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バーサーカー、推しである悪役令嬢の破滅をぶっ壊す  作者: おとら@9シリーズ商業化


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12/18

不器用な二人

……待て待て、一旦落ち着こう。


俺は勝手に推しである彼女を助け、会うと戸惑うから会わずに去った。


その彼女が、俺の所に来る……いやいや! 心臓が持たん!


すると、セレナ様が悲しそうな顔をする。


「……やはり、迷惑ですよね……」


「い、いや、そういうわけでは……」


「ですが、先程から目が合いませんし……」


それは貴方が綺麗だからです!

銀髪は美しく輝き、目はぱっちり大きく、スタイルも姿勢も良い。

そもそも、女性経験が乏しい俺には難易度が高すぎる。

何より前世の記憶がある今……銀髪はずるいって。

俺は昔から銀髪の女の子に弱いのだ。


「あ、それは、その……」


「ん……兄さん、セレナ様が綺麗だから照れてる」


「……えっ? そ、そんな、私なんかで……」


「ほほっ、あの朴念仁のアイク様が……」


なんだ、全身がむず痒くなってきたぞ。

何か、これは良くない気がする。


「と、ともかく! 一旦落ち着くとしよう!」


「ん、兄さん以外は落ち着いてる」


「ぐぬぬ……」


「ですな……しかし、皆さん長旅で疲れているでしょう。要件はわかりましたので、まずは休憩にいたしましょうか」


「そ、それがいい。では、俺は少し素振りをしてきますので」


無礼だとわかってはいるが、俺は慌てて部屋から出て行く。


そして庭に出て、邪念を振り払うのだった。




部屋に案内された私は身嗜みを整える。


そして鏡に映る自分を見て……ため息をつく。


「やっぱり、ご迷惑だったかしら……慌てて部屋を出て行ってしまいました」


それはそうよね、私なんかが来ても。

昔から無愛想だし、正論ばかりいうから男の人には嫌われてきた。

見た目だけは男好きするらしく、たまに変なのは寄ってきたけど。


「良く王太子様にも、可愛げがないって言われてきた」


女は意見するなとか、三歩後ろを歩けとか。

だからこそ、王太子様はああいった守りたい系の女の子に惹かれたのかな。

私は無駄に行動力があって、気になると動いてしまうし。


「だから今回もどうしてもお礼がしたくて……自分勝手よね」


それに、勢いで手とか握ってしまった。

アイク様が部屋を出て行ってしまうのも無理ない。

男性は皆、奥ゆかしい女の子が好きだもの。


「わ、私だって、あんなことするつもりはなかったのに……うぅ」


全然目を合わせてくれないから、ついやってしまった。

不謹慎だけど、その手の大きさにドキドキしてしまったり……って何を言ってるのかしら!?

私が頭を抱えていると、部屋をノックする音がする。


「あら、どなたかしら?」


「セレナ様、サーラです。部屋に入ってもよろしいですか?」


「ええ、どうぞ」


「ありがとうございます」


私は扉を開けてサーラさんを招き入れる。

華奢で金髪のサラサラヘアーで、とても可愛らしい。

身長も、私の肩くらいでしょうか。

そのまま二つある窓際の椅子に座る。


「それで、何かお話が……?」


「はい。兄さんは口下手なので、私が代わりに来ました。まずはセレナ様がお礼をしたいといった件です。申し訳ありませんが、何が出来るか聞いても良いですか?」


「もちろんです。私は水属性でもある回復魔法を使えるので、少しはお役に立つのかなと。それと生徒会に属していたので、事務作業などもお手伝い出来ることがあると思いました」


自分で言うのもなんですが、水属性の一種である回復魔法の使い手は珍しい。

私はいざという時に王太子様を治せるようにと努力をしてきた。

生徒会も王太子様の婚約者として恥ずかしくないように入り、庶務の仕事をしてきたり。


「確かに回復魔法は私達の領地にとっては助かりますね。国境では常に戦いか起き、兵士達は傷ついていますし。事務の仕事も、うちは脳筋が多いので有難いです」


「そ、それでは……」


「ん、私としては問題ありません。ただ、決めるのは当主である兄さんなので」


「あっ……そうですよね」


今の所、私はアイク様に迷惑しかかけてない。

最初に助けてもらった時に牢屋に入れられ、借金を払ってもらって。

おまけに恩を返すつもりが、また助けられてしまった。

でも……あの時のアイク様、かっこよかったなぁ。


「ん、これは脈アリと見た。それに、性格もめちゃくちゃ良さそう」


「へっ? 今、何か……?」


「いえ、何でもないです。では、兄さんは私が説得します」


「……良いのですか?」


「はい、任せてください。では、早速行ってきますので」


そう言い、颯爽と部屋から出て行く。

すると、窓の外から何やら声が聞こえる。

覗いてみると、庭でアイク様が素振りをしているようです。

私は、それを夢中で見てしまうのでした。








皆様、本作を読んでくださりありがとうございます。


もし少しでも面白いと思った方、よろしければブクマや⭐︎などで応援してくださると嬉しいです。

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