表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
がんばらんば〜Another〜  作者: 尋木大樹
ショートストーリー

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/50

3.実音、先頭を歩く

実音が小学生時代、サン=サーンスの『動物の謝肉祭』を部活で演奏することになり、勉強のために部員みんなで動物園へ行った時のお話。

実音(みお):バスに忘れ物してないですか? ……大丈夫だね。園内は広いので、迷子にならないようにちゃんと二列でついてきてください。あと、ほかのお客さんもいるし、動物も寝てるかもしれないので、騒がないように気をつけてください。


部員たち:はい!


実音:じゃあ、行きます。








部員A:ペンギン可愛い! ヨチヨチしてるね!


部員B:シーッ! 声、大きいよ。


部員A:あ、はーい。……止まんないの? ゆっくり見たいのに。これ、水族館の場面じゃないの?


部員B:後でまた来るんじゃない?


部員C:今どこに向かってるの?


部員D:なんか実音ちゃんが「完璧なルートで進む」って言ってた。


部員C:ふーん。猿見たいなぁ。


部員D:猿は関係ないでしょ? あ、ピアノ置けばいいのかな?


部員C:えー。弾いてくれるかな? やっぱそこは人間じゃないと。でもそれとは別で猿見たい。


部員E:鈴木さん、今日は来てないんだね。


部員F:ママたちに写真撮ってもらって、今度来た時に見せてあげようよ。


部員E:そういえばハル先生たちは?


部員F:先にお昼休憩の場所で待ってるって。奥さんがおにぎり作って持ってきてくれたらしいよ。


部員E:え、楽しみ!


部員F:ね! ママのお弁当も美味しいけど、奥さんお料理上手だから、おにぎり早く食べたいね。


保護者A:みんな全然止まんないね。どこまで行くつもり? なんだか四年生の子たち疲れてない?


保護者B:というか、ここさっき通らなかった? 入り口の方に戻ってる気が……。


保護者A:ねぇ。みんな何見に行くところ?


部員A:さあ?


部員B:部長についていってるだけだもんね。……ん? 後ろの方で誰か叫んでる。


部員A:あ、走ってきた。


副部長:実音ちゃん! 道違くない!?


実音:…………あれ?








春里(はるさと):園内のマップ見て、事前にルートを確認したんじゃなかったのか? そう言ってたもんな?


実音:……しました。


春里:だったら、なんで午前中ほとんど動物を見れてないんだ?


実音:わかんないです。


春里:ん?


副部長:実音ちゃん、マップのとおりに進んでたつもりなんだよね?


実音:うん。曲の順番に沿って見ようと思って、まずはライオンのエリアに行きたくって……。


副部長:でも、全然そこに着かなかったんだよね?


実音:うん。ごめんなさい。


副部長:私も後ろの子たちを見るのに精一杯で、道順が合ってるのか確認してあげられなかったです。ごめんなさい。


春里:謝るならみんなにだろ?


実音:はい。


副部長:はい。


春里:ご飯食べたら、移動する前にみんなに言うんだよ。それにしても、いつも迷うことなんてなかったのに、こんな目印の多い場所でどうしてこうなるかな?


副部長:知ってる道なら大丈夫なんじゃない?


実音:うん?


副部長:ホールはさ、何度も行ったことあるから迷わないでしょ?


実音:あ、うん。


副部長:初めての場所だと、マップ見ても実音ちゃんには難しいんだよ。ごめんね。実音ちゃんの方向音痴度、私ナメてた。


実音:……方向、音痴?


春里:なんだ、迷子になったことがあるのか?


実音:えっと…………あ、はい。


春里:まぁ、誰にでも苦手なことはあるからな。午後はふたりの位置を入れ替えなさい。いいね?


実音:はい。


副部長:はい。実音ちゃん先頭にしたら、いつまで経っても辿り着かなくてみんな化石になっちゃうもん。


実音:へ?


春里:お、上手いな。


実音:え?


春里:雅楽川(うたがわ)さんはこの先、初めて行く場所は必ず誰かに案内してもらいなさい。


実音:……はい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ