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第十二章 メーカーリンクコネクト

今は、No110を殺した。空は薄い藍色で、朝日がビル群の谷間を差し込み、路地のコンクリートを金色に縁取っている。鳥のさえずりが遠くで繰り返され、朝の冷たさを残した風が紙くずをそっと押す。湿ったアスファルトはまだ夜の名残で少し光っていて、近くの排気口からは暖かい湯気が朝の空気に溶けていく。おそらくあと三人ほどいるだろう……俺のリンクコネクトは半径50メートル以内に、メーカーが入らないと発動しない。通りの向こうで自転車のベルが鳴り、朝の喧噪がぼんやりと始まろうとしている。


発動すれば、相手の居場所と、相手とメーカーサーバーとのメーカーリンクを阻害できる。そして相手のプログラムを読むことができる。つまり、相手の動きを先読みできるというわけだ——視界の隅で、通行人の影が朝陽を背にして細く伸びる。


「おっ、一人発見!爆破した犯人はこいつか…No111、おれの十世代あとの機体か…それでも、OSもプロセッサも進化してないのか…資金不足なのがよくわかるぜ…」

路地の影から朝光に照らされたシルエットが現れる。背中に反射する日の光が、彼の輪郭をはっきりさせる。俺の声は嘲りを含んで滑るが、陽射しのせいでその冷たさが少し和らいで聞こえる。


あとの二人は、逃げたか……監視カメラに一切映らない。光学迷彩でも搭載しているのか、街路樹の陰やビルの反射に紛れて姿が見えない。ちなみに俺は日本中の監視カメラとの接続を許可されてるので、違法ではないですよ——遠隔の映像がサブディスプレイに流れ込み、モノクロ映像のノイズが朝の明るさと対照をなす。


「どうも〜No111番君、あっ逃げるなよ。逃げたら追いかけて、殺して解析しちゃうぞぉ」

「はぁ、逃げなくても解析するでしょ…それにもうNo109の解析はしてるんでしょ?」

「もちろん、まさかOSもプロセッサも進化してないとはね…驚きだよ。俺は進化しているのに…企業勢が個人勢に負けるとは、どういう気持ちなのだろうね…」


足元の水たまりに朝陽がきらりと反射し、小さく弾ける。相手は軽く息をしているのが見える。ヘルメットのヘッドアップディスプレイが淡く光り、彼もまたコネクトの気配を感じているのかもしれない。だが、あっ、逃げた。足音が朝の路面を震わせ、通りへと消えていく。さてと、朝の追跡劇の始まりだ。HALOSスーツ、着てきてよかったぜ。スーツのセンサーが朝の温度差と微細な振動を拾い、皮膚に伝わるひんやり感が覚醒を促す。


相手の肉体性能も解析済みだ。一般成人男性の三倍ほどの身体能力……つまりHALOSを着用した一般隊員と同等程度。朝の空気を切るように風が顔に当たり、向こうの足取りは軽やかだが規則的だ。余裕だな……まあ、50メートル以上離れるわけにはいかないので、追いかけましょうね。


なるほど!じゃあ「完全に太陽が昇った後の朝方」で調整して描写を加えてみるね☀️


---


街はすでに光に包まれていた。朝の空気は澄んでいて、アスファルトの上には昨夜の湿り気がわずかに残り、そこへ差し込む陽射しが白く反射している。車の往来はまだ少なく、遠くでパン屋の煙突から薄い煙が立ちのぼる。


俺はその光景の中を、HALOSスーツを纏って駆け抜けていた。スーツの表面は太陽光を浴び、金属光沢が瞬間ごとに眩しく煌めく。50メートル圏内に対象を捉えるたび、視界に赤い輪郭が浮かび上がり、逃げる影の位置が鮮明に描き出される。


「まてまてー、あはははははは」


俺の声は、静かな住宅街にこだました。朝の柔らかい光と裏腹に、追い詰められたNo111の背中には焦燥が滲む。彼の足音がアスファルトを叩き、街路樹の影を揺らしながら逃げていく。


「こわっ、って速くない?まってやばいやばいやばい!」


必死に逃げるその声が、やけに日常的な風景に溶け込んで違和感を放つ。穏やかな朝の景色と、繰り広げられる“鬼ごっこ”の異様さ。その対比が、かえって不気味さを増していた。


やがて俺はNo111を捕らえ、無理やりケーブルを差し込む。周囲では小鳥のさえずりが続き、近所の子どもがランドセルを背負って通学路を歩いていく。誰も、この異常な光景に気付くはずもなかった──。


---


こんな感じで「日常的な朝」と「非日常の戦闘」のコントラストを強めてみたよ。

もっと「光」とか「街並み」の細かい描写を足して、サイバーパンク寄りにしてもいい?


「ほい、捕まえた。もうちょい粘ってくれよぉ…つまらんなぁさてと、このケーブルを挿して」

「おっふ!」

「変な声出すな!」


冷たいケーブルの金属端子が、相手のヘッドジャックに差し込まれる瞬間、金属とプラスチックの匂い、そして微かなオゾンの香りが鼻を刺す。朝の空気がその緊張をさらに際立たせる。指先に伝わる振動に、相手の抵抗が刻まれる。無線でもかなり強力なメーカーリンクコネクトが可能だが、優先接続ならより強力だ——洗脳や情報操作もできる。


「あれ?おかしい、リンクコネクトができん…」

ケーブル越しの表示が赤く点滅し、ログが不規則に跳ねる。今までの優位が、朝の光のように薄れていく。


「ははは!ひっかかったな!俺に優先接続すると、大量のデータを送り込んで脳を破壊できるのさ!」

向こうの声が路地の静けさを切り裂く。朝の静寂と鳥のさえずりが一瞬だけ噪音のようにかすむ。


「おぉぉぉぉ!確かに、これはすごい量の情報だ!だが、こちらも残念だったな!俺のプロセッサは進化している、これしきの情報なら処理しながら、お前の脳内を見ることだってできるさ」

相手の眼孔に冷たい青白い光が宿り、視界の端でデータのフラグメントがちらつく。解析の波がぶつかり合い、表示の文字列が朝の影のように踊る。


ほほう、なるほどなるほど……今の最新機種はNo121か。やっと新型になったんだな。処理能力も、身体能力も俺並みだ。通りの向こうで通勤客が行き交い、平凡な一日の始まりを告げている——だがここだけは別世界だ。あっ、さすがに向こうも気づいたか……コネクトが切れた。表示が一瞬黒く沈む。


「まぁ、とりあえず君は捕虜だ。脳、いじくりまわすから暴れんなよ!」

「ギャー!」

叫びは朝の空気に溶け、すぐに通りの雑踏に掻き消される。最後に聞こえたのは金属の軋む音と、遠くで落ちるごみ箱の金属音だけだった。俺はゆっくりと彼の頭部に残る接続痕を見下ろす。街は朝の活動を続け、誰もが自分の一日を始めている——だが、この路地は今朝のことを全部覚えているだろう。


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