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交通事故は時に故意

それにしても、今日はやけに暗殺者が多い。

朝の空気は澄んでいて、陽光が街の隅々まで差し込んでいるというのに、路地裏には殺気が満ちている。

懸賞金の引き上げが行われたとはいえ、ここまで増えるものか?

まるで血の匂いに誘われた獣の群れだ。


「今日なんか、人多いね」


愛桜が気づくほどだ。彼女の無垢な声が、逆にこの異常事態を際立たせる。

恐らく、いつもの三倍近くはいる。

持ってきた鉛筆が足りなくなりそうだ。

まぁ、そうなったら敵の武器を使うしかない。

だが、愛桜のそばではそれも難しい。


「それにしてもいいお天気だね、ぽかぽかだよ…」


彼女は太陽のように無邪気だ。

俺には少し暑いくらいだ。

はぁ…はぁ…

何人殺しただろうか。朝っぱらから疲れさせんなよ…


『おい、オリオン、ちゃんと狙撃してんのか?全然減ってねぇぞ!』

『うるせぇ、てめぇがめちゃくちゃに殺すから狙撃しにくいんだよ。もうちょい丁寧に殺せや、ボケ!』


このままだと、いつか愛桜に刃が届いてしまう。

やはりこの量を一人で捌くのは無理があるか…

急にどっと増えやがって、クソ野郎どもが…


『おい、オペレーター、俺一人じゃ無理だ。近接戦闘員を配備しろ!』

『すでに配備済みです。プリンセスを配備しました』


まじかよ…よりによってプリンセスか。

腕は立つが、殺しを楽しむ殺人鬼だ。

ビシャビシャ血を吹き出してくれちゃ困るぜ…


『おい、プリンセス!一般人の護衛対象がいる。あんまし血を吹き出させないでくれよ』

『まぁ極力そうするよ。まぁ、私の好きなようにやるさ』


終わった…こりゃあ最悪、気絶させるしかないか…


「彁絲くん」

「うん?どうしたの?」

「いや、ちょっと一瞬だけ怖い顔になったからさ…」


そりゃなるさ。

なんだよこの量、いつもの五倍はいるぞ。

今日殺すとボーナスでも出るっていうのか?


少しずつ、鉛筆を再利用して殺しているが、先端が折れるともう刺さらない。

しかし、愛桜が近くにいる以上、相手のナイフを奪って殺すわけにはいかない。

サイレンサー付きの銃とはいえ、音は出るし、デカいし…


『おい、霊車が来てるぞ!気をつけろ!』


なっ…!


「愛桜!」


くそっ…間に合わない…

少し痛いかもしれないけど――


「このぉ!」


愛桜を抱き寄せ、向かってくる車を殴り進行方向を変える。

拳に伝わる衝撃と、骨が軋む感覚。

「っ!さすがに素手はいてぇな…」


愛桜は…気絶してるか…

彼女の顔は穏やかで、まるで眠っているようだ。


「あっ、もしもし警察ですか?はい、事故です…はい、運転手が恐らく死亡しているかと…はい、それ以外は怪我人なしです。はい、よろしくお願いします」


おっけー。たぶん運転手は死んでない。

とどめ刺しに行くか…

いや、俺は愛桜を守ってないといけないんだった。


『おいプリンセス、今事故った運転手にとどめを刺しといてくれ』

『ったく…人使い荒いんだよ、てめぇは』

『わるいな。でもまぁ一応ランクでは俺のほうが上だ。業務命令だ』

『ちっ…』


さて。あとは学校に連絡して、警察が来るのを待つだけだな…


『終わったよ。八回くらい刺しておいた』

『やりすぎだよ、馬鹿野郎が…ちゃんと証拠が残らないように刺したんだろうな?』

『当たり前だろ。いくら何でもF1のことなめすぎだぜ…』


いやぁ、普通のF1なら信用できるけどさ…こいつは信用ならんすぎる…


「こんにちは、事故現場はこちらでしょうか?」


おぉ、結構早く着いたな。まぁ近くではあるか…


「はい、ここです。幸いぶつかりはしませんでした…しかし先ほど確認したところ、運転手の方は死亡しました…」

「わっ、わかりました。あとはこちらが行いますので、一応あなた方も病院を受診してください」


仕事できなそうな警察だなぁ…

まぁ結局はDELETEがどうにかすることになるのだろうから…


『それじゃぁ、あとは俺一人で大丈夫だから、プリンセスもオリオンもありがとう。おつかれさん』


さて、あとは学校に連絡して病院だな。


「おはようございます、2年3組12番の神楽木彁絲です、いま事故に遭いまして、私と2年3組4番一条愛桜で病院を受診します、遅刻ということでお願いします」


よし…これで任務完了あとは病院行くだけ…

DELETEの息がかかった病院は…ちかくの総合病院もカバーしてるのか…さすがだな…


『いまから病院受診するおれは検査不要、愛桜の検査の準備手配をしてくれ』

『了解しました、霊、司令がDELETE本部にお呼びです今週末いらしてください』


ん?なんだろう…

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