18.元カノ集合
ネロの元カノたちがひとつの空間に集められたという、もしものお話。
雪深:音色君、こんなに付き合ってた人いたんだ。私が初めてじゃないのは知ってたけど、ちょっとショック。
立葵:知らなかったの?
雪深:彼、優しいから。きっと、私のために黙っててくれたんですよ。
立葵:好きに解釈すれば?
雪深:さっきからなんなんですか、あなた。
立葵:何よ。
姫空:ふたりは知り合いなの?
雪深:まぁ。知り合いになりたくなかったけど。
立葵:それ、こっちの台詞。
姫空:ふーん。
雪深:で、彼について話すんでしたっけ? その前に、お互い自己紹介しませんか? この人以外、初めましてなんで。
姫空:いいけど、この数字って何?
雪深:私が「四」であの人が「五」だから、付き合った順とか?
立葵:つまり、私が音色の最後の元カノってわけね。
雪深:だったらなんだっていうんです?
立葵:別に?
姫空:どうでもいいよ。一番の人からどうぞー。
Lucie:私?
雪深:日本語わかるんですね。
Lucie:よくわかんない。なんで通じるの?
姫空:そういう空間なんじゃない?
Lucie:ふーん。私、Lucie。フランス人よ。ネイロにとって初恋の相手ね。ま、子供の頃の話よ。祖父同士が仲良かったの。
雪深:つ、強い……! 初恋は強すぎる!
Lucie:キスの仕方も、私が教えたのよ?
立葵:へぇー。ファーストキスの相手なんだ。
Lucie:違うわ。それは二番目。最初の相手は彼から聞いたけど……知らない方がいいかもね。
姫空:え、気になる。
Lucie:私、彼のこともう好きじゃないの。このくらいでいいかしら?
雪深:好きじゃないんだ。……それなら安心。
姫空:じゃ、次の人ー。って、有名人だから名乗らなくても知ってるけど。後でサインちょーだい。いい?
Kamaria:えぇ、もちろん。私、Kamaria。ネイロがアメリカにいた頃に付き合ってたわ。よくジャズのセッションをしてた。Lucie。あなたのことも、彼から教えてもらった。
Lucie:あっそ。
Kamaria:本気で彼を愛していたの。事情があって離れることになったけど、ずっと彼を想っていた。でも……。
立葵:でも?
Kamaria:あなた、私のライブに来た?
立葵:最高だった!
Kamaria:……ありがとう。もういいわ。次、どうぞ。
姫空:もういいの? あ、私姫空。小五から中一の終わりくらいまで付き合ってたよ。部活も同じ。振ったの私だけど、惜しいことしちゃったなぁって今でも後悔してる。
雪深:後悔?
姫空:だって、彼の実家知ってる? 超お金持ちだよ?
立葵:玉の輿狙ってた感じ? 一緒ね。気が合いそう。ちなみに、音色は今企業してるから社長よ? 残念だったわね。
姫空:クソーッ!
雪深:そんな理由で付き合うなんて、信じられない! あ、高校の時のカノジョの雪深です。私も同じ部活でした。
姫空:じゃあ、なんで付き合ったの?
雪深:……顔。超タイプ。
立葵:そっちだって大した理由じゃないじゃない。
雪深:うっ……。
立葵:私はね、彼の将来性に期待してたの。あ、音色の家庭教師だった立葵よ。今も仕事で関わってるんだけど、どう? 羨ましい?
雪深:うぅ……。
立葵:でも心配いらないわ。私既婚者だから。
雪深:そうなんですか!? え、その性格で!?
立葵:どういう意味よ。
姫空:私も。バイトの先輩と。マジ、玉の輿失敗したー。
Kamaria:私も最近アプローチしてくれる人がいる。
姫空:大スクープじゃん! 誰? 俳優? スポーツ選手? どっかの社長?
Kamaria:ダンサー。ちょっとネイロに似てるの。そろそろ応えてあげようかなって思ってる。
Lucie:奇遇ね。私の夫もなの。息子もそっくりよ。
雪深:みんな相手いるんだぁ。
立葵:女の磨き方、教えてあげよっか?
雪深:結構です! 私には音色君との思い出が……っ。
立葵:思い出して興奮でもした?
雪深:してま……すけど……。
姫空:わかる。なんかたまに色気あるよね。キスもスマートだし、ほかの同級生と違った。
Kamaria:彼のパパも色気がいつも漏れてる。きっと遺伝ね。
雪深:音色君、今どんな人と付き合ってるのかな?
立葵:知らないの? 私知ってるけど。
雪深:どういう人ですか!?
立葵:……知らない方がいいかもね。
雪深:なんですかそれ!
姫空:ちょっと気になるかも。
Kamaria:私も。あなたは?
Lucie:どうでもいい。




