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虐げられていた私を引き取ったのは、王国騎士団元帥でした!  作者: 青空一夏


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02② 売られる

「そうよ!あの女が逃げたせいでどれだけの損をしたと思っているのよ!……コートナー男爵からお金をもらうどころか、慰謝料を請求されたのよ!あの忌々しい年老いたガマガエルめ!」


「コートナー男爵って、すっごく太ったおじさんよね?お父様より年上なんじゃないの?」

マルグリットがクスクスと笑う。


「貴族に生まれたら、嫌でも家のために嫁ぐのが当たり前なのよ。それを見栄えのいい騎士を選んで駆け落ちするなんて……恥ずべきことだわ。オフェリーの母親は本当にふしだらな女よっ!」


「あはは!オフェリーの母親はふしだらなんだ!?だったら、お前もそうなるかもな。ふしだら、ふしだら~」


歌うようにリズムをつけて、イザックが囃し立てた。


「わぁ、嫌だ!気持ち悪い……ふしだらな性格が移るから近くに来ないでよ」

マルグリットが顔を顰めた。


(もぉ、我慢できないわっ!私の……私の母さんはふしだらなんかじゃない……大好きな母さんを悪く言うなんて許さない!許さないんだからっ!!)


引き取られてから散々、 母の悪口を言われてきた。たまりにたまった怒りが集結していく。

母がどうして駆け落ちをしなければならなかったか、 子供のオフェリーでもなんとなく理解はできた。

お金が欲しかったルードが、年寄りの男に母をむりやり嫁がせようとしたから。


(母さんは悪くないわ。このサビーネも許せない。マルグリットもイザックも大嫌いよ!)


オフェリーは思わず叫んだ。


「か、母さんは……!ふしだらな女なんかじゃないー!」


オフェリーの叫ぶ声に呼応して、屋敷が大きく揺れた。

自分がなにをしたのかわからない。

ただ、ルード達は恐怖の眼差しでオフェリーを見ていた。

床に大きな亀裂が入り、窓が割れた。その後はよく覚えていない。


オフェリーが物思いに耽っていると、ドアが開き一人の男性が入ってきた。

ダークネイビーの髪とグレーの瞳は少年と同じ。顔立ちもよく似ている。

非の打ちどころのない端正な顔立ちは、思わず見惚れるほどに美しい。

それなのに、背筋が凍るほどの威圧感を纏っていた。


「……体調はどうだ。痛いところはあるか?」


オフェリーは首を横に振った。


「食事を持って来させる。気が向いたら食べるといい」


そのままその場を去ろうとした。オフェリーは不安で思わず呼びとめた。


「ここはどこですか?あなたは誰?」


「ここはギラマン公爵邸だよ。父上はトリスタン・ギラマン公爵。王国騎士団を統べる元帥なのさ。俺は一人息子のダリル・ギラマン」


代わりに答えたのは、目覚めた時にいた少年だった。


「げ、元帥?」

「王国騎士団で一番偉い人って意味だよ」


オフェリーは小さく頷く。


「……でも、どうして私がそんな偉い方のお屋敷にいるんですか?」


「私が君をヴィダル伯爵から買ったんだ」


トリスタンが淡々とした声で答えた。その顔にはなんの表情もない。


(え……?売られた?だとしたら奴隷なの?でもなぜこんなに綺麗な部屋で私は寝ているの?)


「お前は痩せすぎだぞ。父上は気が向いたら食べればいいと言ったけど、全部残さず食べるんだぞ」


ダリルは命令口調でそう言うと、トリスタンと部屋から出て行った。

まもなく侍女が入ってきた。


「お嬢様。私はあなたの専属侍女のカーラでございます。さぁ、パン粥と食べやすく切った桃を持ってきましたよ。召し上がれますか?」


お腹がグーッと鳴いた。恥ずかしさに思わず顔が赤くなる。

カーラは、にっこりと笑いながら、トレイをオフェリーに手渡した。


「私はお嬢様じゃないです。公爵様に買われたと聞きました……だから、このようなお部屋は……私には、ふさわしくないです」


「……私は詳しいことはよくわかりません。ですが、旦那様からはお嬢様のお世話をするよう仰せつかっております。さあ、召し上がってくださいね」


カーラーは困ったように微笑みながらそう言った。そして、オフェリーが食べ終わるまで、静かにそばで見守っていた。

やがて食事を終えると、カーラーは食器を下げるために部屋を出ていく。


それと入れ替わるように、一人の少女が入ってきた。

明るい金髪に、エメラルド色の瞳。綺麗な水色のドレスを着ていた。


(え?この子も公爵様の子供なのかしら?)


「……あなた、誰?どうしてこんなところで寝ているのかしら?あら、ちょっと……酷い恰好ですわね。それほどよれたメイド服は初めて見ましたわ」


オフェリーは自分の服を見て、ヴィダル伯爵家にいた時の服装のままでいることに気づいた。


「ああ、わかった!あなた、買われてきた異能者ですわね?トリスタン伯父様は、そういう子を集めていますもの。有事には国を守るために戦わせて、“使い捨て”にしますのよ」



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― 新着の感想 ―
いやいや、年頃の娘が「ガマガエル親父」などと結婚させられそうになったら、そりゃあ逃げ出したくもなりますって。
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