39-1 対抗
テントの外から喧嘩の声が聞こえてきて、どんどん大きくなった。
声は大きくなり、彼らの会話さえかき消すほどになった。
ジコクは外にファンフノさんの声があるのを聞き分け、深くため息をついた。
彼は今も第四焼却炉の職員だ。自分が対処すべきだと思った。
ジコクはテントから出て、禿げた芝生の上へ出た。他の二人もついてきた。
チャくんは猫の手人形をポケットに押し込んで、一緒に持ち出していた。どうやらこの誰もが立ち入れる場所に、あれを一人置いていくのは不安らしい。
他の家財の方がよっぽど危ない状況なのに。
禿げた芝生の上の抗議者は、ジコクがここに来てから見た中で最多だった。
彼らが持ち込んだ照明器具で、場所全体が昼間みたいに明るく照らされている。
馴染みの顔ぶれは全員揃い、犬や、歩けるようになったばかりの幼児、歩けない赤ん坊を親が抱いた姿まで加わっていた。
比較的体格のいい人々が前衛に立ち、魔法師部隊の障壁法術を押し、規制線を突破しようとしている。
ファンフノさんは群衆の後方で、大きな木箱の上に立ち、一番高い位置から絶え間なく金切り声を上げていた。「あいつら、焼却炉を修理する気よ、絶対に成功させちゃ駄目!」
魔法師部隊の人々は障壁を維持しながら、必死に民衆へ説明しようとしている。中に危険な指名手配犯がいる、内部のポルターガイストエネルギーが異常で爆発の恐れがある、今は戦闘区域でいつ死人が出てもおかしくない……
だが、抗議の群衆の殺気立った叫び声が、それ以外のすべての音をかき消していた。
障壁が損傷しては補修され、ひどいときは一面にひび割れが走り、後退して再構築する。禿げた芝生の端からずっと後退し、もうテントに切り込みそうになっていた。
これ以上退くことはできない。
魔法師たちは仕方なく、より硬い護壁法術を使わざるを得なくなった。それで抗議の群衆はぶつかって青あざや打撲を負い、ますます怒り狂った。
「この暴力野郎ども!」誰かが、最初から反撃せず、ただ消極的に護壁を張ってるだけの魔法師たちへ向かって怒鳴り始めた。それから、割れたレンガを投げつけた。
「こんなに大勢を送り込んで民衆を鎮圧するなんて、これが政府のやり方か!」ファンフノさんは甲高い声で叫んだ。「嘘ばっかり言うな! 指名手配犯なんて言い訳まで口にできるんだから、何を言っても驚かないわ!
お前たちは焼却炉を守りに来たんでしょう? 民衆の声を抑えつけるためにわざわざ来たのね。焼却炉をあと三十年も稼働させるつもりなんて、次の世代のためにも絶対に許さないわ!」
隊長は確かに焼却炉を修理する気だったし、指名手配犯の件は元を正せば嘘だ。でも、誰一人として彼らを狙って来たわけじゃない。
ナモは片手を額に当て、強烈な光を遮った。「なんか、ミヨ学院長が一つあそこにいるみたいだな」
「二ついるよ」ジコクは言った。笑い皺の妖怪は一対だもんな。彼は言い終えてから気づいた。ファンコノさんがいない。
心底見たくなかったから、積極的に探してなかった。だから、いないことにも気づかなかったんだ。
「妖怪が一つ欠けてるって、ろくなことじゃないよ」ナモは首をすくめた。「うわ! サーレン見えた!」
一台のトラックが国道に停まり、荷台から多くの人が降りてきた。サーレンもその中にいた。
あの人たちは大きな紙箱を担ぎ、禿げた芝生の真ん中まで運んで開けた。中にはテレビが入っていた。
彼らはその場で組み立て始め、魔力発電機に接続し、信号伝送線を引いた。
テレビが設置されると、サーレンは障壁へ歩み寄り、聖剣を一閃させた。ちょうど彼が通れるだけの切れ目が開き、他の部分が連鎖的に崩壊することもない。
彼が切れ目をくぐると、開口はすぐにぴたりと閉じた。魔法師たちは特に反応しなかった。
ジコクは、彼らが騎士に自分の魔法を切られるのに慣れてるんじゃないかと疑った。おそらく法術を施す段階で、切られることを想定した構造にしてるんだろう。魔法師第一情報部は光明之杖の、邪悪魔法師対策の主力部隊だ。騎士団と協力する機会は多いはずだ。
サーレンはジコクたちのそばまで来て、腕を組んで気楽に立ち、群衆と魔法師の対抗を眺めていた。
このエピソードの原文:
帳篷外面傳來喧嘩聲,越來越大,聲音大到蓋過他們交談的聲音。璽克認出外面有芳芙諾女士的聲音,他深深的嘆氣。他現在還是第四焚化爐的人,他覺得他應該出面處理。他走出帳篷,到了禿草皮上。另外兩人也跟了出來,小碴把貓咪手偶塞進口袋裡一併帶了出來,顯然不太放心讓這個東西在這種開放空間獨處。明明他其他家當處境都比這個手偶危險多了。
禿草皮上的抗議人數是璽克到這裡以來,看到最多的一次。他們帶來的照明設備把整個地方照得像白天一樣亮。熟面孔全員到齊,還加上家裡的狗狗、剛會走路的小孩跟不會走路,爸媽抱著的嬰孩。比較健壯的人站在前排,推擠法師部隊的障壁法術,想突破他們的封鎖線。
芳芙諾女士站在人群後方,站在大木箱上頭,在最高點嘶吼著:「他們打算修復焚化爐,不能讓他們得逞!」
法師部隊的人一面維持障壁,一面努力的向民眾解釋:裡面有危險的通緝犯、裡面的騷靈能量異常可能要爆炸了、裡面現在是戰區什麼時候死人都不奇怪……但抗議群眾的喊殺聲蓋過一切除此之外的聲音。障壁受損又補上,嚴重時出現整面裂痕,於是後退再重建,從禿草皮的邊緣一直後退,都快切到帳篷了。
不能這樣一直退下去,法師們不得不使用比較堅硬的護壁法術,抗議群眾因此撞到瘀青、挫傷,於是變得更加憤怒。開始有人對著從頭到尾沒有反擊過,只是消極架護壁的法師們大吼:「這些暴力狂!」然後對著他們扔碎磚頭。
「竟然派這麼多人鎮壓群眾,這就是政府的作風!」芳芙諾女士尖聲高喊:「說謊不打草稿!連通緝犯這麼誇張的藉口都說得出來,還有什麼話不敢說的?你們明明就是來保護焚化爐,是專程來壓制人民的聲音,打算讓焚化爐再運作三十年!為了我們的下一代,絕對不能放過你們!」
隊長是真的有打算維修焚化爐沒錯,通緝犯的事在源頭上也是謊言,不過絕對沒有人是針對他們來的。
奈莫抬起一手放在眉頭,遮住打過來的強光:「我好像看到有個蜜姷院長在那裡。」
「有兩個才對。」璽克說。笑紋妖怪可是有一對那麼多。他說完才注意到,沒看到芳古諾小姐。因為他打從心裡不想看到她,不會主動搜尋她,所以也沒注意到她不在。
「妖怪欠一個,肯定沒啥好事。」奈莫脖子縮了一下:「嚇!我看到瑟連了!」
一台卡車停在省道上,從車斗上面下來一群人。瑟連也在其中。那些人扛著一個大紙箱,搬到禿草皮中間拆開來,裡面是一台電視機。他們就地開始組裝,接上魔力發電機,牽來訊號傳輸線。
電視架好以後,瑟連走向障壁,用聖劍一劃就切出一道剛好可以讓他通過的開口,而且沒有導致其餘部分連鎖崩潰。他跨過開口後,開口又迅速密合。法師們對此沒什麼反應,璽克懷疑他們早就習慣騎士這樣切他們的魔法了,可能還在施法時就已經做好要被切的結構,畢竟法師第一情報部是光明之杖對付邪惡法師的主力單位,有很多跟騎士團合作的機會。
瑟連走到璽克等人旁邊,手叉胸口輕鬆的站著,旁觀群眾與法師對抗。




