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バーサーカー、推しである悪役令嬢の破滅をぶっ壊す  作者: おとら@9シリーズ商業化


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ゴブリンジェネラル

前言撤回だ、どうやら前世の記憶は影響をかなりの与えているらしい。


…‥以前の俺だったら、こんなことはしなかった。


そもそも邪魔だから一人で行くと言っただろうし、一騎打ちのような真似はさせなかった。


何故なら守るべき存在であって、守られる相手ではないから。


だが今の俺は、相手の気持ちを考えてしまう。


それが良いのか悪いのかは、わからないが……それは後々わかるのだろうか。


そんなことを考えつつ、通路を抜けると……そこは凄惨だった。


「これは……」


「おえっ……」


「エレン、無理はするな。言った通り、お主は出口だけを守って待機だ」


 すでに事切れた四肢の取れた者、生きながら食われてる者、そして陵辱を受ける女性の姿もある。

 そして無数のゴブリンと、上位種の親玉であろうゴブリンジェネラルがいる。

 ……貴族として、騎士として、こいつらを生かしてはおけない。


「ギャキャ!」


「クギャー!」


「ゴァァァァ!!」


 ボスの声で、ゴブリンどもが一斉に向かってきた。

 それを確認しつつ、部屋の広さと天井を見上げて確認する。


「ここならこの剣が存分に振るえそうだ……覚悟しろ」


「ギャー!」


「ふんっ!」


 剣を水平に振るい、数匹まとめて両断する。

 ただ、こいつらは頭が悪いので、何も考えずに次々とやってきた。

 なので、同じことを繰り返すだけで良い。


「ギャー!」


「ケケッ!」


「失せろ」


そのまま駆逐していると、敵に動揺が走る。


「キキ……」


「クカカ……」


 どうやら恐怖心だけはあったらしい。

 数十体を倒したところで、奴らの動きが止まったようだ。


「どうした? もうおしまいか?」


「ゴァ……!」


「どうやら、こいつらは戦う気がないようだ。後ろに隠れてないで出てきたらどうだ?」


「ゴ——ゴァァァァ!!」


 二メートル近いジェネラルが、怯えるゴブリンを押しつぶしながら向かってきた。

 そして、俺に向けて大剣を振り下ろしてくる!


「どれ、一撃は受けてやろう」


「ゴァッ! ……ァ?」


 《《左手》》にて、その大剣を受け止める。

 魔力で肉体を強化すれば、造作もないことだ。

 そのことを理解できないのか、ジェネラルが戸惑いを見せた。


「民の痛みを思い知れ——シッ!」


「ゴギァァァァ!?」


 右に持っていた剣で、相手の腕を斬りとばす。

 本当なら命を弄ぶような真似はしたくない。

 しかし、これくらいはやらないと俺の気が済まない。

 ……後ろの牢屋にいる女性達や、転がってる死体などを見るとな。


「どうした? もう終わりか?」


「ゴガ……ガァ!」


 どうやら力量の差がはっきりわかったらしい。

 後ろに下がり、村人に駆けよろうとした。

無論、そんなことはさせるつもりはない。

 俺は一気に間合いを詰める。


「死ぬがいい——剛波一刀」


「ゴキャァァァ!?」


 魔力をまとい、神速の上段斬りをくらわす。

 それにより、相手は真っ二つになった。


「す、凄い……ゴブリンジェネラルが全く相手にならないなんて。しかも、剣が通った地面に穴が……」


「これくらい、訓練次第ではお主もできるようになる」


「ほ、ほんとですか!?」


「ああ、見たところまだ若い。これから、いくらでも伸びるだろう。一番大事なのは才能ではなく、何を成したいかという気持ちだ」


「……何を成したいですか?」


「例えば俺は民の盾に、そしてアスカロン家の者として強くなろうと決めた。それを成すために、幼き頃から鍛錬を積んできたつもりだ。その気持ちがなければ、どんなに才能があろうとも大成しないと思っている」


……偉そうなことを言うが、最近の俺は忘れかけていた。

自分の強さに酔ったり、戦うことを楽しんでいた気がする。

記憶を取り戻したと同時に、初心を思い出せたようだ。


「少し、考えてみます……貴重なお話をありがとうございました」


「いや、良い。さあ、生きてる者だけでも救うぞ」


「はいっ!」


 その後、牢屋を開けて解放したり、床に転がってる者を調べていく。

 どうやら、全滅ということはなかったらしい。

 あと来るのが少しでも遅かったら、もっと死人がいたに違いない。

 無論、それで救われるという話ではない。


「ここかっ!」


「俺たちも騎士様に加勢を!」


「……へっ? もう終わってる!?」


 どうやら、村人達が追いついてきたらしい。


「みんな遅いですよ! もう騎士様がやっつけてしまいました! 僕なんか、全然役に立てなくてさ……」


「いや、お主も良くやってくれた。松明といい、正直言って助かった」


「い、いえ、僕なんて……」


「自信を持つと良い。お主は怯えつつも逃げなかった、勇敢な戦士ということは俺が保証する」


「……そう言って頂けると嬉しいです」


 そして村人の協力もあり、どうにか一回で救出作業を終える。

 死んだ者は持ち帰れないので、外に出て火葬にするようだ。

 俺は村長とエレンの案内の元、村に帰還する。


「騎士様、この度は誠に有難うございました。村長として、お礼を言わせてくださいませ」


「いや、礼はいらない。俺は貴族として騎士として当然のことをしたまてだ。そもそも、我々の生活を支えているのはお主達なのだから」


「おおっ……エレンの言う通り、まさしく古き良き貴族様のようじゃ」


「……すまんが、否定はできないな。同じ貴族として、申し訳なく思う」


貴族は偉いもの、それが最近の風潮だ。

前世でもそうだが、いつの間にか一部の者達だけが富を得るようになってしまった。

……この前世の知識を使って何か出来ることはあるだろうか?


「いえ、アイク様のよう方がいたとわかったので希望が持てました。今日は、是非とも泊まっていってくださいませ」


「ああ、感謝する。すまんが、すぐに案内してくれるか?」


「ええ、もちろんです。エレン、案内してあげなさい」


「はいっ! 騎士様、こちらになります」


 俺はエレンの案内の元、空き家に入る。


そこは特に何もなく、殺風景な部屋だった。


 故にエレンが色々と用意すると言ったが、遠慮してそのまま雑魚寝をすることにした。


 流石に牢屋暮らしからの馬乗り、そして戦闘で疲れていたので……俺はすぐに深い眠りにつくのだった。


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