表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
がんばらんば〜Another〜  作者: 尋木大樹
ショートストーリー

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/52

17.情報過多

ネロパパがアパートへ訪問してきた時のお話。

ネロ:それ、どうしたの?


(りつ):ん?


ネロ:頬。両方ちょっと腫れてる?


律:あぁ、これ? まだ赤い?


ネロ:うん。


律:ちょっとビンタもらっちゃってね。


ネロ:は?


律:あはは。僕が悪いから別にいいんだけどね。痛みもだいぶ引いてるし。で、音色(ねいろ)は勉強中だった?


ネロ:午後から部活だから、その前に調べ物してた。ジジイがこれやりたいって言ってきたから。


律:ブラームスの『ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲』かぁ。……え? これって音色が小さい頃、ふたりが喧嘩して仲直りするためにやった曲だろ? また喧嘩したの?


ネロ:ううん。オンラインでもいいから、また一緒に演奏してみたいんだって。


律:ウィーンでやった演奏会がよっぽど楽しかったのかな?


ネロ:で、なんの用?


律:あ、そうだった。音色にね、報告があるんだ。


ネロ:報告?


律:えっと……あぁ、これこれ。このパパと一緒に写ってる人ね、Kamaria(カマリア)と仕事してて出会った音楽プロデューサーなんだ。


ネロ:このおっさんが何?


律:おっさんって……。この人の実家に招いてもらった時に彼の両親を紹介してもらったんだけど、びっくりしたことがあってね、彼の母親が僕の元婚約者だったんだ。


ネロ:……は?


律:前に話さなかった? 若い頃に婚約者がいたんだけど浮気されてて、しかも相手の男は既婚者だったわけ。で、相手の奥さんから訴えられた彼女が僕に助けを求めてきたから仕方なくお金を渡したら、次の日駆け落ちしていなくなってたって話。


ネロ:そうだっけ? ……え? その自分を捨てた女と相手の男に会ったってこと? 修羅場じゃん。


律:そうでもないよ。もう過去の話だからね。だって、まだ十代の頃だよ? 若すぎる婚約者を前にして、彼女も将来への不安を感じていたようだ。それに今の僕は(しずか)に夢中だもの。みんなでお酒を呑んで、その日は仲良く楽しんだよ。問題はそこじゃなくて、プロデューサーの彼が父親に似てないってこと。


ネロ:まさか……。


律:そう。彼、僕の息子だったんだ。つまり、音色のお兄ちゃんだね。びっくりだよ。


ネロ:マジか……。


律:その息子にはさらにふたりの子供がいるんだ。知らぬ間に、僕には孫が産まれていたようだね。ネロから見たら甥っ子かな? ひとりはダンサーで、Kamariaとも共演してたよ。もうひとりはフランスにいるらしい。結婚して子供も産まれたそうだけど、残念ながら今は連絡が取れないんだって。でも、ひ孫までいるなんてね。会ってみたかったなぁ。その話を北海道の静の実家でしたら、お義母さんにビンタされちゃった。


ネロ:なんで北海道に?


律:うん、あのね。音色もお兄ちゃんになるよ。


ネロ:…………は?


律:静とその報告をするために日本へ来たんだ。そしたら、お義母さんに二回目のビンタされちゃった。静は大自然の中、世話になった民族がいる場所で産みたいとか言ってるんだけど、お義父さんたちは大反対しててね。音色みたく自分たちが面倒を見るって言ってるんだ。ま、静が子育て上手じゃないのは僕も同意。ウィーンからヘバメを呼んで、今度こそ麻酔かけて和痛分娩できる環境をちゃんと整えるって言ったら、静も日本で産むことにやっと承諾してくれたよ。だから、暫く北海道の家で住むことになったんだ。


ネロ:……。


律:音色は残りの大学生活満喫しなきゃだし、会社も作ったばかりだもんね。忙しいだろうけど、可愛い赤ちゃんを見に会いにきてくれると嬉しいな。じゃ、帰りの便に乗り遅れないように、パパはもう行くね。








実音(みお):ネロさん、いつにも増して疲れてません?


ネロ:ちょっと情報オーバーロードで……。


実音:?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ