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がんばらんば〜Another〜  作者: 尋木大樹
ショートストーリー

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45/50

14.大所帯あるある

初めての本番を終えた巴子と北浦が帰宅中の時のお話。

北浦(きたうら):今日の本番、楽しかったね!


巴子(はこ):うん。お客さんの笑顔が忘れられん。


北浦:実音(みお)先輩たちもすごかった! 早く私も楽器で出たか!


巴子:そうだね。……ねぇ、奈也(ななり)は先輩たちの名前、全員覚えた?


北浦:え?


巴子:私、こういう部活って初めてでしょ? こんな人の多かところ、まだ慣れんのよ。パート単位で行動するし、ダンスの子で固まっておったし、合奏に出とる一年生の名前も言えるか怪しか。


北浦:確かに!


巴子:役員の先輩とダンス係の先輩はわかるよ? それ以外は自信ないかも。最初の楽器体験で喋っとっても、名前は聞いちょらんもん。あの時はいろいろ初めてだったけん、ジャージに書いてあるのを見る余裕もなか。


北浦:男子の先輩は? 少数で目立つよ。


巴子:ちゃんと名前言えるのは、プリンス先輩くらいかな。


北浦:そっか。大きい便利屋先輩とか、背高いヌイヌイ先輩は覚えられたよ。……あ。あと私あの人もわかる。


巴子:誰?


北浦:ツクモン先輩。ベニ子先輩と同じサックスの人。自分を売り込んだ時に話した。


巴子:売り込んだ?


北浦:シナリオ係っていうやつの人なんだって。で、去年の劇の台本書いたり演技の指導したらしいよ。だから、次の劇でメインで使ってもらえるように頼んどいた。


巴子:売れない役者のやり方みたいだね。で、どうだったの?


北浦:なんか二年生が主導でやるとかで、配役に口出しするつもりはないとか言われた。ばってん、元演劇部の発言は強そうやもん。そこをなんとかってお願いしといたよ。


巴子:奈也は積極的だね。


北浦:人生は一度きりよ? やれるもんはなんでもやっときたかね!


巴子:ふふ。そっか。……あ。お疲れ様です。


北浦:お疲れ様です!


??:おっつー。


巴子:今のはえっと……。


北浦:トロンボーンの人じゃなかった? えっと……グッチ先輩!


巴子:あ、そうだ。パートリーダー(パーリー)窄口(さこぐち)先輩だ。


北浦:あ、お疲れ様です!


巴子:お疲れさ……まです。


??:おっつー。


北浦:またグッチ先輩だ。瞬間移動?


巴子:いや、違うでしょ! たぶんもうひとりの先輩だよ。あそこ、双子みたいな先輩がおったはず。


北浦:あー、えっとー……なかちゃん先輩だ!


巴子:え、どっち? どっちがどっち!?


北浦:うーん。そっくりだったね。全くわからん。








北浦:ってことがあったんですよ。実音先輩、あれはどっちだと思います?


実音:その話だけじゃ私にもわかんないや。


巴子:覚えたい気持ちはあるんです。あるんですけど、名前と学年と楽器を覚えんとで……。おまけにニックネームで先輩たちが呼び合っとって、余計訳わからんことに……。


実音:そうだよね。でも、私は一年生と接する機会があるからまだいいけど、そうじゃない部員はまだ新入生全員を把握できてないと思うよ。お互い様だし、名前言えなくて失礼になるとかないからね。


北浦:先輩側もそんなもんなんですね。


巴子:実音先輩も、部員を覚えるのに苦労しました?


実音:うん。わかんない時は、とにかく先輩っぽい人に挨拶してたよ。普段の学校とかですれ違った時なんか、たまに吹奏楽部(吹部)以外にしちゃったこともあったね。


北浦:あ。私もよく知らん子に挨拶されます。たぶん同じ一年生なのになぁ。


実音・巴子:(だろうね)


北浦:とりあえず、会う人みんなに声かけていきます!


巴子:覚えることいっぱいだなぁ。


実音:焦らずゆっくりね。


巴子・北浦:はい!

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