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左と右  作者: 会津千馬
2/6

2話目

 [幸せになりたい]

私の口癖だ。

[なれるはずがない]

私の口癖だ。


 夜になれば朝が来なければいいと思い

 朝になれば夜が来なければいいと思う。


 笑いたくない時に笑うのに疲れてていた。


そんな時に彼を知った。彼は人が笑ってる時にでも

「何故?そんな事が面白いの?」

と真面目な顔で聞く。

 怖くないのか?

人と同じ事をしないと異質と思われる事が彼は怖くないのか?

私は疑問に思った。ふと、異質なのは自分なのかもシレナイト思った。嘘笑いはやはり、嘘笑い。気がつく人は気がつく。なのに嘘笑いを続ける自分は自然ではない。異質だ。異質を恐れるあまり異質になっていく自分がいる。そう思うと逃げ道はないような気がした。


 彼は恐れない。彼は素のまま生きている。


 私は恐れ過ぎてるのかもシレナイ。人が怖い。


 私は小学校に行くまで、山奥で育った。祖母と祖父と私の三人家族だった。近所に住んでるのは隣の老夫婦だけだった。車で三十分くらい行ってやっと人が住んでる家がある。そんな山奥だ。

 当然同じ年齢の子供と遊んだ事もなく、人との交流と言うものを知らずに過ごしていた。

 小学校にいき始めて同年代の子供達を見た。知った。その衝撃は心に残っている。無口だった祖父、女の子がおしゃべりするのを良しとしなかった祖母。祖母は落ちぶれてはいたが名家の生まれでプライドが高く、しつけも厳しかった。

 テレビは下品という祖母の考えであまり見ることもできなかった。一言で言えば気難しい人だったのだ。


 祖母に気に入られる為にはとにかく、しゃべらず大人しくいるしかなかった。そしてそれが普通だと思っていた。大口を開けて笑うなんで知らない世界だった。

 小学校では私は異質だった。人との交流の仕方が解らないからだ。同級生から『おはよう!』と言われたら『おはようございます』と答えていたが『おはよう』と言うのは祖母に下品だからと禁じられていた私は変な顔をしていたと思う。

万事がそんな感じだった。

 先生が心配して話しかけてくれても、どう答えたらいいのか解らなかった。ただ笑うしかないのだ。


 当然そんな私に友達はできなかった。

むしろ、嫌がられた。


 嫌がらる事から[いじめ]に行くまで、そう時間はなかった。


 頭はそういい方ではないので、勉強はできない。運動神経はない。しかも何か異質な女の子。[いじめ]のターゲットにするのには充分だったと思う。


 


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