり暗くなり、この部屋にも夜が訪れている。
いよいよこの子どもをどうするか、考えねばならない時が来ていた。
「……もう一度聞くが、今から警察に戻るつもりは」
「ないな」話を遮りつつ、ドロルフィニスはコンセントを抜き、横目でこちらを見た。
「そ、それに、お前にも責任があるのだぞ……?」
「責任? なんのことだ?」
彼女は変に奥ゆかしい態度で言った。
「この、忘れたとは言わさんぞ。……お前と私は、この世に二つとないその名を明かし合った仲ではないか」
「いや、名乗り合ったことには、そんな深い意味はないんだけれど……」
「なんだと!」
「おい、下、下!」
僕が叫んだのは、ドロルフィニスが勢いよく立ち上がった際に、トレーナーの下のズボンがずるりと脱げたためである――おそらくゴムが緩すぎたのと、彼女が小柄であることが原因とは思われるが、これによって、筆舌に尽くしがたいほど猥褻な構図がそこには出現してしまっていた。このとき彼女がはいていないということは特筆に値するであろう――僕は思わず自分の目を覆ったが、しかし幸か不幸か、上の裳裾が必要以上に長かったために、それが見事にワンピースのような役割を果たし、彼女の聖域を、かろうじて守護しているのであった。
「は、早く穿け!」
「要らん。動きづらいわ」
彼女はズボンを片足でひょいと引っ掛けて横に放り投げると、そのままこちらにずいずいと近付いてくる。
対する僕は、じりじりと後退を余儀なくされる。
「な、なんだよ」
ドロルフィニスはおどろおどろしい形相で面と向かって僕を詰った。
「貴様は、あの時、あれほど強引に迫っておきながら、今さらになって、合意はなかったとでも言うつもりか?」
「何の話をしているんだお前は」
「私をからかったつもりだったのか? そこまで不実な男だとは思わなかったぞ」
「意味がわからないが、なんとなくそれはお前には言われたくない……」
ふ、ふしだらな格好しやがって! ……自分が与えた服ではあるのだが。
「そもそもお前の絶望と、死の欲動さえなければ、私はここには来ていなかったのだがな」
「絶望と、死の欲動……? うわっ」
ドロルフィニスがにじり寄るのをやめないので、気付けばもう後がなくなっていた。寄り切られた僕は背後のベッドの縁に躓き、どすんと尻餅をつく。顔を上げると同時に白い腕が伸びてきて、頬を撫でられる。
「そうだ。おのれの胸に尋ねてみるがいい。口では何と言おうが、その精神の内奥では、お前は私を求めていたはずなのだ。そうではないか? そうなのだよ!」
部屋の蛍光灯の陰になるため、彼女の面貌も薄暗いヴェールに覆われていたが、その中にあっても、瞳だけは紺碧の輝きを少しも失わず、深いまなざしが僕を捉え続けている。
ずっと見つめていたい――
おのずから、そう感じずにはいられなかった。
「……お前が何者なのか、だんだん僕にも察しがついてきたよ」
「ほう?」
「ただの人間じゃないんだな。僕に会いに来たのも、何か取引のつもりで来たんだろう」
「ふん、半分正解、といったところだな」
「あとの半分は?」
「人間の愚かなところは、居心地の良い既知の枠内に安住しようとするその弱さだ。……これがまた、旨いのだがな」
そのとき、ドロルフィニスの背中がにわかに光を帯びた。
風が舞い起こる。
と同時に、巨大な骨格が彼女の両の肩から伸び、幅広い翼が形作られていくではないか。
ふいに明かりが消える。
展開された翼が彼女の体躯に一定の揚力を与え、そして僕の視界をことごとく黒で埋め尽くす――それは圧倒的な姿だった。
「お前は私のことを迷子だとか言ったな。だが、そうだとすれば、我々は似た者同士ではないか?」
「どういうことだ?」
「行き先もわからぬまま世界に一人放り出され、不安と焦りと恐怖の中で情けなく立ち尽くす。それがお前だな。そのくせ、歩けば歩くほど、道は狭くなる。壁が迫ってくる」
何も言えなかった。
「だが、私の力があれば」少女は微笑する。「お前は自由になる。私を剣として振るうがいい。敵を打ち払い、立ちはだかる壁は切り崩し、道を切り拓く一本の剣だ。魅力的とは思わんか?」
喉がごくりと鳴る。
「……確かに、なんだかうまい話のようには聞こえるけど、でも、そんな胡散臭い話もなかなかないよな」
「お前は目の前の好機の大きさにまだ気付いていないようだな。私は役に立つぞ。人智を超えたこの力、生かすも殺すも貴様次第というわけだ」
「好機かどうか判断するのは僕だ」
しかし、どこか音楽的な響きをともなう彼女の言葉に、誘惑されていることもまた事実で。
「僕に肩入れしようとする理由は何だ?」
「慈善事業だ」と彼女はしれっと答えた。
「嘘だな。条件があるはずだ。最終的にそっちの得になるような、からくりがな。これは、悪魔の取引なんだろう」
するとドロルフィニスが口を丸くして「ほう」と声を洩らす。
「察しが良いな。……いかにもだ。私と契約を取り結べば、お前には『そう悪くない人生』を提供することをここに約束しよう。その対価としてこちらが要求するものはたった一つ。すなわち――」
空中から指差してこう告げる。
「――その魂を差し出すということ」
お約束通りか。
「無理だな。結局魂を取られるのなら、何をしても意味がないわけだし」
誰もが口にするであろう文句をまずはぶつけてみる。
するとあたかも「よくある質問」に回答するかのような調子で彼女は話し始めていた。
「ほとんどの人間がその点では誤解しているようだが――心配は要らんよ。生きている限り、お前自身の精神活動が阻害されることはまずない。これは私が保証しよう。魂の所有権の完全な移譲が行われるのは死亡時、正確にはその直前になるのでな。その後どうなるかは、まあ、死んでからのお楽しみというやつだ。なに、悪いようにはせんよ」
魂、か。
まったく底が見えない話である。死後のことなど、僕は本当に何も知らないのだ。
考えたことはある。
しかし信じていない。
あってたまるか、そんなもの。
死ねば終わりだ。終わりは終わり――死というものはその最も純粋な形でなければならない――無機への還元。完全なる無。そこにいかなる続きも存在してはならない。終わりのない終わりは、かつて終わりにこそ希望を抱いたすべての人々への裏切りであり、詐欺だ。
しかしどうやら、こいつの認識ではそうではないらしい。
おかしなやつだ。それにぺらぺらとよくしゃべる。
全部は信用できそうにない。
その時点で、ノーリスクな取引では有り得ないだろう。
だが、……
「なるほどな……」
気付けばいつの間にか漏れていた僕の呟きを、ドロルフィニスも聞き付けていないはずがなかったが、にもかかわらず、あえてその反応を見送っている。
待っているのだ、次の言葉を。
ならば力を込めて言うしかあるまい。
「僕は本来ならとっくに死んでいるような人間だ。今さら魂が惜しいとはそんなに思ってない。……確かにまあ、悪い話ではないみたいだ」
「……いいのだな?」
彼女はまったく表情を変えない。
こういう駆け引きの重要な場面で、相手が落ちる瞬間を目前にしながらわざと退屈そうに振る舞ってみせるのは、老獪なやり方だ。しかもしっかりと念を押すことも忘れない。僕は正真正銘の悪魔を相手にしているのだろう。
「――上等だ」
僕は悪魔に向けて言い放った。
あるいは、それは僕が憎んでやまなかったにも関わらず、とうとう捨てきることのできなかった自分自身の生の執着への、訣別宣言だったかもしれない。
幻想の破片を、僕は裸足で踏みつける。