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がんばらんば〜Another〜  作者: 尋木大樹
番外編

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20/27

おまけ.ファン

 たまたまネットで実音(みお)ちゃんを観た時、「なんて可愛い子がこの世界にいるのだろう」と思った。テレビの切り抜き動画のコメント欄や掲示板は、素人の小学生に大盛り上がり。俺は毎日彼女について情報を探した。東京にいるあの子に会いたくて、一回だけ夜行バスに乗って会いにいったこともある。残念ながら見つけることはできなかったけれど、同じ空気を吸えていると思うだけで心が躍った。

 学校で虐められたり職場でパワハラされた時、いつも実音ちゃんが頑張っていた姿を思い出した。彼女は俺を精神的に支えてくれる存在なのだ。








 吹奏楽には興味がなかった。というより、音楽自体苦手だ。でも実音ちゃんに関するネットの動画や記事が減って暫くしてから、俺はレベルの高い団体の映像を観るようになった。あれだけ顔面偏差値が高く楽器も上手い子なら、絶対にまたネットに出回ると思ったからだ。そして、ついに見つけた。

 発見したのは、長崎にある大学の数ヶ月前に行われた演奏会。成長していても楽器が変わっていても彼女は可愛いく、綺麗さも足されていた。大学生と共演した学校名はすぐにわかり、実音ちゃんの今所属している場所が判明した。今後の演奏会のスケジュールをチェックし、俺は長崎に向かった。

 初めて実音ちゃんを生で見たのは、小さな公民館だった。周りは鉄道オタクだらけ。その中で彼女は俺に笑顔を向けてくれた。それに、終わった後にもう一度顔を出しにきてくれた。俺の送った視線に気づいたようでキョロキョロしている。顔が緩み手を振りそうになったが、ここは男らしく自然を装った。

 次に長崎に行けたのは商店街での演奏。こっそりカメラで撮っていると、知らないおばさんに注意された。邪魔が入り残念だった。俺は実音ちゃんを全世界に広めたいだけなのに……。

 俺はその後も実音ちゃんを目当てに、高校生のアマチュアバンドを追い続けた。それだけに終わらず、撮った写真や動画やテレビ出演時の映像などを編集して、ネットにアップした。ブログでも紹介し、可能な限り魅力を伝えた。すると、彼女を覚えていた者たちが徐々に反応してきた。全部俺のおかげだ。みんな感謝してほしい。








 俺はふと、不安になった。

 実音ちゃんが有名になるのは、とても喜ばしいことだ。しかし悪質なファンが増えていき、いつか彼女に危害が及ぶかもしれない。

 今度、文化祭がある。誰でも入れてしまう行事は危ない。俺が守らないと! それにあわよくば、あの子に直接会えるかもしれない。


 俺は実音ちゃんの盾となるための道具を準備して文化祭中の高校へ潜入した。そして、二日目にしてようやく居場所を突き止めた。

 彼女がいるであろう調理室の前で、俺はずっと念を送るのであった。

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